Windows 11に標準搭載されている画面キャプチャツール「Snipping Tool」の画面録画機能が、GIF形式のアニメーションの書き出しをサポートする。この新機能は、現在Windows InsiderプログラムのCanaryおよびDevチャネル向けに先行公開されており、バージョン11.2505.21.0から利用可能となっている。
GIF書き出し機能の追加により、これまで専用のソフトウェアやオンラインサービスを必要としていたGIF作成が、OSの標準機能として手軽に行えるようになる。使い方はシンプルだ。
[Win] + [Shift] + [R]、またはSnipping Toolアプリを起動して録画モードに切り替える。
画面の任意の範囲を選択して録画を開始・終了する。
録画完了後、プレビュー画面のツールバーで「Export GIF」ボタンをクリック。
GIFの品質を「高(High)」または「低(Low)」から選択するダイアログが表示される。「低」はファイルサイズが小さくエクスポートやコピーが速いのに対し、「高」はより鮮明な画像となる。
作成したGIFはファイルとして保存できるほか、クリップボードに直接コピーして他のアプリケーションに貼り付けることも可能だ。
作成できるアニメーションGIFは最大30秒までである。録画が30秒を超えた場合は、自動的に冒頭30秒間がGIFとして書き出される。
GIF (Graphics Interchange Format)は、インターネット上で画像を効率よく表示・転送するための軽量な画像フォーマットとして米CompuServeによって開発された。その特徴を活かし、1989年に登場したGIF89aで、複数のフレームを時間指定で表示する「アニメーションGIF」が可能となった。
GIF形式には1フレームあたり最大256色という制限があるため高画質の表現には不向きだが、自動再生やループが可能で、対応アプリも多いため、手軽な動画共有に便利である。現在では、SNSやチャットでの感情表現やミームの共有手段として広く活用されており、特に若年層を中心に需要が高まっている。Snipping Toolから直接アニメーションGIFを出力できるようになれば、簡単な画面操作やチュートリアル動画の共有をより手軽に行えるようになると期待される。
かつてのSnipping Toolは、静止画のスクリーンショットを撮るためのシンプルなツールであった。しかし、Windows 11の登場以降、その役割は大きく変化している。たとえば、キャプチャした画像からテキストを抽出する機能や、Bingを用いた画像検索機能などが追加され、ユーザーの知的生産活動を支援するユーティリティへと進化を遂げつつある。
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