CryptoDiver運営事務局は6月20日、「暗号資産の不安とビットコインの関心」に関する調査の結果を発表した。調査は2025年6月13日~6月16日、暗号資産に関心がある男女1,002人を対象にインターネットで行われた。

○暗号資産取引未経験者の懸念

「暗号資産(仮想通貨)に興味を持ったきっかけ」について尋ねたところ、「ニュースやメディアで話題になっていた(41.1%)」と回答した人が最も多く、「お金を増やせる可能性があると思った(34.8%)」「SNSで見かけた(29.0%)」と続いた。

上位に挙がったきっかけには「情報との接触」や「有望な投資先」が共通しており、暗号資産が日常的な情報源から話題として届いたことで関心を持つ層が多いことがわかる。一方で「技術としての関心」や「有名人の影響」も2割前後に留まっており、テクノロジーそのものよりも、儲かりそう、みんなが注目しているという側面が先行していると考えられる。

続いて、「暗号資産の保有・取引経験」について尋ねたところ、「現在保有・取引している(61.0%)」と「過去に保有していた(20.3%)」を合わせた8割以上の人が、何らかの形で関心を示していることが明らかになった。

暗号資産に関心を持つ層の中では、すでに6割以上が現在進行形で取引しており、過去経験者も含めれば8割以上が接触経験を持っているという高い浸透率がうかがえる。

一方で、興味はあるにもかかわらずまだ手を出せていない層も一定数存在しており、心理的ハードルが依然として障壁となっている様子がうかがえる。特に4.3%という小さな割合ながら「不安で踏み出せない」という回答が示すように、リスクへの抵抗感や情報不足が行動を抑制している可能性があるようだ。

前問で「興味はあるが未経験」「興味はあるが不安で手を出せていない」と回答した人に、「暗号資産を始めない/始めなかった理由」について尋ねたところ、「値動きが激しくて損をしそう(52.9%)」が最多となり、「仕組みがわからない(43.3%)」「詐欺やハッキングなどのリスクが怖い(40.6%)」と続いた。

上位に挙がった項目はいずれも「損失リスク」と「理解不足」に関するものであり、暗号資産の取引に対する「不安」が強く影響していると読み取れる。特に約4割の人が「詐欺やハッキング」といったセキュリティ面の懸念が3位に位置しており、技術の信頼性や安全性に対する懸念が拭いきれない現状が見て取れる。

再び全員に、「暗号資産に関する情報源」について尋ねたところ、「投資・経済ニュースメディア(50.0%)」が最も多く、「YouTubeなどの動画サービス(34.6%)」「暗号資産専門サイト(29.8%)」と続いた。

情報源のトップは信頼性の高いニュースメディアだったが、それに続くのがYouTubeやSNSといった視覚的・即時的な情報であることから、ライト層が参入する過程では「わかりやすさ」や「手軽さ」が重視されていることがうかがえる。


動画やSNSが現代人の生活に密着した情報源となっていることが、暗号資産の情報収集にもそのまま表れていると考えられる。

○関心が高い暗号資産ランキング

「関心・保有している暗号資産の種類」について尋ねたところ、「ビットコイン(BTC)(86.2%)」が圧倒的多数を占め、以下「イーサリアム(ETH)(36.5%)」「リップル(XRP)(30.1%)」と続いた。

ビットコインは群を抜いて認知・保有の中心に位置しており、「暗号資産=ビットコイン」という構図が今なお根強いことがわかる。ETHやXRPといった主要通貨も一定の支持を集めているが、それ以外の銘柄の関心は大きく下がっており、初心者・一般層においては「選択肢が限定的」であることが明らかとなった。

前問で「ビットコイン(BTC)」と回答した人に、「ビットコインの理解度」について尋ねたところ、約8割が「仕組みや投資方法をよく理解している(32.8%)」「ある程度理解している(47.3%)」と回答した。

約8割が「理解している」と自己評価しているものの、その中でも深い理解にまで至っているのは3割強にとどまった。これは、実際に取引や調査を通じて理解を深めた層と、メディア情報や周囲の影響で知識を得た層の間に、知識の質的な格差があることを示唆している。

「ビットコインについての印象」について尋ねたところ、「値動きが激しい(46.5%)」「将来性がある(39.5%)」「リスクが高い(37.2%)」と続いた。

上位の回答を見ると、ビットコインは「ハイリスク・ハイリターン」の象徴として捉えられていることがわかる。特に「簡単に儲かりそう(18.5%)」「詐欺やハッキングが不安(14.1%)」といった声もあり、理想と警戒が同居しているのが実情だ。このような二面性は、初心者にとって参入する判断を難しくする要因にもなりうるため、冷静かつ中立的な情報収集が必要となってくるだろう。
○ビットコインを無料でもらえるなら保有したいか

「ビットコインを無料でもらえるなら保有したいか」について尋ねたところ、「とても保有したい(44.6%)」「やや保有したい(43.4%)」と、9割近くが前向きな意向を示した。
このことから、リスクやコストが伴わない条件であれば、多くの人がビットコインの保有に抵抗がないことを示している。また「保有したくない」という回答は少数派にとどまり、心理的なハードルよりもきっかけが不足している状況がうかがえる。

「始めやすいと感じる条件」について尋ねたところ、「少額から始められる(62.0%)」が最多となり、「使い方が簡単(32.2%)」「ゲーム感覚で試せる体験がある(26.3%)」と続いた。全体的に「手軽さ」や「体験のしやすさ」が重視されており、従来の投資とは異なる身近さが期待されていることがわかる。

最後に、「少額・簡単にビットコインを体験できるアプリ」の利用意向を尋ねたところ、「ぜひ利用したい(39.8%)」「やや利用してみたい(47.6%)」と、約9割が前向きな意向を示した。

このことから、実際の資金を使わずに体験できるサービスがあれば、多くの人が一歩を踏み出せることが明らかになった。
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