KiteRaは6月26日、「職場のグレーゾーンハラスメント実態と社内規程の機能性に関する調査」の結果を発表した。調査は6月13日~17日、18~65歳のビジネスパーソン 1,196名を対象にインターネットで行われた。
調査によると、グレーゾーンハラスメントとは、「ハラスメントとまでは言えないが不快感や戸惑いを覚える言動」とのこと。「昔はこうだった」「君のためを思って」といった言葉を何気なく口にすることや、不機嫌な態度をとること、プライベートへ過度に干渉することなどが含まれるという。
業務上または日常の職場で、上司や部下、同僚から以下のような言動を受けたことがあるものを教えてもらったところ、50.2%の人が何らかの不快な言動を経験している実態が明らかに。具体的には、「ため息や舌打ち、挨拶を返さないなど、不機嫌な態度で接された」(26.2%)、「社内の飲み会や接待への参加を強制された」(16.2%)、「過去の慣習や個人的な価値観・先入観に基づいた発言をされた」(14.5%)など。
こうした不快な言動を受けて「退職を検討したことがある」という人は45.8%。そこで、項目ごとに退職検討者の割合を調べたところ、「無視されたり仲間外れにされた」(70.2%)、「社外の飲み会や接待への参加を強制された」(66.4%)、「業務時間外のプライベートな付き合いへの参加を強制された」(65.1%)で高い割合に。こうした言動が退職検討につながりやすい傾向にあることがわかった。
続いて、職場で経験した具体的な言動について、それぞれ「不快感や違和感を感じた」割合を調べたところ、「不機嫌な態度や雰囲気で接する(ため息、舌打ち、挨拶を返さないなど)」が最多の72.9%。次いで、「『君のためを思って』と一方的にアドバイスされる、または評価される」(56.8%)、「『〇〇(性別・容姿・年齢など)だから仕方ないね』といった、相手を限定するような発言」(54.6%)、「『絶対~したほうがいい』と断言される」(53.8%)、「『私の若い頃は』『今の若い子は』といった発言」(53.1%)、「『彼女・彼氏いるの?』『休日の予定は?』といったプライベートな質問」(49.7%)と続いた。
次に、グレーゾーンハラスメントに該当する言動を職場で行ったことがあるかと尋ねたところ、「プライベートな質問をした」(15.3%)、「社内の飲み会や接待に誘った」(11.5%)、「ため息や舌打ち、挨拶を返さないなど、不機嫌な態度で接した」(11.4%)などが多くあがり、「このような言動は行ったことがない」と回答した人は63.8%という結果に。このことから、4割近くが、意図の有無を問わず、相手に不快感を与えかねない「グレーゾーンハラスメント」に該当する言動をとっている可能性がうかがえた。
また、前述のような「グレーゾーンハラスメント」に該当する言動を行った人が、「意図的に行った」のか「無意識だった」のかを調べたところ、いずれの言動も53%~60%が「無意識」であったことが判明。
一方、「意図的に行った」人の割合が最も高かった言動では、「『君のためを思って』と一方的にアドバイス、評価する」(46.3%)、「『〇〇(性別・容姿・年齢など)だから仕方ないね』といった、相手を限定するような発言」(44.6%)、「『私の若い頃は』『今の若い子は』といった発言」(44.5%)があがった。
次に、「あなたの会社の規則に、このような言動について抑制する規定は設けられていますか?」と質問をしたところ、6割以上が「全く設けられていない」「わからない」と回答するなど、グレーゾーンハラスメント規定に対しての認識の低さが明らかに。
また、会社の規定に設けられている項目を全て選んでもらったところ、「社員のプライバシー保護に関する項目」(33.9%)、「年齢や世代を理由に、差別や嫌がらせを行うことを禁止する項目」(32.3%)、「立場を利用した言動により心理的負担を生じさせることを禁止する項目」(27.3%)が上位に。最も少なかった項目は「社員の飲食を含めた接待に関する項目」で16.2%だった。
一方、設けてほしい項目では、「立場を利用した言動により心理的負担を生じさせることを禁止する項目」が最多の37.5%。次いで、「年齢や世代を理由に、差別や嫌がらせを行うことを禁止する項目」(37.0%)、「社員のプライバシー保護に関する項目」(35.1%)と続き、差別やプライバシー保護、人格否定の禁止に関するニーズも高い一方、アンガーマネジメントや飲食接待に関する項目は比較的低い割合となった。
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