ビズヒッツは6月9日、「ボーナスの使い道に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2025年4月7日~11日、働く男女501人を対象にインターネットで行われた。

○次のボーナスの使い道1位は「貯蓄」

働いている501人に「次のボーナスの使い道」を聞いたところ、1位は「貯蓄に回す(29.9%)」、僅差の2位は「旅行に行く(29.5%)」だった。3位には「投資に回す(10.0%)」がランクインしている。

大きく「貯蓄などの堅実志向」と「旅行などの娯楽志向」に分かれたが、今回のアンケートでは堅実志向がやや多くなっている。ただ、すべてを貯金に回したり旅行・娯楽に回したりするのではなく、一定額を旅行に使って、残りを貯金する人も。また「各種返済に回す」「生活費の補填」という回答からは、普段の給料では生活が厳しい人もいることが伺える。
○1位「貯蓄に回す」

「現在収入が安定していないため、万が一のための貯蓄」(20代 男性)、「老後が心配だから」(30代 女性)、「子どもの教育費がかかるから」(40代 女性)など、将来への備えや経済的な不安感を理由として、ボーナスを貯蓄に回す人が多くなった。楽しみを優先するのではなく、生活を守ることを優先しているようだ。経済的な不安の背景には、「低収入」「収入の不安定さ」などがある。一方、子どもの教育費、結婚資金、住宅購入費など、個別の目的があって貯蓄に回している人もいる。
○2位「旅行に行く」

「まとまったお金があるから、節約しないで心から楽しめる」(20代 女性)、「子どもとの思い出をたくさん作りたいので」(30代 女性)、「温泉旅行が趣味なのですが資金不足なので、足しにします」(50代以上 男性)など、旅行をボーナスの使い道とする人は多い。旅行にしっかりお金をかけることで、「節約しないで心ゆくまで楽しめる」「移動が快適になる」などのメリットがあり、楽しさやワクワク感を重視した使い方と言える。
○3位「投資に回す」

「将来のことも考え貯蓄だけでなく投資もしているが、毎月では少額でしか投資できないから、普段よりも多く投資に回したいと思う」(20代 男性)、「飲食企業の株をねらっており、まとまった金額が必要なため」(30代 男性)という声があるように、貯金ではなかなかお金が増えないと考える層を中心に、投資も人気がある。
利益を増やそうと思うとまとまった元手が必要になるので、ボーナスを投資に回す人も多いとわかる。「銀行口座に入れておくと、使ってしまうから。投資に回しておくと、後で増えていくから」(30代 女性)という意見もあり、お金を管理する工夫として、投資を取り入れている人もいるとわかった。具体的な投資先としては、投資信託・株式・仮装通貨などが挙げられている。
○4位「家電を購入する」

「今使っている縦型洗濯機が古くなっており、買い換えるなら乾燥機能もついているドラム式洗濯機がいいなと思っていたから」(20代 女性)、「趣味というほどではないですが、家電が好きなので、楽しめる生活をしたいからです」(40代 男性)、「テレビが壊れてしまって1ヶ月。夏のボーナスで買いたいと思っています」(50代以上 女性)という声があるように、家電製品の購入にボーナスを充てる人も多い。洗濯機・冷蔵庫などの大型家電や、テレビなどのオーディオ家電は高価なため、ボーナスのタイミングを活用している人も多いようだ。家電購入を楽しみにしている人もいたが、多くの人にとって実用性の高い使い道であることから、優先されやすい消費であると推測できる。
○5位「パソコンを購入する」

「副業をスマホだけでしていたが、スマホだけでできる仕事に限界を感じたから」(20代 女性)、「スペックの高いものに変えたい」(30代 男性)、「欲しいのを我慢しているので」(50代以上 男性)といった声もあった。スペックの高いパソコンを購入することとで、副業・在宅勤務の効率化ができる。スペックが高いほど価格も高くなる傾向なので、ボーナスを待って購入する人も多いとわかわかる。
○6位「各種返済に回す」

「奨学金の返済。
早く楽になりたいから」(20代 女性)、「一気に返済が進むので、車のローンに使います」(30代 女性)、「住宅ローンの繰り上げ返済。金利が上がってきているから」(50代以上 男性)など、各種返済に回すという声も多い。具体的には、奨学金・車のローン・住宅ローンなどの返済が挙がっている。利子付きの場合、返済期間が長くなるほど返済総額は増えてしまうため、ボーナスを使って今ある不安を減らしたいという人も多いとわかる。
○7位「生活費の補填」

「給料が低すぎて毎月赤字なので」(30代 女性)、「物価高で、ボーナスから生活費も回さないと厳しい」(30代 男性)という意見も寄せられ、日々のやりくりの苦しさが見られた。「ボーナスがないと、年間通して赤字になる」「ボーナスがあって、ようやく黒字にできる」など、日々何とか暮らしていくためにボーナスを使う人もいる。

次のボーナスで本当は使いたいけど我慢するもの


「次のボーナスで本当は使いたいけど我慢するもの」と聞いたところ、ダントツは「旅行に行く(31.9%)」だった。2位「スマホを買う(11.4%)」、3位「パソコンを買う(8.0%)」が続く。

