市川市がこの春から始めた「新婚生活住まい応援事業」の対象が、11月から拡大される。現在は結婚後に新居に賃貸で住むことになった世帯を対象に敷金・礼金や家賃の補助金が出ているが、新たに、結婚後も同じ住居に賃貸で住み続ける新婚世帯について、結婚後最長1年間、毎月2万円の家賃補助を受け取ることができる。

 将来的に子育て世代となる若者に結婚後も市川に住み続けてもらおうという事業。市によると、拡大対象となるのは今年1月1日以降に婚姻届を提出し、2月28日以前に家主と賃貸契約を交わした新婚カップル。敷金・礼金は補助されない。申請受付は11月1日から始まる。
 同事業を巡り、市は2月の定例会見で、「結婚後」だけでなく、結婚を見据えて同居する「結婚前」のカップルについても同様に家賃などを補助する全国的にも例がない「結婚準備住まい応援事業」を独自に始めると発表。だが市議会では多くの議員から「結婚するかわからないのに補助金を出すのはおかしい」などと異論が噴出、最終的に2月定例会提出の2025年度一般会計当初予算案から削除された。
 市は制度設計の見直しに着手したが、国が4月に補助金を出す条件の一部を改正して結婚後も引き続き同じ住居に住む新婚世帯も補助対象としたため、それを適用することにした。
 市は同性カップルなど性的少数者をパートナー同士と説明する「パートナーシップ・ファミリーシップ届出制度」を導入しており、同制度に基づく届け出が受理されたカップルについても11月から同様の補助対象となる。
(小北清人)
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