2017年に松戸市立小3年だったベトナム国籍の女の子、レェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=が殺害され、遺体が見つかってから9年となった26日、父親のレェ・アイン・ハオさん(43)は、遺体が見つかった我孫子市の現場を訪れた。雨が降る中、リンさんが好きだったピンク色の花を植え「天国で幸せでいてね」と願った。
リンさんは生きていれば18歳になる。
 ハオさんは「事件がなければ4月から大学生になっていたかも」と思いをはせる。「リンちゃんの友達は大きくなって大学に入るが、リンちゃんはずっと小さいまま」。
 リンさんに対する殺人や強制わいせつ致死の罪に問われた渋谷恭正受刑者(54)は、公判で無罪を主張。22年に無期懲役の判決が確定した後も謝罪はないという。ハオさんは「こんな残虐なことをしても何も認めず、謝罪もしない。本当に許せない」と憤り「リンちゃんに謝罪をしてほしい」と言葉を絞り出す。
 ハオさんは現在、日本とベトナムの架け橋になりたいと考えていたというリンさんの思いを受け継ぎ、福島県で旅館を営んでいる。娘を失った国にとどまることにつらさはないのだろうか。記者のこの問いに対し、ハオさんは「日本でも良い人に出会ってきた。日本を全体的に嫌いだとは考えない」と語った。
 生前のリンさんは「桜を見に行きたい」と言っていたという。
理不尽にも命を奪われ、桜を見ることはかなわなかった。事件後、現場には桜の木が植えられ、もう少しで花を咲かせる。
 確定判決によると、渋谷受刑者は17年3月24日、登校途中のリンさんを車に乗せて連れ去り、わいせつな行為をした上、首を圧迫して殺害して排水路脇に遺棄した。
(井田心平)
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