「相棒 season20」第8話レビュー:ゲストは下條アトム!人形使いの男が守ろうとしたもの(※ストーリーネタバレあり)
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シーズン20作目となる「相棒」が、2021年10月13日(水)にスタートした。

水谷豊演じる杉下右京と、反町隆史演じる冠城亘によるタッグは今作で7シーズン目に突入。
前作「相棒 season19」で全4話に連なって描かれた壮大な事件の闇がついに明かされ、冠城逮捕という衝撃の幕開けに。

本記事では、その第8話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「相棒 season20」第8話レビュー

「相棒 season20」第8話レビュー:ゲストは下條アトム!人形使いの男が守ろうとしたもの(※ストーリーネタバレあり)

名優・下條アトムをゲストに迎えた8話。

かつて学生運動をしていた岡田という男性の白骨死体が見つかり、その後大手物流会社の社長・梶原(ベンガル)が殺される事件が起こる。

白骨死体の謎を追う右京(水谷豊)と冠城(反町隆史)は、岡田と親交があった藤島(下條アトム)をたずねる。

人形劇団をやっている藤島。彼が操る人形はまるで意志を持っているかのような見事な動きだ。感心した右京は自分にもやらせてくれと頼む。このあたりが非常に彼らしい。人並外れた好奇心と探求心こそ杉下右京の原動力だ。

そして、梶原の殺人事件を捜査している伊丹(川原和久)たちも藤島の元へやってくる。梶原の携帯に藤島とやりとりした形跡があったのだ。藤島は事件当日メールで梶原に呼び出されたのを認めて連行されてしまう。実は藤島と梶原は学生時代に人形劇団を立ち上げた仲間。やはり人形劇団仲間でシングルマザーの美鈴(白川和子)によれば、二人は長年の親友であり殺すはずがないという。

岡田と梶原、二人の死には何か接点があるのだろうか? 梶原は、岡田の白骨遺体が見つかった時期から何かに怯えだしていたという。右京は梶原が「あいつの亡霊に見えるんだ」と語ったことがひっかかる。「亡霊に見える」とは、何か別のものが亡霊に見えるという意味だ。また、日ごろ携帯でメールするのを嫌っていたという梶原が藤島にメール送信したのも不自然さが残る。

藤島たちの友人だった別の男性から、グレて二度も逮捕された美鈴の息子を藤島と梶原が見捨てなかった……と聞きだす右京たち。この話で2つの事件がようやくつながっていった。

梶原を殺したのは美鈴の息子・健太(石母田史朗)だった。

実は健太の父親は岡田。48年前、岡田は美鈴に乱暴し、それに怒った梶原が頭を殴って殺害。遺体を土深く埋めたのだった。

出所後いい働き口の見つからない健太を、梶原は運転手として雇っていた。しかし、岡田の白骨が見つかったことで健太が岡田の亡霊に見えるようになり、耐えきれず事件の夜に彼を解雇してしまう。

納得できない健太は怯えて逃げ出す梶原を追いかけるが、梶原から首を絞められて思わず石で殴打して殺害。健太が梶原の携帯から送信したメールで現場に呼び出され藤島は、犯人は健太だと直感しつつ美鈴のために口を閉ざしていたのだっだ。

乱暴されても子どもに罪はないからと健太を産み育てた美鈴。健太の父親代わりとなってきた藤島と梶原。彼らは健太を守ろうとしたのに守りきれなかった。「どこまで苦しめれば気がすむのよ……」と泣き崩れる美鈴がただただやるせない。

過去の悲劇が時を超えてさらなる不幸を生んだ今回の事件。
藤島のあやつる人形が静かに手を動かしながら悲しみの余韻を誘った。


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