社会に出た瞬間から、“割を食ってる”気しかしない――。人口だけは多いのに、正社員枠はほぼ皆無。
報われなさすぎるあの頃と、今も続く理不尽の数々、それでもなんとか生き抜いてきた……そんな「超氷河期世代」の“リアルな声”を、今こそ可視化していこう。
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○「新卒初任給30万」のニュースに
●「ようやく給料が上がる年齢になったと思ったら、新入社員への給料アップで原資がないと言われた」(44歳男性/窯業・セラミック)
就職超氷河期世代は、景気が底だった時期に社会に出たため、最初に得られる給料がもともと低かった。非正規雇用を余儀なくされた人も多く、長年かけて積み上げるはずだった昇給のチャンスにも恵まれなかった。ようやく収入が安定し始める年代になっても、今度は「若手優遇」や「原資不足」の壁が立ちはだかる。
●「新卒に『初任給30万』とかやってられない」(48歳男性/建築・土木関連技術職)
20年以上前にキャリアをスタートさせた氷河期世代の中には、いまだに手取りが当時の新卒水準とほとんど変わらない人も少なくない。最近話題になった「新卒初任給30万円」。企業の人材確保やイメージ戦略の一環ではあるが、当事者である中高年の非管理職にとっては、報われなさや焦燥感を強く突きつけられる話題でもある。
内閣府の資料によれば、氷河期世代の生涯賃金は他世代と比べて数千万円規模で少なく、年功序列から外れ、昇進の機会にも恵まれにくい。“見えにくい格差”は今もなお続いている。正規で入れば安泰、年齢を重ねれば自然と収入も上がる――そんなキャリアモデルが崩れた最初の世代。それが「就職氷河期世代」だ。この構造の歪みは、これまで十分に可視化されてこなかった。
「がんばっていれば報われる」、はずだった。けれど現実には、スタートラインの低さと不安定さが、いまだに足かせになっている。
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菅原県 すがわらけん 漫画家&イラストレーター。「週刊ヤングジャンプ」でデビュー。その後、実話系4コマ誌やニュースサイトなどでマンガを連載。あおり系LINEスタンプ「Mr.上から目線」シリーズの作者。 Twitter:@sugawaraken この監修者の記事一覧はこちら
調査時期: 2025年5月12日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数:365人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
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