アイリスオーヤマは6月2日に『アイリスのお茶 綠(りょく)』を発売し、緑茶飲料事業に新規参入する。販売チャネルは、全国のスーパーマーケット、ECサイト、ホームセンターなど。
都内で開催の発表会で、ブランドアンバサダーの吉沢亮さんが新商品をPRした。

■朝に緑茶の新習慣

『アイリスのお茶 綠』は、華やかで爽やかな香りが特徴。渋みと苦みが少なく、甘みのあるやさしい味わいとなっている。同社では「朝に飲むなら、アイリスのお茶」をコンセプトに展開する。

アイリスオーヤマ 執行役員の勝間浩之氏は、同社の食品事業に対する想いについて説明。「東日本大震災により、宮城県に本社を置く当社も甚大な被害を受けました。これを機に食品事業に注力するようになり、2013年には精米事業、2015年にはパックごはん事業、2021年には飲料水事業に参入しました。災害発生時に国内に支援物資を迅速に配送できるよう、物流体制も強化しております。当社では、今後とも日本の社会課題を解決する”ジャパン・ソリューション”の実現を目指してまいります」とする。

茶系飲料は、炭酸飲料、ミネラルウォーター類と同等かそれ以上にマーケットの伸びしろがある、またアイリスオーヤマの製造ラインとも親和性が高い、と勝間氏。今後は埼玉工場に緑茶製造のための設備を導入し、佐賀県の鳥栖工場の製造ラインも増強。26年度には京都の舞鶴に新たな工場を建設するなどして、国内生産を拡大していく考えだ。


アイリスオーヤマでは『アイリスのお茶 綠』を通じて、朝に緑茶を飲む新しい習慣を消費者に向けて提案していく。「そもそも朝に緑茶を飲めば、体内リズムが整えられ、リラックス効果も得られます。しかし当社アンケートによれば、渋み・苦みがあるため朝に緑茶を飲む習慣はない、という回答が多く寄せられました。これを受け、朝の飲用機会に潜在的な需要があると判断しました」と勝間氏。同社では、渋み・苦みをやわらげる低温密閉抽出、にごりを低減して飲み心地を向上する遠心分離といった技術を用いて”すっきりゴクゴク”飲める新商品を開発した。ちなみに開発期間には3年をかけたという。

緑茶飲料事業に関しては150億円の設備投資を行う。物流体制を整備し、国内19工場からスピード配送を可能にする。販売目標については2025年6月~2026年5月の1年間で70億円を想定している。また今後の事業戦略として、食品事業全体では2030年に1,000億円の大台を目指す。勝間氏は「飲料のカテゴリをしっかり育てることで、食品事業を大きく成長させていきます」と意気込んだ。

■朝、美味しい緑茶は本物

このあと、ブランドアンバサダーの吉沢亮さんが登壇した。
全国で6月2日より放送される新CM『あの人にも』篇(15秒)、『朝は本物』篇(15秒)には、究極の茶道を追求する伝説の茶人「お綠さん(おりょくさん)」として出演する吉沢さん。「これまでとはテイストの違う、和室、和装、静寂、という新鮮な空気感の中で撮影が進みました」と笑顔を見せる。

『アイリスのお茶 綠』を飲んだ感想については「すっきりしていて雑味がない、本当に飲みやすい緑茶です。気がついたらゴクゴク飲んでいます。CMのなかでは『朝、飲んで美味しいお茶は本物です』というセリフがありました。クセがない味わいなので、朝の寝起きに味わってもらえたらと思います」と訴求する。

このあとゲストとして、早稲田大学 名誉教授、愛国学園短期大学 特任教授 時間栄養学専門家の柴田重信さんが登壇した。柴田教授は、時間栄養学の観点から解説。それによれば朝に緑茶を飲んで体内にカテキンを取り込むことで、日中、紫外線による酸化ストレスのダメージから守られることが期待できるという。また朝にカフェインを摂取することで体内時計が整えられることも、健康的な生活を送るうえでメリットになると話した。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。
通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
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