今回の名画は『ひまわり』。
ドラマチックな人生だから描かれた、ゴッホ『ひまわり』
有名になった理由の一つがドラマチックな人生にあります。失恋して生涯独身、職を転々とした後に画家になり、絵画制作をがんばったものの精神を病み、死んでしまう。今では有名な画家ですが、気性が激しいために波乱万丈な生涯を送りました。
そんなゴッホの代表作が、7点描かれた『ひまわり』です。精神を病んで、光あふれる南仏へ移住後、画家仲間との共同生活を計画していたゴッホ。後から来る仲間の到着を待ちながら、幸せな気持ちで描いたのが『ひまわり』でした。暗い色調の作品も多いゴッホですが、この作品は当時の幸せな気持ちを表すように明るい色合いです。しかし共同生活はうまくいかず、ゴッホは耳を切り落とす事件を起こしてしまう。それを知ると悲しい絵にも見えます。
つらいことが多くありながらも絵画を描き続けたゴッホの絵は、現在では数十億円もの高値で取引されるようになりました。
ゴッホの幸せな気持ちがあふれた名作
7つの作品の中でも最も有名な作品で、15本のひまわりが描かれています。共同生活していたゴーギャンも欲しがりましたが、ゴッホ自身も最も気に入っていて手元に置いていました。
裸を恥じらう可愛いヴィーナス
ルネサンス期に注目された古代ギリシャ・ローマ神話をテーマに描かれました。それぞれに意味を持つさまざまなものが描き込まれており、自分でも調べていくとおもしろいでしょう。
ゴッホのひまわりは日本にもある
1987年にオークションで落札されて日本に来た、身近な作品です。
薄いブルーの背景が美しい第一作目
ゴッホ本人も満足していたよい出来だったされる作品。
【豆知識】
SOMPO美術館の『ひまわり』は、1987年に約58億円で落札されたものです。当時のオークション史上最高額であり、1枚の絵の売買価格としても最高額だったため、大きな話題となりました。
次回のテーマは「ロココ貴族の秘密の恋模様!? 『ぶらんこ』に隠されたフェチな事情」です。お楽しみに!
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青い日記帳 監修:川瀬佑介 【著者:青い日記帳】Tak(たけ)の愛称でブログ「青い日記帳」を主宰。1年に300以上の展覧会に足を運んでレビューを行うほか、美術の本質を見極めながら、広くて深くてしなやかな美術鑑賞法発信。