横芝光町の屋形海岸で波に流された10~30代の男女3人を救助したとして、匝瑳市横芝光町消防組合の大木利貞消防長は、富里市の会社員、西嶋邦彦さん(64)と同町でサーフショップを経営する水野恵一さん(56)に感謝状を贈った。
 同組合によると、8月13日、同海岸の堤防近くの浅瀬で遊んでいた女性2人と少年1人が沖へ流された。
現場となった堤防付近は潮の流れが速いエリアだという。
 堤防で釣りを終えて海岸へ戻っていた西嶋さんは、海岸で男性が「助けて」と叫びながら堤防の下を指さしているのに気がついた。西嶋さんの場所からは人の姿が見えなかったが、持っていたたも網を堤防の下へ差し出すとつかむような反応があり、そのまま20代女性と少年の計2人を岸まで引っ張り助けた。
 水野さんはサーフィン体験教室を開催中、流された女性らが「助けて」と叫ぶ声を聞いたという。堤防につかまっている姿を確認して118番通報。堤防の一番奥にいた30代女性1人が沖に流されたため、サーフボードで救助に向かった。女性の足にコードを着けてボードにしがみつかせ、水野さんがボードの上に腹ばいになって手でこぎ、海岸までたどり着いたという。
 同組合横芝光消防署で贈呈式があり、大木消防長から感謝状が手渡された。西嶋さんは「怖かった。自分に起きたらどうしようと思い、しばらく海に行かなかった。今回の経験を次に生かしたい」と心境を語り、大木さんは「海はやはり危険。今回はたまたま救助できて良かった」と胸をなで下ろした。

(増淵あかり)
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