銚子市の地域紙「大衆日報」が、3月11日付紙面をもって廃刊した。発行元の大衆日報社の越川和恵社長(62)が10日に急逝し、経営を維持できなくなった。
千葉県最東端の地で創刊93年を迎えたばかりの老舗日刊紙が、その歴史に幕を下ろした。
 同紙は、越川社長の祖父が1933(昭和8)年3月4日に創刊。市内と茨城県神栖市の一部を配達エリアとし、4ページの紙面で地域の話題や催しをきめ細かく取り上げ、地元の人たちに長く親しまれてきた。
 部数減少や物価高騰の影響で経営が悪化し、一時は昨年3月に同4月末での廃刊を表明。だが、存続を望む地元有志の働きかけで資金にめどが立ち、廃刊を撤回していた。最後となった11日の紙面は通算2万2168号。主に銚子商業高校卒業式の様子を多くの写真を使って伝えた。
 同社は親族経営で、越川社長の実兄である越川信一市長も記者や社長を務めた。越川社長は短大を卒業後、市役所職員を経て入社。兄から引き継ぐ形で2013年に4代目社長に就き、近年は1人で取材に当たっていた。
 1期目の市長選前に同社の経営から退いた越川市長は、廃刊について「戦時中は紙不足で休刊し、1950年に復刊して以降、たくさんの方に支えられた。かつて携わった者として感謝している」。
越川社長には創刊100年まで続けたいとの思いがあったといい「負けず嫌いで、厳しい経営状況の中でよく頑張った。無念だと思うが、銚子の活字メディアとしての役割を全うしてくれた」と実妹を悼んだ。
(伊藤義治)
編集部おすすめ