ヒューマンホールディングスは5月29日、「40歳のキャリア実態と『なりたい自分』意識調査2025」の結果を発表した。調査は5月19日~20日、企業や組織・団体に勤務する1985年生まれの男女1,000名(男女各500名)を対象にインターネットで行われた。


現在の仕事に対する満足度を聞いたところ、41.8%が「非常に不満」「どちらかといえば不満」と回答。仕事に関する悩みを聞くと、「給与が低い」が最多の35.6%。次いで「モチベーションが上がらない」(22.9%)、「昇給が見込めない」(22.5%)と続き、収入に関する悩みが多い一方、多くの方が15年以上と思われる社会人経験の上で、現在の仕事に対して意欲が低下しているよう。

そこで、転職経験について聴取したところ、62.6%が「転職をした経験(1~5回)がある」ことが明らかに。また、「転職の意向がある」人も60.0%にのぼり、40代での転職を考える人は多くいることがわかった。

次に、「20代のときに想定していた40歳時点の年収額」を聞いたところ、「500~600万円未満」(25.8%)が最も多く、次いで「400~500万円未満」(19.8%)、「600~700万円未満」(12.7%)と続いた。一方、「現在の年収額」は「300~400万円未満」が最多の21.9%。次いで「200~300万円未満」(16.6%)、「500~600万円未満」(16.1%)と続き、最も多くの人が回答した想定と実際の年収額を比較すると、約100~200万円のギャップがあることが浮き彫りに。

また、「管理職とスペシャリストでは、どちらになりたいですか?」と尋ねたところ、74.0%が「スペシャリスト」を選択。理由を聞くと、多い順に「管理職に向いていない」「管理職になりたくない」「専門性を高めたい」が上位に。一方「管理職」を選択した人からは、「給与が高い」「マネジメントに興味がある」「適性があると思う」「スペシャリストにはなれないから」といった声が多くあがった。

次に、40歳までに習得しておくべきスキルを聞いたところ、1位「コミュニケーション」(33.9%)、2位「デジタル・IT」(30.7%)、3位「語学」(21.4%)、4位「AIやIoT」(20.6%)となり、デジタル・テクノロジースキルが多く挙げられる中、3位に「語学」がランクイン。


一方、これからの時代に求められるスキルとしては、こちらも「コミュニケーション」(40.8%)が1位に。次いで「デジタル・IT」(39.8%)、「AIやIoT」(32.5%)、「データ分析」(31.7%)、「情報収集」(29.2%)と続き、デジタル・テクノロジーに関するスキルや、戦略立案のためのスキルが重視されながらも、仕事をする上では「コミュニケーション力」が最も重要と考える人が多いよう。

また、リスキリングについて聞くと、「リスキリングに取り組んだことがある」人は23.2%となり、その目的は「業務スキル・知識のアップデート」(39.7%)、「新しい業務スキル・知識の習得」(38.0%)、「給与アップ」(37.5%)が上位に。さらに、前述の「仕事に関する悩み」では「モチベーションが上がらない」が2番目に多い結果だったが、リスキリングが「仕事へのモチベーション維持・向上」(33.1%)に繋がる状況も垣間見える結果となった。

一方、「リスキリングに取り組んだことのない」人は76.8%。リスキリングに取り組む上で足かせになっているものを教えてもらったところ、「仕事の忙しさ」(26.8%)と「金銭の不足」(26.6%)がほぼ同率で上位に。次いで、「リスキリングに関する知識不足」(25.0%)が続き、条件を満たせば金銭的な補助を受けられることなどの周知によって、今後取り組む人が増えるかもしれない可能性が見てとれた。
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