映画『ボヘミアン・ラプソディ』より ©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
2018年、日本で公開された映画の興行収入No.1を記録し、約130億円を超える大ヒットを記録した音楽映画『ボヘミアン・ラプソディ』。

伝説的ロックバンド・QUEENのボーカル フレディ・マーキュリーを描いた本作が、2021年6月4日の「金曜ロードショー」にて、ついに地上波初放送となります!

今回はそんな放送にちなんで、予告編や本編でQUEENの名曲が使われた映画を8本ご紹介。

『ボヘミアン・ラプソディ』がきっかけでQUEENに興味を持った方々や、当時からバンドを追っている往年のファンの方々に、ぜひ知っていただきたい作品の数々をご紹介します。

「映画予告」編(4作品)

『スーサイド・スクワッド』




最初に紹介する作品は、スーパーマンバットマンでおなじみ、DCコミックス原作の悪党チーム映画『スーサイド・スクワッド』です。

本作の予告編で使われた楽曲が、QUEENの代表曲としても名高い『Bohemian Rhapsody』。

その歌詞は、人を殺してしまった男性が母親に救済を求めるさまを一人称で描いたものですが、狂気的な内容はまさしく本作の世界観に通ずるもの。

ヒーロー映画シリーズのスピンオフとして、容赦なく目標をなぎ倒していく悪党集団の姿に『Bohemian Rhapsody』の曲が上手くマッチしています。

ちなみに本作では、楽曲を使用した予告編の内容が高く評価されたことで、本編をシリアスな内容からポップな作風に変える大幅な追加撮影が行われたという逸話も……。

その影響もあってか、劇中ではエピローグ部分で本楽曲が使用されていました!

『LIFE!』




同じく、予告編に『Bohemian Rhapsody』が使われた作品として、冴えない新聞記者の珍道中をファンタジックに描いた映画『LIFE!』があります。

本作は、空想癖を持つ主人公が一世一代の大冒険に出る様子を描いたもので、予告編では彼の空想シーンに合わせるように楽曲が使われています。

「これは現実?これは幻?」といった歌詞から入り、「現実からは逃れることは出来ない」という部分で楽曲がフェードアウト。

残念ながら、劇中で楽曲が使われることはありませんが、妄想する主人公の姿を見事に演出した選曲だったと言えるでしょう。

『ハードコア』




2000年代、炭酸水のCM楽曲としても使用され、若い世代にも比較的知名度の高い楽曲『Don't stop me now』も『ハードコア』という作品で使用されています。

本作は、サイボーグの殺し屋によるヒロイン救出劇を全編主観映像で追った斬新なアクション映画。

サビの「俺を止めるな!」という歌詞が主人公のアクションと呼応し、唯一無二の爽快感を演出。劇中では、クライマックスに待ち受ける壮絶なバトルシーンで本楽曲が使用されていました。

ちなみに、本作の原案となったのは、同監督が手がけた主観映像のミュージックビデオとのこと。音楽とアクションシーンの奇跡的なシンクロにも納得できます。

『アトミック・ブロンド』




同じくアクションシーンでQUEENの名曲を起用した作品に、冷戦終結前夜における女スパイの活躍を描いた映画『アトミック・ブロンド』があります。

killer queen』が使われた本作の予告編では、凄腕の暗殺者である主人公を形容するように、楽曲タイトルの「殺しの女王」という歌詞が登場。
まさしく、シャーリーズ・セロン演じる主人公・ブロートンを表すスタイリッシュな映像が繰り広げられます。

ちなみに、本編ではこの楽曲は使われず、同じくQUEENの楽曲でデヴィッド・ボウイと共作した一曲『under pressure』が使用されています。

--{続いて「本編」編の4作品をご紹介}--

「本編」編(4作品)

『ピクセル』


『ボヘミアン・ラプソディ』だけじゃない!QUEENの名曲が使われた映画8選


80年代のアーケードゲームキャラに擬態した異星人が、人類を襲うSFファミリー映画『ピクセル』では、冒頭のゲームシーンから『We will rock you』が登場。

戦いに挑む主人公を奮い立たせるように音楽が使用されており、劇中で再びこの楽曲が登場するシーンでは、観客の誰もが興奮してしまうはず。
まるで遊園地のアトラクションに参加しているようなワクワク感と映画ならではと言える夢のような名シーンにも注目です。

『テッド』


『ボヘミアン・ラプソディ』だけじゃない!QUEENの名曲が使われた映画8選


カルト的人気を誇るヒーロー映画『フラッシュ・ゴードン』に起用されたことで有名な楽曲『Flash』は、大人向けコメディ映画『テッド』で、重要な役割を果たします。

冴えない中年オヤジ・ジョンと、命を持った暴言連発テディベア・テッドとの友情を描いた本作では、彼らの関係性を象徴する映画として『フラッシュ・ゴードン』が登場し、それに合わせて、思わぬ形で『Flash』が流れることに……。

詳しくは、本編のネタバレになってしまうので避けますが、本楽曲ならびに『フラッシュ・ゴードン』が好きな方であれば、テンションが上がるに違いない素晴らしいオマージュシーンが登場します。

『ベイビー・ドライバー』


『ボヘミアン・ラプソディ』だけじゃない!QUEENの名曲が使われた映画8選


近年の映画ファンに絶大な支持を集めた作品『ベイビー・ドライバー』でも、QUEENの楽曲は使われています。

本作で使われていた曲は、QUEENデビュー初期の1974年にリリースされた『Brighten rock』。

全編を通して名曲の使い方が素晴らしい本作ですが、その中でも本楽曲のインパクトは強烈と言えます。
流れる時間はわずかですが、激しくかき鳴らされるギターの音色や打ち付けるドラムのサウンドに、胸が高鳴る一曲です。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』


『ボヘミアン・ラプソディ』だけじゃない!QUEENの名曲が使われた映画8選


『ベイビー・ドライバー』と同じく、エドガー・ライト監督がメガホンをとったコメディタッチのゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』では『Don't stop me now』が登場。

終盤のバトルシーンでゾンビと戦う主人公たちと共に本楽曲が流れ、陰湿になりがちなゾンビ撃退シーンが軽快に描かれていきます。

ファンの中でもこの場面を名シーンとして挙げる方は多く、映画を盛り上げるうえで、いかにQUEENの名曲が重要なのかを再認識させてくれる作品にもなっています。

以上、QUEENの名曲が使われた映画8本を紹介しました。

アメコミ原作にファンタジー、アクションからゾンビ映画に至るまで、ジャンルにとらわれず、様々な作品に起用されてきたQUEENの楽曲たち。

世代を越えて愛される名曲の数々は、これからも様々な映画作品を彩っていくことでしょう。

これらの作品を観て、QUEENに興味を持った方はぜひ彼らの楽曲を改めて聞いてみてはいかがでしょうか。

(文:大矢哲紀)