「自分、親やっているんだなと。子供たちが自信をくれる」
3児の母として子育てに奮闘しつつ、音楽活動やバラエティ、YouTubeなど幅広く活動している歌手・鈴木亜美。7月1月にデビュー27周年を迎えることを記念し、同月5日にDJ KOOをゲストに迎える一夜限りのスペシャルライブ「Ami Suzuki - One-day Disco Night - with DJ KOO」を神奈川・横浜みなとみらいブロンテで開催する。鈴木にインタビューし、母親になってからの変化や子育てについて話を聞いた。
――いまや3児の母ですが、改めて母親になってからの変化をお聞かせください。
お母さんになってからより見え方を大事にしています。前は自分がやってしまったことは自分が背負えばいいだけでしたが、今は子供たちにも響くし、子供たちの友達や学校、保育園、さらにその家族や親御など、みんなに見られていると思うと、一つ一つの責任をより感じ、発する言葉もすごく慎重になります。
――お子さんたちは鈴木さんの活動について理解されていますか?
長男がもう小学生で、もちろん鈴木亜美というのは知っていますが、私が普段あまり仕事の話をしないので、そんなに意識は強くなく、「誰々くんのママはママのファンなんだって」「YouTube見てるんだって」と周りに言われたことをぽかんと言っています。息子の友達から言われることもあって、野球の練習を見に行くと、「この間広告出てたよね!?」とか言われて「出てた!」って(笑)。世間話みたいな感じで、よく見られるおばちゃんみたいになっています(笑)
――YouTubeでも伝わってきますが、親しみやすい人柄だから皆さん話しかけやすいんでしょうね。
そうかもしれません。公園などでも声をかけてくださるお母さんがたくさんいて、「YouTube見ています」とか、子供を見て「本物だ!」「やっと会えた!」とか(笑)。距離感が近くて、その感じが私はすごく楽です。
――人との距離感の近さは、ご自身の中でも意識的にそうしていったのでしょうか。
最初の頃は意識していました。以前は仕事とプライベートのスイッチを切り替えて、鈴木亜美のときはキリッとしないとというのがありましたが、子供ができてからそれが無駄だなと。ずっと同じ顔でいたいというか、家でも仕事場でも自分らしくありたいと思い、そのスイッチがほぼなくなりました。なので、お仕事の場所でも子供たちの話になるし、ファンの前でもそういう話をして。それを前面に出せることが私にとってはすごく楽で、仕事しやすくなった感じがあります。
――ご結婚された時や第1子を出産された時などは、まだ葛藤があったのでしょうか。
そうですね。私はどういう立場でいたらいいんだろうと悩んだ時期はありましたが、バラエティのお話をいただいたり、親目線で話が聞きたいというインタビューが増えたりして、私はそういう人たちに向けて話をして、仕事をしながら子育てしているお母さんたちにエールを送れるような立場になればいいんだと。そう切り替えられた時に、プライベートのことも堂々と話そうと決めて、そこからすごく気持ちが楽になり、どんどんオープンになっていきました。
――2022年8月に第3子を出産されましたが、お子さん3人になって変わったことはありますか?
てんやわんやした生活ですが、自信にはなっています。人を1人育てるのもすごく大変なことですが、それが3人になって。子供たちは子供たちですごく楽しそうに、ケンカもしながら育っていっている姿を見ると、「自分、親やっているんだな」と。
逆に励まされている感じで、子供たちが自信をくれます。
子供の存在がパワーに「もっと頑張ろうと」 日々の学びも語る
――お子さんたちを見て学ぶこともありますか?日々めちゃくちゃありますよ! 「これが嫌だ」とかけっこう自分の思いを言ってくれるんですけど、自分の子供の頃を思い出すとこういう風に発言できなかったなと。すごく話してくれてうれしく思うし、もっと耳を傾けてあげないといけないなと思ったり、人間としてのコミュニケーション力を教えてもらっています。
――鈴木さんが周囲の人たちと親しく話している姿を見て、お子さんたちもちゃんと会話できる人に育っているのでしょうか。
私が話をする仕事をしていて、インタビューを受けたり、バラエティでいろいろ発言したりしている姿を見ているので、自分も発したくなるのかなと思います。
――お子さんたちが鈴木さんのライブを見に来ることはありますか?
あります。大きくなってくると自分たちのやりたいことをやっているので、無理やり連れてくることはないですが、「来たい」と言ったら呼びます。
――ステージ上で輝いている姿を見たら、最初は「これお母さん!?」と衝撃を受けそうですね。
子供向けのミュージカルに出演した時に、これは子供たちも見られると思ってばあばと一緒に来てもらったんですけど、次男はそれまでライブとかあまり見たことがなくて、「ミュージカルを見た後、ずっと席から離れずステージをぽかんと見て浸っていたよ」とばあばが言っていました(笑)。家に帰っても照れくさそうにもじもじしていて、くっついてきたので、影響があったのかなと思います。
――お子さんたちは芸能界に入りたいという風にはなってないですか?
それは全くないです(笑)。本人たちは野球が大好きで、野球選手になりたいて言っているので。
――ご自身がパワフルに活動している姿をお子さんに見せたいというのも、原動力になっているのでしょうか。
そうですね。でも、「これから生放送だからテレビ見ていてね」と言っても、帰ってきたらYouTubeを見ていて全然見てなかったり。「そんなものかな」と思いつつ、「もっと頑張ろう」と思います(笑)
「いい感じに年を取って、自分をずっと好きでいたい」
――今年43歳になられましたが、今後の人生をどうしていきたいと考えていますか?子供が大きくなればなるほど悩みも増えていくでしょうし、コミュニケーションも大人になればなるほど必要とされると思います。私は16歳からずっと芸能界にいて、ありがたいことに忙しくさせていただいていたので家族やスタッフさんが身の回りのことを手伝ってくれていたという十何年間があり、時間が止まってしまっていた部分がありますが、今それを頑張って動かしている最中なので、これからも子供たちと一緒に成長していけたらと思います。
――芸能活動における抱負は?
「これを維持する!」です。維持しながら、向上心を持って、何かチャンスがあれば立ち向かってチャレンジしていきたいです。
――幅広く活動されていますが、音楽活動を軸に続けていきたいという思いでしょうか。
そうですね。今、いろんな各地でも、営業という形でライブさせてもらっているので、そういう活動を続けながら、新しいものを作りたいと思ったら作れるような状態でいられたら。その時の自分を好きでありたいと思うので、いい感じに年を取って、自分をずっと好きでいたいなと。輝いていられるように努力したいと思います。
■鈴木亜美
1982年2月9日生まれ、神奈川県出身。
オーディションバラエティ『ASAYAN』(テレビ東京) を経て、小室哲哉プロデュースで1998年に「love the island」で歌手デビュー。1999年発売のシングル「BE TOGETHER」が自身最大のヒットを記録し、同曲で『第50回NHK紅白歌合戦』に初出場した。音楽活動のみならず、バラエティ番組など幅広く活動し、2021年に開設したYouTubeチャンネル「あみーゴTV」では、子育てや料理などさまざまな動画を投稿している。プライベートでは2016年7月に結婚し、2017年1月に第1子男児、2020年2月に第2子男児、 2022年8月に第3子女児を出産。2022年度の「ベストマザー賞」を受賞している。
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