アンケートからわかる「我慢されやすいもの」の特徴は、娯楽性が高く、高額で、生活に不可欠ではない消費である点だ。例えば、旅行・洋服・バッグなどは、余裕がないと後回しにされやすくなる。

一方、スマホや家電は生活必需品であるが、高額であることに加え、「まだ使えるものがある場合は、先送りしてもOK」と考えやすい出費である。
○1位「旅行に行く」

「海外旅行に行きたいけれど、時間とお金の両方が必要なので我慢しています」(30代 男性)、「本当は海外旅行でハワイに行きたかったけど、ボーナス1回分じゃ足りないので」(30代 女性)、「旅行をしたいと考えていますが、いろいろと物価が高いので、我慢しています」(40代 男性)といった声からも分かるように、旅行は娯楽性が高く日常生活に直結しないため、我慢されやすい消費の代表格である。
とくに海外旅行は金銭面だけではなく、時間の面でもハードルが高いことから、諦める人も多くなった。社会人には「ボーナスで長い旅行に行きたいけど、休みが取りづらい」という事情もあるようだ。また行き先が遠い場合や贅沢な旅にしたい場合には、「ボーナス1回分では予算に足りない」という理由もある。
○2位「スマホを買う」

「最新スマホ。現在画面にひびがはいっているものの、最近本体代が高いのと旅行費のほうが優先度は高いため」(30代 女性)、「スマホが古いのでいつか買い換えたいとは思っていますが、今はスマホより子どもや家族のために使いたいので、『今は我慢』と思いながら数年経過しています」(30代 女性)、「新しいスマホ。4~5年経っているが、かろうじて1日充電がもつので、今は我慢かと思います」(40代 男性)といった声があるように、スマホは必需品ではあるが、「買い換えたいけど、今すぐじゃなくてもいいかな」と考える人も多いようだ。古くなっていても、故障していない限りは何とか使えるため、他の優先度の高い出費に譲られる傾向が強い。本体価格の高さも購入を先延ばしにする一因となっている。
○3位「パソコンを買う」

「自分用のパソコン購入」(30代 男性)、「新しいPC。もうすぐ5年を超えるけれど、PCの買取はないため」(50代以上 女性)といったコメントが寄せられた。パソコンもスマホと同様に高額なため、使えるうちは「まだ使える」「買い換えはあとでいい」と判断され、買い替えは後回しにされやすい。とくに自分用のパソコンだと、「仕事上の必需品で、どうしても今のままではスペックが足りない」といった強い動機がないと、後回しにされやすくなると考えられる。
パソコンの購入が仕事効率をアップするための投資にあたることも多いが、実際には見送る人も多くなった。
○4位「家電を買う」

「高額だけど必要な買い物。例えば掃除機などの必需品」(30代 女性)、「美容家電が欲しかったのですが、我慢しようと思っています」(30代 女性)、「冷蔵庫がそろそろ危ないので買い替えようかと考えていましたが、旅行を優先したいのでもう少し我慢です」(30代 女性)とのことだった。家電は必要であっても「今すぐでなくても困らない」とされ、実際には買い替え時期でも、まだ動くからもう少し使おうと判断する人もいる。特に美容家電のように生活必需品ではないものは、なくても何とかなるという理由で後回しにされやすいようだ。
○5位「洋服を買う」

「衣服、アクセサリーなど生活に不必要なもの」(30代 女性)、「洋服。欲しいけど、我慢です」(40代 女性)、「高級なファッションアイテム」(50代以上 男性)といった声からも、新しい洋服は必需品とは言えず、削られやすい出費であることが分かる。とくに高級ファッションアイテムやアクセサリーなどの宝飾品は、高価で自己満足の側面もあるので、家族優先や実用優先で後回しにする人も多いと考えらる。
○6位「推し活に使う」

「好きなアーティストのライブ」(20代 男性)、「推しのグッズが欲しいけど、我慢」(20代 女性)、「ライブ遠征」(30代 女性)といった声が寄せられた。推し活は趣味と自己表現の場であり、人生に不可欠という人もいる。しかし食費や日用品といった生活必需品ではないので、金銭的に余裕がないと後回しにされやすい分野でもある。そのため、行きたい気持ちや推しに会いたい気持ちと現実の財布事情の間で我慢を強いられる人もいるようだ。

○7位「バッグを買う」

「自分のご褒美としてバッグが欲しかった」(20代 女性)、「ブランドのバッグが欲しいけど、旅行を優先します」(30代 女性)といった声からは、バッグが「自分へのご褒美」として位置づけられていることが分かる。頻繁に長く使い、コーディネートの中でも目立つものなので、「自分のためにちょっといいものを」と考える人も多いようだ。しかしブランドバッグや高級な素材を使ったバッグとなると、ボーナスを丸ごと使ってしまうほど高額になる可能性も。そのため他の消費と天秤にかけて、我慢する人も多くなった。
○ボーナス額の平均は34.9万円

ボーナス額の平均値は34.9万円。ただしボリュームゾーンは「10万円超20万円以下」だった。

今回のアンケートでは、堅実な消費が目立ち、スマホや家電の購入を我慢する人が多くいた。背景には、ボーナスが20万円以下などで「ボーナスが生活費や小規模な買い物で消えてしまう層が多かった」ことがあると考えられる。
編集部おすすめ