ソフトバンクと東京科学大学(旧東京工業大学)工学院 藤井輝也研究室は2月21日、携帯電話の5G基地局と衛星通信地球局の間で発生する電波干渉を抑制する「システム間連携与干渉キャンセラー」の屋外実証実験に2025年1月に成功したと発表した。2023年10月に室内環境での実験に成功していたが、今回実用環境に近い屋外での実証実験に成功した。
5Gエリアのさらなる拡大につながる技術として、実用化が期待される。
5G向けにソフトバンクが使用している3.9GHz帯の一部は、衛星通信の地球局の下り回線(衛星から地球局に向けて送られる信号)と同じ周波数帯であるため、基地局の設置場所によっては電波干渉が問題となっていた。これまで、この干渉を避けるためには、基地局の送信電力を下げたり、基地局アンテナに指向性を持たせて衛星通信アンテナのある方向に5Gの電波が届きにくいようにしたり、地球局から一定の距離(50km以上)を確保する必要があった。
今回開発した「システム間連携与干渉キャンセラー」は、衛星通信地球局に設置され、5G基地局からの干渉信号をリアルタイムで抑制する仕組み。これにより、衛星通信地球局の周辺でも5G基地局の設置が可能となり、5Gエリアのさらなる拡大が期待できる。
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