近年、個人事業主や法人がインターネットを活用して、新たに商品やサービスを販売する動きが広がっています。経済産業省の調査によると、2023年の日本のBtoC(Business to Consumer)EC市場規模は24兆8435億円に達し、前年比9.23%の成長となりました。


個人の趣味や特技から始まったネットショップが、ファンを集めながら成長し、やがて法人化するケースも増えています。

この記事では、ネットショップを始めるための具体的な7ステップをご紹介します。開業の準備から、集客の工夫、成長のためのヒントまで、順を追ってわかりやすく解説します。

○STEP 1:何を売るか決める - 商品ジャンルと仕入れ方法を考える

ネットショップを始めるにあたって、まず「何を売るか」を決める必要があります。

販売する商品が無ければECは始められません。販売する商品には、仕入れ商品やセレクト商品の販売、オリジナル商品の開発など、さまざまな選択肢があります。

仕入れ方法も多様です。展示会などに足を運び、取扱商品を発掘する、OEMで製造するなど「取り扱いたい商品」や「届けたい想い」「販売したいこだわり」「つくりたい世界観」に合わせて、最適な方法を選びましょう。

また、EC市場全体では、「サービス系分野」の成長も著しく、同経産省の調査で2023年には前年比22.27%と大きな伸びを記録しました。たとえば、オンラインで受講できるヨガレッスンやパーソナルカラー診断、弁護士や税理士などの専門家によるオンライン相談など多岐にわたるサービスがあります。

販売者にとっては、場所や時間に縛られず効率よくサービスを提供でき、購入者にとっても、全国どこにいても自分のペースで利用できる便利さがあります。こうした利便性の高さが評価され、サービス系ECの需要は今後も高まっていくと見られています。

○STEP 2:ショップ名とコンセプトを決める - 想いを言葉にする

顧客に選ばれるネットショップになるには、「誰に」「何を届けたいか」を明確にし、それを表現するコンセプトとショップ名が必要です。たとえば、「お家時間を心地よく過ごすための生活雑貨を提案する」「歩きやすさにこだわった靴で、毎日の暮らしに軽やかさを届ける」「子どもたちの毎日に、ワクワクと学びの魔法を届けるために、世界中から選び抜いた、心が育つ知育おもちゃをあなたのご家庭へ」など、具体的なライフスタイルや提供価値を言語化しましょう。
また、ショップ名は覚えやすさや検索しやすさ、独自性を意識して名付けることが重要です。最初の印象となる大切な要素なので、じっくり考えましょう。
○STEP 3:開業方法を選ぶ - 自分に合った構築手段を探る

ネットショップの作り方には複数の方法がありますが、初心者やスモールビジネスにはSaaS(Software as a Service)型のASP(Application Service Provider)サービスの利用がおすすめです。テンプレートを使って手軽に始められ、決済や顧客管理などの基本機能が備わっているのが特長です。

たとえば「カラーミーショップ byGMOペパボ」では、無料から始められるプランや、ショップ運営に不安がある方に向けてアドバイザーが伴走してくれる「プレミアムプラン」も用意されています。売上が増えたら上位プランに移行することも可能です。コスト面や使い勝手を比較しながら、事業に合ったサービスを選びましょう。
○STEP 4:許可・資格・備品などを準備する - スムーズな開業のために

ネットショップを始める際には、開業届の提出や、取り扱う商品に応じた許可(食品衛生責任者・古物商など)が必要です。早めに確認しておくと安心です。
必要な備品としては、パソコンやインターネット環境のほか、梱包材、商品撮影用のカメラや照明などが挙げられます。
最初は最低限の設備からでも十分にスタートできます。
○STEP 5:ショップ開設・商品登録 - お店を立ち上げよう

いよいよネットショップを開設する段階です。ASPサービスであればテンプレートを活用して簡単にデザインが可能です。
商品説明文や写真は、購入率を大きく左右する要素です。こだわりの商品は、魅力的に伝わるよう丁寧に表現しましょう。
○STEP 6:配送方法を選ぶ - 顧客満足とコストのバランスを考える

配送は、ネットショップ運営において欠かせない要素のひとつです。ヤマト運輸、日本郵政、佐川急便など主要配送業者の中から、商品のサイズや配送地域に合わせて適切な方法を選びましょう。
法人契約を活用したり、複数の業者を使い分けたりすることで、コスト最適化も可能になります。
○STEP 7:集客・販促を行う - お客様との出会いをつくる

ショップ開設後は、お店の存在を知ってもらうことが重要です。SNS(Instagram、Xなど)を活用し、商品の魅力やショップのストーリーを発信しましょう。写真や動画を活かした投稿は、商品の特徴や世界観を効果的に伝えることができます。

併せてSEO(検索エンジン最適化)にも取り組みましょう。
商品ページのタイトルや説明文にキーワードを適切に入れることで、検索結果からの訪問者を増やすことができます。また、ブログ記事やコンテンツマーケティングを通じて、商品の開発背景や活用方法を紹介することも有効です。
さらに、メルマガやLINE公式アカウントを活用すれば、既存顧客に向けて新商品情報やお得なキャンペーン情報を届けることができます。購入後のフォローメールやレビュー依頼、クーポンの配布なども、リピーター育成に繋がる大切な施策です。

集客・販促は、単発で終わらせず、日々の積み重ねとして運用していくことが成功の鍵となります。
○最後に

ネットショップ開業は、事前にステップを踏んで準備することで、誰でも着実に始められます。取り扱いたい商品を決め、届けたい相手を想像し、仕組みを整える。

小さな規模からでもスタートできるのがネットショップの魅力です。
まずは、自分にできることから一歩ずつ取り組んでみてください。「始めること」「続けること」その両方が、ネットショップ成功への近道になります。
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