米Googleは6月3日(現地時間)、AIを活用したノート作成・調査アシスタント「NotebookLM」に公開リンク機能を導入した。これにより、ユーザーは自分のノートブックを他者と手軽に共有または公開できるようになった。
教育現場での教材共有、企業におけるWikiや製品マニュアルの配布など、幅広いシーンでの活用が期待される。

NotebookLMでは、情報ソースとしてPDFやテキストファイル、Googleドキュメント、WebページやYouTubeのURLなどをアップロードすることで、特定のトピックを対象としたAIチャットボットを利用できる。2023年に実験的なプロジェクトとして初めて公開されて以来、そのユニークな機能で注目を集めてきた。

サービス開始当初は、個人が複数の資料をまとめ、AIの支援で理解を深めて情報活用の幅を広げるためのツールだった。その後、徐々に他者との共同作業にも対応する方向で機能が拡張され、今では複数人で知識を共有・深化させるツールとしての活用も広がっている。

NotebookLMの従来の共有機能では、メールアドレスを指定することで、共有範囲は特定のユーザーまたはグループに限られていた。今回の公開リンク機能の追加により、リンクを知っている人であれば誰でも簡単にノートブックにアクセスできるようになった。

公開するには、NotebookLMのノートブックの右上にある「共有」ボタンをクリックし、「ノートブックへのアクセス」設定を「リンクを知っている全員」に変更する。左下の「リンクをコピー」ボタンを押すことで、公開リンクを取得できる。

公開形式は2種類あり、「ユーザーは次のコンテンツにアクセスできます」欄で「ノートブックすべて」を選択すると、リンクを知っている人が情報ソースやメモも閲覧できる。一方、「チャットのみ」を選ぶと、ノートブックを用いたAIチャットのみの利用に限定される。たとえば、製品のマニュアルのノートブックを作成して「チャットのみ」で公開することで、製品の使い方についてAIに質問するユーザーヘルプとして機能する。


なお、既存の指定ユーザーとの共有では相手に共同編集権限を与えられるが、公開リンクによる共有では閲覧とAIチャットの利用に限定される。

NotebookLMに公開リンク機能が追加されたことで、情報や文書だけではなく、AIによる分析、理解や探究を支援するAIツールを含めて手軽に共有できるようになった。知識・情報共有の新たな形として、NotebookLMは情報整理ツールから知識共有プラットフォームへと、さらなる進化を遂げようとしている。
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