50代での脱サラで成功するポイントは？50代ならではの強みやおすすめの仕事を解説

50代で脱サラや起業なんて、遅いのでは？と思う方も多いかもしれません。しかし、50代には脱サラで有利になる要素が複数あり、成功に導くことも可能です。今回は50代が脱サラで有利になる理由、脱サラで成功するポイントを解説します。脱サラに興味のある50代の方は、ぜひ参考にしてください。

50代での脱サラが注目される理由

50代で脱サラや起業をするのは遅いと思う方もいるでしょう。しかし、起業に関するデータを見ると、50代での起業はまったく珍しくありません。

なぜ50代の脱サラが注目されるのか、その理由は主に2つあります。
○定年延長や再雇用制度に関する不満

60歳以降、多くの会社員の方は定年延長や再雇用制度を利用することになります。しかし、賃金が大幅に減少したり、裁量が減ったりするケースがほとんどで、やりがいの減少につながる恐れがあります。

「このまま会社に残り続けても幸せではない」と考えたとしても、高齢になってからの転職も難しいでしょう。このため、脱サラをして個人事業主または経営者として働きたいと考える50代の方が多く見られます。
○人生100年時代の新たな生き方が必要

日本人の平均寿命は現在も伸び続けており、「人生100年時代」とも言われています。65歳で引退という時代ではなくなりつつあります。

50代はまだ折り返し地点であり、残り20年～30年ほどあります。どう働きたいのか、改めて真剣に考えるタイミングです。

また最近では働き方が多様化しており、脱サラは「会社に依存しない生き方」「自分らしい生き方」を選ぶための手段として捉える傾向も強まりつつあります。
50代が脱サラで有利になる理由

脱サラでは若手の方のほうが有利と思う方も多いでしょう。たしかに最新のテクノロジーなどに関しては20代や30代の方が詳しい傾向ですが、50代ならではの強みがあるのも事実です。
○コミュニケーション能力が高い

長年、会社員として働き続けることができた方は、相応のコミュニケーション能力があると考えられます。

ここでのコミュニケーション能力とは、口がうまい・営業が得意などの意味ではありません。仕事で必要な連絡を、メールや電話でスムーズに行えるということです。

会社員でしっかり働いてきた方は、ビジネスでのマナーも身に付いているため、やり取りで困ったり相手を不快な気持ちにさせたりする可能性は低いでしょう。取引先と円滑にコミュニケーションを取ることで、仕事を長く継続できる可能性が高まります。
○これまでの人脈や経験が活きてくる

50代ならではの豊富なビジネス経験やスキルは、脱サラでの大きな武器になります。会社でもそれなりのポジションを任され、業務や経営に関して広い視野を持って取り組んでいる方も多いでしょう。

また、会社内外のネットワークをある程度構築できている方が多いのも50代の強みです。人脈をうまく活用すれば、自分なりのビジネスモデルを構築して新たな商品・サービスを生み出せる可能性も。

ただし、会社には定年制度があり、60歳を超えるとやりがいのあるポジションからは離れるケースがほとんどです。脱サラをして企業すれば、定年制度とは関係なくなるため、体力に問題がない限り自分のペースで仕事を続けられます。
○資金に余裕がある

会社員として長く勤めてきた間に、貯蓄をある程度進められた方も多いと思います。手持ちの資金に余裕があるため、脱サラ後にすぐに大きな収入を得られなくても生活に困ることはありません。

資金に余裕があれば、事業を軌道に乗せるまでの時間的なゆとりを持てます。経済面で焦らずに進められるため、精神的にも楽になります。
50代の脱サラ後に選ばれている仕事

50代の方が脱サラ後に選んでいる仕事のうち、代表的なものを紹介します。
○ライターやコンサルタント

フリーランスとして多くの人が始めやすいのがライターです。初心者向けの案件も多く、クラウドソーシングなどのサービスで仕事を受注できます。

ただし、ライターは参入者が多いため競争が激しく、高い報酬の仕事を得るのは簡単ではありません。仕事を長期的に獲得し続けるには文章力だけでなく、専門性や営業力なども必要です。

