オンラインサービスがダウンして利用できない時、障害がどれだけの範囲で発生しているのか、いつから継続中なのかといった詳しい状況は、ユーザとしても気になるところ。

「Downdetector」のように、こうした障害発生状況をまとめたウェブサービスも存在するが、それらの多くはSNS上のユーザの声がソースであり、個々のサービスと直接ひもづいているわけではないため、信頼性は高くない。


最近はこうした障害に備え、サービスの提供状況をリアルタイムで告知するステータスページを用意する事業者が増えつつある。トラブル発生時にだけ中の人が手動で告知を行うのではなく、サーバの死活チェックの結果を自動的に可視化しているため、即時性は高く情報も正確。事業者側としても、これひとつ用意しておけば、万一の場合も個別の応対を減らし、落ち着いて対応に集中できる利点がある。

今回はいわゆるGAFAを中心に、世界各国でコンシューマ向けの幅広いサービスを提供している事業者に絞り、各事業者が用意しているステータスページを紹介する。自身が利用しており参照する機会がありそうなページについては、ブックマークするなどして常時参照できるようにしておくとよいだろう。なお今回紹介しきれなかった個別のサービスについては、別の機会にまとめて紹介する予定だ。
○Google

Google Workspace ステータス ダッシュボード

Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、Googleドキュメントやスプレッドシートなど、Google Workspaceに含まれるサービスのステータス情報を日本語で提供している。データは過去1週間分まで遡ることができ、インシデント情報だけを抽出することも可能。

○Microsoft

Microsoft サービス正常性

Microsoft 365、Outlook.com、OneDrive、Teamsなど、コンシューマ向けサービスを中心としたサービスの現在の状態を参照できる。過去に遡っての参照はできず、現時点での情報に限定される。

○Apple

Apple システム状況

iCloudをはじめとしたウェブサービスのほか、写真や天気、株価といったアプリ、さらにApp StoreやiTunes Store、Apple TV+に至るまで、コンシューマ中心に提供しているツールのシステム状況を公開している。過去に遡っての参照はできず、現時点での情報のみ。


○Adobe

Adobe Overview

Creative Cloud、Experience Cloud、Document Cloudなど計5つの区分で、現在のステータスを提供している。それぞれをクリックするとそれらに含まれるプロダクトのステータスを5段階で知ることができる。リージョンの指定や日付指定での絞り込みにも対応。

○Meta

Status and outages of Meta business products

Metaが用意しているステータスページは対象がFacebook広告マネージャーをはじめとするビジネスツール、および開発者向けAPIなどに限定されており、FacebookやInstagram、WhatsAppなど個別のサービスにまつわるステータス情報は提供されていない。

山口真弘 ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWebや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーがおもな守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。 この著者の記事一覧はこちら
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