6月といえば衣替え、梅雨入り、祝日ゼロ……そして、もうひとつ。サラリーマンの皆さんにとって“見過ごせないお知らせ”が届く月でもあります。
それが住民税の決定通知書。
給与から自動的に引かれていることもあり、「あまり意識したことがない」という人も多いかもしれません。でもこの通知書、実は自分の収入や税金の仕組みをざっくり把握できる“成績表”のようなものなんです。今回は、通知書や給与明細で“ここだけは見ておきたい”ポイントを3つに絞ってお伝えします。
「課税所得」の金額

住民税は、「前年の所得」をもとに計算されます。そのため、通知書の中には「課税所得金額(=控除後の所得)」が記載されています。

ここを見れば、ふるさと納税や医療費控除、扶養控除などがきちんと反映されているをざっくりチェックできます。「年末調整もしたし大丈夫でしょ?」と思っていても、控除の申請漏れや、会社側の手続きミスで差が出ることもあるので、確認しておいて損はありません。
「所得割」と「均等割」の内訳

住民税は大きく2つに分かれています。

所得割:収入に応じて決まる税額(都道府県民税+市区町村民税)
均等割:所得に関係なく一律でかかる税額(全国一律)

通知書には、この内訳が書かれています。「どうしてこんなに引かれるの?」と感じる人も、この2つの合計が住民税の正体と分かれば、納得感も出てきます。

ちなみに、令和6年度までは復興特別税の影響で均等割が少し高めに設定されている地域もあります。

「特別徴収」の金額と期間

サラリーマンなど給与所得者の多くは「特別徴収」という方法で住民税が天引きされています。通知書や給与明細を見れば、「毎月いくら」「いつからいつまで」引かれるかが書かれています。

具体的には、6月から翌年5月までの12ヶ月で均等に分割徴収されます。つまり6月の給与明細を見て「手取りが減ってる…」と感じたら、それはこの住民税の影響というわけです。

こんなときは要チェック!
通知書の確認は一見地味に見えますが、以下のようなケースでは特に重要です。

・退職予定のある人:住民税は“後払い”なので、退職後に一括で請求がくることも。
・ 転職した人:旧勤務先から新勤務先への引継ぎがスムーズでないと、二重払いリスクも。
・ 副業している人:住民税の通知がきっかけで副業がバレる、なんてことも(特別徴収→普通徴収への変更で対策可能)。
通知書は“あなたの税金の通知表”

住民税は「なんとなく天引きされてるもの」としてスルーされがちですが、通知書には自分の収入、控除、納税額がすべて凝縮されています。ふるさと納税がちゃんと反映されているか、会社の年末調整に漏れがなかったか。数分でも確認しておくと、意外な発見があるかもしれません。税金の通知表を開いてみるだけで、お金との向き合い方がちょっと変わるかもしれません。


この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介


小峰一真(こみねかずま)

MILIZE みらいず AIとITと金融工学の力を駆使し、お金の計画・管理・運用まで完結できる次世代の金融ウェブサービスを手掛けている。個人の方向けには、専属FPにオンライン相談・メール相談ができるサービス『TAMARU』や、お金の情報について動画で分かりやすく解説する『MILIZEチャンネル(YouTube)』など、"金融商品を売らない"完全中立的な金融サービスを提供している。 この監修者の記事一覧はこちら
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