千葉大学教育学部のゼミで、指導教授と連絡がつかない状態が数カ月続き、学生が十分な指導を受けられないまま卒業論文を作成していたことが分かった。代替教員の正式な指導開始は卒論提出の約3週間前からで、学生たちは「進学や卒業を控える重要な時期に指導が受けられなかった」「大学側の説明が遅く、状況が把握できなかった」と、大学の対応を疑問視する声を上げている。
千葉大は取材に「教育機関として重く受け止めている」としている。
(粕谷健翔)
 複数の学生によると、指導教授とは昨年7月ごろから連絡が取れない状態が続いた。例年であれば、夏から秋にかけて、卒業論文の執筆に向けた個別指導が本格化する時期だが、ゼミは事実上、学生だけの自主的な集まりで継続された。4年生は「専門的な分析の手法など、何が正解か分からないまま進めた」と振り返る。
 学生側は7月以降、学部や学務担当者に繰り返し相談。11月中旬、同ゼミが属するコース全体を対象とした説明会で、教授が授業担当から外れることが初めて明示された。ただ、理由は説明されず「学部長の判断」とだけ伝えられたという。
 千葉大は取材に対し、昨年9月中旬に教授の長期不在と卒論指導が行われていない状況を把握したと説明。部局長が教授と面談し改善を指示したが、その後も不在が続いたため、11月初旬に他教員が指導を担う体制へ変更する調整を行い、12月から新たな指導教員による指導を開始したとしている。
 12月下旬の卒論提出期限が迫る中、学生は「詳細な指導は受けられず、ほぼ自力で書き上げた」と話す。大学院への進学を希望していた学生も「研究計画や院試の相談に応じてもらえなかった」と訴える。
 学生によると、今年1月下旬に改めて開かれた説明会で、教育学部長は、学生に不便や不利益を与えたことを認めたという。
だが、経緯や詳細は明かされず、学生は「大学がこの数カ月間、どのような対応をしたのか、それが適切だったのか検証してほしい」と訴えた。
 千葉大は取材に、不測の事態で教員が教育を担えなくなった場合は「速やかに代替体制を整える」との方針があるとし「今回もその方針に基づき対応した」としている。その上で「結果として十分な指導が行われなかった期間が生じた」との認識を示した。
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