6月25日~27日の3日間、東京ビッグサイトで開催されている「第2回 観光DX・マーケティングEXPO」。観光・宿泊・旅行業界の課題解決をテーマにしたこの展示会でファーウェイがどんなものを展示しているのか、気になったのでちょっとブースを覗いてみました。

○CSIセンシング/ネットワークソリューション/客室ソリューションを展示

ファーウェイのブースで展示されていたのは大きく3点。「CSIセンシング」「ホテル宿泊業界向けネットワークソリューション」というインフラ寄りの技術ふたつと、そのインフラを利用して構築する「客室向けソリューション」でした。

CSIセンシングは、ファーウェイのCSI(Channel State Information)によるセンシングをホテルや旅館での入退室検知に利用しようというソリューション。CSI、つまり電波のゆらぎにより空間内の変化を検知する技術で、ホテル・旅館等で宿泊客の入退室があったかを管理するわけです。これを後述のような客室機器と連動させることで、たとえば宿泊客が客室に入るのと同時に照明を点灯させるといったことが可能になります。これを利用すれば、宿泊施設で空室時に照明や空調がつけっぱなしになっていることによる光熱費の負担を軽減することが期待できます。

そしてホテル宿泊業界向けのネットワークソリューションは、宿泊客の通信利用量の増加や提供サービスのオンライン化に伴うインフラ整備の需要に対し、機器のリプレースや管理手段の提供を含めて最適なソリューションを紹介するという話です。ブースでは利用する機器の一例として、ファーウェイの通信機器や光ケーブルなどが展示されていました。

最後の客室向けソリューションは、そういった宿泊施設向けインフラの上で構築されるものになります。ブースではその例として、従来の電話機・交換機を置き換える受話器付きのタブレットや一括管理可能な照明・空調・テレビ・カーテンなどの客室機器が展示されていました。

これまで、ホテルや旅館の電話機は、部屋から外線電話をかけることを想定する必要がありました。しかし携帯電話の普及により、そういった外線電話のニーズはほとんどなくなっています。
そういったことを考慮すると、客室に設置すべきは写真や映像でサービス内容を確認でき、必要があればビデオ通話も行えるタブレット端末だということになるわけです。とくに日本の旅館は、客室で柔軟に顧客の希望に合わせたサービスを提供することが求められるという点で諸外国のサービスと一線を画すところがあるため、グローバルで提供されているサービスを持ち込むのではなく、独自の開発が必要になるのだそうです。

なお今回の出展で、この客室向けソリューションについてはファーウェイではなくパートナー企業であるSOZONEXTの担当者が説明していました。同社のソリューションを導入するにあたってインフラが不十分であればファーウェイのソリューションで拡充し、ファーウェイのインフラを導入すべき理由を問われれば同社の客室向けソリューションを例にサービス改善のためのネットワーク強化の必要を語る……といった形で協業を行っているのだそうです。
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