単独ライブは「いつも楽しい」 ファンのありがたさも実感

結成20周年を記念した単独ライブツアー「純米大銀醸」を開催中のお笑いコンビ・銀シャリ(鰻和弘、橋本直)にインタビュー。単独ライブへの思いを聞くとともに、20年の歩みを振り返ってもらった。

2005年8月にコンビを結成してから今年で20年の節目を迎える銀シャリ。
全国15会場を巡る単独ライブツアー「純米大銀醸」は、5月3日に静岡で幕を開け、12月26日に大阪・なんばグランド花月でファイナルを迎える。

――銀シャリさん史上最大規模の単独ライブツアーとなりますが、意気込みをお願いします。

鰻:コロナのときはできませんでしたが、毎年単独ライブツアーを開催していて、いつも前回を超えたいという思いでやっています。

橋本:毎年少しずつ規模が大きくなっていますが、20周年ということで気合入っています。もう20年もやっているんだという感慨深さもありますが、いつも通り楽しく。お客さんに楽しんでいただけるように頑張るのはもちろんですが、自分たちも楽しみたいです。

――単独ライブはお二人にとってどういうものになっていますか?

橋本:いつも楽しくて、呼吸するように単独ライブは毎年あるものという感じです。

――生の反応があるというのが楽しいと感じるところでしょうか。

橋本:それは間違いなく大きいです。いろんなところに行けるというのも楽しいです。

鰻:会場によって雰囲気も違いますし。

橋本:ライブは毎回雰囲気が違いますが、僕らの単独はゲストがいないので、打ち上げはいつも同じメンバーなんです。
鰻が目の前に座って、マネージャーが横にいて、あと技術さんとか。

鰻:皆さん片付けされた後に来るので、最初の1時間くらいは僕ら2人だけしゃべっていて、店員さんから「2人で来てる」と思われる恥ずかしさもあります(笑)

橋本:ゲストの方の力をお借りせず、自分らだけでどれだけお客さんが来てくれるのか、わかっていないといけないと思うので、ゲストは呼んでいないんです。

鰻:2人だけを見に来てくれるってすごくないですか!?

――ファンの皆さんのありがたさを改めて感じる場でもあるわけですね。

2人:そうですね。

――今年8月で結成20年を迎えられますが、その心境もお聞かせください。

鰻:もう感謝です。これだけの会場でライブができているというのは、やはりお客さんが入ってくれないとできないことですから。

橋本:単独ライブは、毎回気合を入れているので、20周年だから何か変わるというわけではないですが、続けてこられているということはありがたいなと思います。

「今まで転機がない」『M-1』優勝時も急激な変化はなし

――20年の歩みを振り返ってどのように感じますか?

橋本:めっちゃスポットライトを浴びるタイプではないですが、いぶし銀というか、地道にコツコツやってきて、単独ライブ面白かったから来年も行こうと思ってくれる人が少しずつ増えてきたのかなと思います。今回のタイトルは「純米大銀醸」で、「醸す」という字が入っていて、熟成された20年の良さというか、脂が乗っている感じが出ればいいなという思いがあります。

鰻:派手さなんてないですから、ほんまに一歩一歩やってきたなと。それが自分たちらしいなと思います。

――『M-1グランプリ2016』優勝と輝かしい成績を残されていますが、地道にコツコツというタイプだなと?

橋本:テレビスターというわけでもないですから。
よく「地味」と言われますし、自覚はしています(笑)

鰻:『M-1』優勝で急に何かが変わるというわけでもなかったので。今まで転機というものがないんです。これからじゃないですか!?

橋本:今後転機があったらいいなと思います。

――大きな変化はなかったとのことですが、『M-1』優勝はお二人にとってどういうものになっていますか?

鰻:『M-1』優勝という肩書きがついたのはありがたいです。

橋本:漫才師として飯食っていける、やめんでええという感覚で、その喜びはありました。でも2016年頃は職人同士の戦いみたいな感じで、優勝したら一気に仕事が入るという感じでもなく、コツコツやってきたなと。スルメみたいにじわじわ良さを感じてもらえているのかなと思います。

鰻:やっぱ銀シャリがいないとあかんなという風に思ってもらえていたらうれしいです。

――じわじわ好きになるというのは、やはりネタの面白さに尽きるのでしょうか。

橋本:ライブをたくさんやっているというのが大きいのかなと思います。直接見て面白かったと思われるのが一番効力があると思うので。

鰻:このツアー以外にもう1個、47都道府県を巡るツアーをやっている芸人なんてたぶんいないと思います。
それで全国各地を訪れて、ほんまにコツコツです。

しゃべくり漫才は「日常の会話の延長線上でするように」

――自分たちらしさとして大切にしていることも教えてください。

橋本:しゃべくり漫才ということで、日常の会話の延長線上で漫才するようにしています。

――しゃべくり漫才という強みは初期の頃から見えていたのでしょうか。

橋本:試行錯誤しながらです。先輩方を見ていても、しゃべくりの人はかっこいいなというのもありましたし、自分らにも合っているなというのもあって、そういう風になっていったのかなと。何かキャラを入れるのがあまり楽しくないというのもあって。

鰻:キャラを演じるのではなく、そのままの自分でしゃべっている方が好きです。

――『M-1』優勝は、しゃべくり漫才という自分たちの形に自信を持てる出来事にもなりましたか?

橋本:間違いなくそれはありました。

■銀シャリ
鰻和弘(1983年8月31日生まれ、大阪府出身)と橋本直(1980年9月27日生まれ、兵庫県出身)によるお笑いコンビ。2005年8月結成。『M-1グランプリ2016』で優勝。
2017年4月より東京に活動拠点を移した。銀シャリ20周年単独ライブツアー「純米大銀醸」は今後、6月28日に北海道、7月6日に大阪、7月21日に東京、8月9日に宮城、8月15日に愛知、8月31日に兵庫、9月20日に徳島、9月21日に広島、11月22日に石川、11月30日に福岡、12月6日に東京、12月26日大阪にて開催。残り1公演は今後発表予定。
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