「ドラゴン桜」より ©TBS
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2021年春ドラマ「ドラゴン桜」で、東大専科の生徒のひとり(メインキャスト)である原健太役を熱演している細田佳央太。

映画『町田くんの世界』において、1000人以上が臨んだオーディションから見事選ばれ主役を務め、出演するドラマ・映画ともに話題作ばかり。


ドラマ「先に生まれただけの僕」「家政夫のミタゾノ」などを経て、映画では先述の『町田くんの世界』主演をはじめ、話題を呼んだ『花束みたいな恋をした』にも出演。わずかなシーンながらも存在感を発揮した。

2021年は映画『青葉家のテーブル』『子供はわかってあげない』など待機作あり。期待値が高まっている細田佳央太の魅力について語りたい。

細田佳央太の魅力は「全身全霊のフィジカルな表現」

映画『町田くんの世界』とドラマ「ドラゴン桜」の2作に注目し、細田佳央太の魅力のひとつである”フィジカルな表現”について解説する。フィジカルとは肉体的、身体的を意味する言葉。そう、身体を使って役を表す演技が絶妙に上手いのだ。


細田佳央太の恐ろしい演技力:「ドラゴン桜」いよいよ最終回

映画「町田くんの世界」より © 安藤ゆき/集英社 © 2019 映画「町田くんの世界」製作委員会
細田佳央太が注目されるきっかけとなった映画『町田くんの世界』は、安藤ゆきによる漫画を原作とした実写映画。人間が好きで、むしろ動物であれば誰彼かまわず持ち前の優しさを発揮してしまう主人公・町田くんを演じている。特徴的なのは、その”走り方”だ。

たとえば、ヒロインである猪原奈々に会いに行こうと急ぐシーン。バタバタと手足を大きく動かし、なんとか全速力で目的地へ辿り着こうとするのだが、あまり速度は出ない。町田くんのひたむきな一生懸命さ、あまり運動神経は良くないパーソナリティが感じられる場面だ。
原作を忠実に再現したそのシーンを、細田佳央太はまさに全身で表現している。

運動も勉強も苦手、取り柄はずば抜けた優しさと思いやり。町田くんという人物像を捉えるにあたり、細田佳央太は「だいぶ苦労した」とインタビューで語っていた。確かにどんな相手でも分け隔てなく愛を与えるコミュニケーションは、現実感がない。石井監督の助言「町田くんは人類みんな家族だと思ってる、それは神様と一緒だ」をとっかかりに、少しずつ町田くんという人物を捉えていった。フィジカルな表現も、その過程で出てきたものだろう。


--{再注目のきっかけ!ドラマ「ドラゴン桜」メインキャラ・原健太を熱演中}--

再注目のきっかけ!ドラマ「ドラゴン桜」メインキャラ・原健太を熱演中

細田佳央太の恐ろしい演技力:「ドラゴン桜」いよいよ最終回

「ドラゴン桜」より ©TBS
日曜21:00放送中のドラマ「ドラゴン桜」でも、細田佳央太の持ち味であるフィジカルな表現の上手さを全面に押し出している。

彼が演じるのは、阿部寛演じる桜木の指導下にある特別学級「東大専科」のメンバー・原健太。発達障害で、常に校庭で虫を探したり、教室内で虫の観察をしたりしている。当初は東大専科に入るのでさえ難しいのでは、と周りに誤解されていたが、健太には健太にしかない「強み」があった。記憶力が抜群に優れているのだ。

耳からの認知や記憶は少々難しい代わりに、視覚から得る情報の記憶力には目を見張るものがある。健太をフィーチャーした第5話で、長澤まさみ演じる水野が「聴覚的短期記憶能力」について解説していた。


耳から得る情報を記憶する能力は、確かに弱い。簡単な暗算も難しければ、親や教師から言われたこともすぐに忘れてしまう。しかし、目から得た情報は絶対に忘れないのだ。英語の辞書1冊まるまる頭の中に入っており、難解な英語論文も理解できる。健太にとっての強みは視覚からの情報記憶。強みを活かすような学習をすれば、東大受験だって難しくない。


単語でしか会話ができなかったり、常に頭や手が動いていたり、目の前のものに集中しすぎたりしてしまう様子を、細田佳央太はわざとらしくなく、かつ自然に演じのけている。一体どれだけの資料を取り入れたのだろう。筆者には自閉症の親戚がいる。興味のあることには一点集中する様子や、常に頭や手が動いてしまう所作など、見ていて何の違和感もない。

※「発達障害」や「自閉症」などには多様性があり、同病名だからといって一概に症状も一致するとは限らない。あくまで演技を観た印象を語っている点を了承願いたい。


映画『町田くんの世界』で演じた町田くん同様に、フィジカルな演技がどれだけキャラクターの色を決めてしまうものか。細田佳央太の演技を観ていると、その覚悟までしっかり背負った様子が感じられるのだ。

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--{ドラマ「ラブファントム」で見せる、細田佳央太の一味違った表情}--

ドラマ「ラブファントム」で見せる、細田佳央太の一味違った表情

これまでの代表出演作を見ていると、ナチュラルな好青年役が多いように見受けられる細田佳央太。しかし、2021年5月から放送されているドラマ「ラブファントム」では、また一味違った顔を見せている。

細田佳央太の恐ろしい演技力:「ドラゴン桜」いよいよ最終回

「ラブファントム」より ©みつきかこ・小学館/「ラブファントム」製作委員会・MBS 2021
本作は桐山漣演じるホテルマンの長谷と、小西桜子演じるカフェ店員百々子のラブストーリー。細田佳央太は、少しずつ百々子に思いを寄せる新人焙煎士・相楽淳平を演じている。

町田くんのようなナチュラル好青年キャラでも、健太のような天真爛漫なキャラでもない。今時の、少し世の中を斜に見ているような白けた若者だ。クールで口数少なく、寡黙な態度が「怖い」と言われ周りに距離を置かれてしまう人柄。それをものともせずコミュニケーションを取ろうとする百々子に、淳平は次第に惹かれていくのだ。

髪型や眼鏡の有無といった見た目の違いもあるが、演じるキャラクターが変わると細田佳央太は目の色が変わる。

町田くんが純粋無垢な目だとしたら、健太は柔らかい光をともなった目。そして「ラブファントム」の淳平の目は静観している。波立たず、慌てず、自分の信じたものをまず最初に信じる頑なさを持っているようなーー長谷と百々子の関係性を見るにつれ、その凪のような目の色も変わっていくのではと予想するが、その変化の機微も含めて楽しみたい。

(文:北村有)

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