コンサルタントも資格は特に必要なく、始めやすい仕事の1つです。報酬は比較的高く、一度の契約で数十万円を獲得することも可能です。

ただし、専門性がないと仕事を獲得するのは難しいため、これまでのキャリア・経験が重要になります。
○専門資格

専門的な国家資格で脱サラをするのも、王道と言える方法です。資格そのものだけでなく、年齢を重ねた専門家としてアピールすることにより、顧客を獲得しやすくなります。

50代の方が活躍できる資格として、具体的には行政書士や社会保険労務士などがあります。いずれも取得するのは簡単ではありませんが、社会的に評価の高い資格です。

会社員として勤務している間に資格を取得したうえで、関連する仕事の経験を積むことがおすすめです。勤めている会社では難しいなら、転職を検討する必要もあるでしょう。

一方、資格を取得してすぐ脱サラをしても、実績がないため仕事を取るのはかなり大変です。会社員でいる間に経験を積み重ねる必要があります。
○営業代行

営業をしてきた方なら、スキルや経験を活かして営業代行をするのもおすすめです。企業の営業代行として、商談のアポイントを獲得したり、さらに成約したりする仕事です。

報酬は成功報酬の形式で、アポイントの場合は1件あたり〇〇円、成約は契約額の〇％というように決まります。実績のある方なら、良い条件で代行の契約を締結できるでしょう。

営業代行にかかる費用は交通費や通信費くらいで、それ以外に大きな費用は発生しません。スーツやカバンなど会社員で使っていたものをそのまま利用してビジネスができます。
○YouTuber

ブログやYouTuberなどネットでできるビジネスも定番の人気です。これらは若い方向けのイメージもありますが、中高年の方がYouTubeで動画を配信して成功している事例も多くあります。

YouTubeでは動画作成のノウハウに加え、企画力も重要です。どのような視聴者にどのような情報を届けるのかを決めていきます。

動画のスタイルは非常にさまざまで、アニメを活かした本格的なもの、日常の風景を使った素朴なものまであります。自分が発信しているジャンルで、他のYouTuberがどのような配信をしているか、研究のため見てみるとよいでｈそう。
○買取・リサイクルショップ

50代では体力面であまり消耗せず、継続しやすいビジネスもおすすめです。日本では給与が伸びないことや節約志向などを背景に、中古品が人気となっており、買取やリサイクルショップは高い需要があります。

通常の店舗と異なり、在庫を抱えるリスクもなく、50代以上の成功者も多くいます。また、フランチャイズを推進しているチェーンもあり、初心者でもサポートを受けながら開業できる点もメリットです。

たとえば「買取大吉」は、オーナーの9割が未経験からの参入です。知識のない初心者でも安心できるようサポート体制を強化しています。
脱サラのために50代がやるべき準備

50代で脱サラをしたい方におすすめの準備を4つ紹介します。
○スキル・資格の棚卸し

50代での脱サラを成功させるには、自分のスキルや資格を活かすのが基本です。新たなスキル・資格を身に付けるのもよいですが、まずはこれまでの経験を最大限活用するのが効率的であるため、これまでの仕事や経験を振り返り、能力を整理・分析していきましょう。

自分が何をできるのかは、自分で考えるだけでは意外と見つからないかもしれません。このため、50代で脱サラした方の体験談などを集めてみるのもおすすめです。
○資金の準備

事業を始めて間もない頃は、なかなか収入を得られない可能性があります。報酬が低かったり、継続しなかったりするかもしれません。

このため、収入が十分でなくても生活できるよう、資金を準備しておく必要があります。目安としては、最低1年分用意しておきたいところです。
50代の脱サラで押さえておきたいポイント

脱サラをして事業を継続するために、50代の方が押さえておきたいポイントを解説します。
○小さく始めて大きく育てる

脱サラをすることは、事業を営むこととほぼ同じです。事業を長く継続させるには、小さく始めて大きく育てていくのが基本です。

まず小規模で開始して模索検討し、うまくいきそうなら徐々に規模を拡大していきます。ある程度やっても見込みがない場合に撤退すれば、ダメージを最小限に抑えられます。

よって、理想としては会社員でいる間に副業感覚で手を付けるのがおすすめです。しかし就業規則で副業を禁止している会社も多いため、事前にチェックしておきましょう。
○健康状態を良好に保つ

脱サラをすると、従業員を雇わないなら、自分の腕一本で稼ぐことになります。事業を長く継続するためには、健康状態を良好に保つことが重要です。

さんざん言われていることですが、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠時間、適度な運動の3つが基本となります。

栄養バランスは、自分で一から調べると手間がかかるので、ChatGPTなどAIを使うのもおすすめです。その日に食べたメニューや献立を打ち込むと、AIが栄養面での問題点を見つけて、改善策を提案してもらえます。
○体力的に無理な計画を立てない

気合を入れるのはいいですが、50代はどうしても20代や30代に比べれば体力が衰えます。無理な計画を立てると体力が持たず、途中で挫折してしまうかもしれません。

自分の体力を過信することなく、余裕を持った事業計画を立てましょう。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。 多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。 ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら