アトレは6月24日、4月から導入した社員に寄り添う独自のAI活用戦略「AIメンター」の利用率やこれまでの成果について発表した。

同社では、社員の能力開発と組織全体の生産性向上を目的に、2025年4月1日よりGoogleの生成AI「Gemini」を全社的に導入し、社員に寄り添う独自のAI活用戦略「AIメンター」を開始した。


同社は、AIとの関係性は「伴走者」であるとし、「AIメンター」戦略では、AIは日々の業務効率化を担う「サポーター」で、社員一人ひとりの新たな挑戦と創造性を引き出す「メンター」でもあると位置づけている。

導入から約2カ月半で、全社員(パート・契約社員含む)の利用率は82%を突破した。さらに、直近28日間の利用実績に基づき算出される同社独自の習熟度レベル(全10段階)において、レベル6以上と認定された「エキスパート人材」も4人に1人を超えるなど、AIが日々の業務に欠かせないパートナーとして定着し始めている(2025年6月16日時点)。

こうした高い利用率を実現できたのは、同社独自のAI育成の仕組みであるという。「AIをうまく使いこなせるか不安」といった社員の声に寄り添い、全社でAI活用を進めるため、独自のサポート体制を築いている。

そのひとつが、独自の「Geminiステータスボード」。社員の活用状況やスキル向上を、Geminiステータスボードで可視化している。全10段階の習熟度レベルを設けるなどゲーミフィケーション要素を取り入れ、社員が楽しみながら学ぶ意欲を高めると同時に、社員同士が教え合い、支え合う文化の醸成を目指している。

また、ソフトバンク協力のもと、現場の課題解決に直結するアイデアを議論する「Gemini活用アイデアソン」や、自分専用のAIアシスタントを作る「Gem作成ワークショップ」など、活用法を共有するオンライン社内勉強会なども開催している。

「AIメンター」を開始することで、現場からは「ショップと向き合う時間が増えた」という声も多く寄せられている。さらに、テナント売上分析GemやAIノートツール、SNS投稿案作成Gemなどを用いた「マーケット分析と提案の高度化」「担当エリアの情報収集と知識の蓄積」「企画・発信業務の効率化」といった活用法も生まれている。

同社では、AIというパートナーを得て、社員一人ひとりが「プロデュース思考」をさらに深め、顧客や地域の人々に愛される「街の個性」を創り出すという未来を目指していくという。
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