2025年3月31日から日本語でも利用可能になったApple IntelligenceをiPadでどのように使いこなしたらいいか。前々回の記事では「作文ツール」、前回の記事では「ChatGPT」に関して解説しましたが、今回のテーマは「画像生成」です。
「Playground」アプリなどを利用してオリジナル画像を作る方法、また「ジェン文字」と呼ばれるオリジナル絵文字を作る方法について解説していきます。

○まずは「Playground」を使ってみよう

iPadで文章や資料、チラシなどを作成するときに、適当な画像が手元になくて苦労したことはありませんか? そんなとき、自分で撮影したり描いたりするのは手間がかかりますし、かといって素材サイトから入手するにも時間やお金がかかったりします。

そこでぜひ使いこなしたいのが、Apple Intelligenceの画像生成機能「Image Playground」です。Apple Intelligenceを利用可能なM1以降を搭載したiPadシリーズ、またはA17 Proを搭載したiPad miniなら、ホーム画面に「Playground」というアプリが登録されているので開いてみましょう。

すると画面に「どんな画像を作成したいですか?」と表示されるので、画面下部にある「画像を説明」フィールドをタップして説明を入力。たとえばオフィスビルの画像が欲しいなら、「モダンなオフィス 高層ビル 青空 下から見上げる」などと入力すると即座に画像が生成されます。説明(プロンプト)が詳細であるほど目的の画像を得やすくなりますので、いろいろと工夫してみましょう。

生成された画像は、コピーや共有、写真ライブラリへの保存ができるほか、生成後に[完了]をタップすれば「Playground」アプリ内に保存されます。また、生成後に説明を追加して別のバージョンを作成したり、[スタイル]ボタンをタップしてイラスト風やスケッチ風などにスタイルを変更したりすることも可能です。

Image Playgroundで生成されるのは現時点ではアニメ風やイラスト風、スケッチ風の画像ですが、それでもコストをかけずにスピーディに欲しい画像を入手できるのは大きな魅力です。

○説明を入力しなくても画像生成が可能

「Plyaground」アプリの素晴らしい点は、生成AIに慣れ親しんだ人でなくても簡単に使い始められるところです。説明を入力しなくても、画面下部に表示されるさまざまなテーマをタップしていくことで画像を生成できます。


また、[メディア]ボタンや[人]ボタンをタップして写真ライブラリから任意の写真を選択すれば、その写真を元にした画像を生成できます。

なお、Image Playgroundによる画像生成は「メッセージ」や「フリーボード」から直接行うことも可能です。メッセージを送る際や、フリーボードで作図などをしているときに「Plyaground」アプリを起ち上げることなく画像を生成できるのは非常に便利です。

○自分の言葉で自由に絵文字を作れる

Apple Intelligenceでは、「ジェン文字」と呼ばれるカスタム絵文字を生成することもできます。「Playground」アプリで画像を生成するように、どのような見た目にしたいかを簡単に説明すると瞬時に自分だけの絵文字が完成。「メッセージ」アプリでの会話に利用したり、ステッカーやTapbackとして利用したりすれば、もっと相手に気持ちを伝えることができます。通常の絵文字と違って、思い立ったときにすぐに自分だけの絵文字を自由に作れるのが「ジェン文字」の良いところです。

ジェン文字を作成するには、「メッセージ」や「メモ」「メール」などのアプリで、テキストフィールドをタップして絵文字キーボードに切り替え。オンスクリーンキーボード上に表示される「ジェン文字」ボタンをタップすると、画面上に「どんなジェン文字を作成したいですか?」と表示されるので「ジェン文字を説明」フィールドに説明を入力します。

たとえば、「驚いている目玉焼き」と入力すると、目玉焼きの黄身部分が驚いた目になった絵文字など複数の候補が表示されます。そして気に入ったものを選択して[追加]を押せばテキストフィールドに挿入されます。また、一度作成した絵文字は絵文字キーボードの[時計]タブ、または[ステッカー]タブに表示されるのでタップすればいつでも利用可能です。


また、写真をもとにジェン文字を作ることも可能です。「ジェン文字を説明」フィールドに、たとえば「誕生日をお祝いしている太郎」のように説明を入力すると、「人を選択」ボタンが表示されるのでタップ。そして「写真ライブラリ」からその人物の写真を選べば、その写真を元にした絵文字が出来上がります。あらかじめ「写真」アプリで人やペットなどに名前をつけておくようにしましょう。

○次回は「画像マジックワンド」について解説

画像生成が可能なAIサービスはほかにもありますが、Apple Intelligenceによる画像生成は、普段利用しているアプリで自然に使えるのが一番の魅力。プライベートやビジネスのいろいろなシーンで、自分の言葉を使ってオリジナル画像を生み出せる楽しさをぜひ体験してみてください。

なお、Apple Intelligenceの画像生成機能には、もう1つ「画像マジックワンド」があります。「メモ」アプリで手書きしたスケッチをもとに画像を生成してくれるなどとても便利なので、次回の記事で詳しく解説します。
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