俳優の竹野内豊が主演を務める映画『雪風 YUKIKAZE』(8月15日公開)の予告映像とポスタービジュアルが解禁となった。

今から、80年前、平和な海が戦場だった時代、数々の激戦を最前線で戦い抜いた駆逐艦「雪風」は、僚艦が大破炎上していく中、絶えず不死身ともいえる戦いぶりを見せ、主力である甲型駆逐艦38隻のうち、ほぼ無傷で終戦を迎えたのは「雪風」ただ一艦のみだった。
作品のタイトルは、この「雪風」からとられている。「雪風」は、常に戦場に留まると、沈没する僚艦から海に投げ出された仲間たちを救い、ともに帰還させた。作品は、その知られざる史実を背景に、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を懸命に生き抜いた人々の姿を描き出す。

「雪風」艦長・寺澤一利には竹野内豊、先任伍長・早瀬幸平には玉木宏、若き水雷員・井上壮太には奥平大兼、早瀬の妹・サチには當真あみ、寺澤の妻・志津に田中麗奈、志津の父・葛原芳雄に益岡徹、帝国海軍軍令部作戦課長・古庄俊之に石丸幹二、実在した第二艦隊司令長官・伊藤整一には中井貴一がそれぞれキャスティングされている。

本予告では、寺澤艦長(竹野内)が冷静に「雪風」の任務を語り始める中、どんなに厳しい戦況においても、海に投げ出された仲間たちを救い上げていく乗員たちの勇敢な姿が映し出される。先任伍長・早瀬(玉木)の「ひとり残らず引き上げろ!」の掛け声とともに救い出された中には、若き水雷兵・井上(奥平)の姿もあった。

中盤、早瀬からの「10年後、20年後、艦長の娘さんが大人になる頃には、日本はどんな国になっているのでしょうね」の問いかけに、寺澤は「普通がいいな」と答える。家族で夕食をとり、子供たちがいつか家庭を持ち、皆で孫の誕生を喜ぶ。そんな日常の幸せを願う寺澤。激動の時代を生き抜いた人々の表情に、Uruによる書き下ろし主題歌『手紙』の歌声が重なっていく。

「この未来には必ず若い力が必要になる」と語りかけるのは、第二艦隊司令長官・伊藤整一(中井)。特攻作戦に出撃する戦艦「大和」から、若き少尉候補生たちを退艦させた伊藤の史実が描かれる。
伊藤の決断は多くの若い兵士たちの命を救い、やがて彼らが戦後日本の復興を支えていくこととなった。

映像は「大和」から海に投げ出された仲間に「手を伸ばせ!」「諦めるな!」と声を張り上げながら手を差し伸べる井上の姿で締めくくられる。かつてその言葉とともに早瀬に命を救われた井上が、今度は助ける側となり想いを繋いでいく。

過酷な時代の中にあっても、「普通」の幸せを手にできる未来のため奮闘した人々。それぞれの熱い想いが胸に迫る本予告映像となっている。

あわせて解禁されたポスターは、「雪風」の天命ともいえる「生きて帰る 生きて還す」のコピーを囲むように、艦長・寺澤、先任伍長・早瀬、水雷員・井上が、それぞれの責務を全うしようとする真剣な眼差しを捉えている。戦場だった海の上で戦った兵士たち。彼らの無事を祈り、帰りを待ち続けた家族たち。そして、彼らの想いを運ぶため、大海を進み続けた「雪風」の力強さを象徴するようなビジュアルとなっている。

なお、6月27日よりムビチケカードの販売も開始となる。特典は「雪風」のイラストがプリントされたミニサイズの特製巾着袋で、数量限定の配布となっている。

(C)2025 Yukikaze Partners.

【編集部MEMO】
山田敏久監督は、『空母いぶき』と『山本五十六』のほか、映画評論家・水野晴郎氏がマイク・ミズノ名義で監督した超名作『シベリア超特急』で助監督を務めていた。
長編映画の監督は本作が初となる。また、スーパーバイザーとして、『ローレライ』『戦国自衛隊1549』『亡国のイージス』などの作品で知られる福井晴敏氏が名を連ねている。
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