『ミッション:インポッシブル』シリーズをはじめ、数々の作品でトム・クルーズの声を演じ、トム・クルーズ公認声優として活躍している森川智之。BS10スターチャンネルで6月28日より放送される『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア[新録吹替版]』では、トム演じる主人公レスタトの声を担当した。
森川にインタビューし、ルイ役(ブラッド・ピット)の入野自由、クローディア役(キルスティン・ダンスト)の新津ちせとの共演の感想を聞いた。

○『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』吹き替えの魅力

永遠の命を持つ美しき吸血鬼たちが織りなす愛と苦悩を描く本作。吸血鬼レスタトをトム・クルーズ、吸血鬼と人間の狭間で苦悩する美青年ルイをブラッド・ピットが演じている。

森川は、本作について「より吹き替えに向いている作品」だと語る。

「レスタトとルイの関係性や、ルイの心の中の葛藤は、日本語として得意な部分。そういう微妙な葛藤を表現するのに、日本語の言葉はいろんなものに置き換えられたり、間で表現したりできるので、吹き替えならではの楽しみ方があると感じました。字幕版とは違って映像にも注視できるので、彼らのどこを切り取っても美しい姿を楽しんでもらいたいです」

また、森川自身、豪華キャストに驚いたという。

「ルイの使用人の女性が『ミッション・インポッシブル2』のヒロインの女性(タンディ・ニュートン)だったということにびっくりしました。あと、アントニオ・バンデラスが出ていたり、いろんなスターが登場するのですごく楽しめますし、その声を誰が担当しているんだろうという、吹き替えファンならではの楽しみ方もあるのかなと思います」

○入野自由&新津ちせと地下のスタジオで収録「ヴァンパイアっぽいなと」

収録はルイ役の入野自由とクローディア役の新津ちせと共に実施。「地下のスタジオで収録したので、ヴァンパイアっぽいなと思いながら」と作品の雰囲気に合った環境での収録となった。

そして、「若いブラッド・ピットを入野くんが担当すると聞いて、すごく楽しみでした」と期待を寄せていたと言い、一方で「バランスを考えると、僕が少し声を若くというか、フレッシュにしないといけないなと思ったので、そこを気をつけながら演じました」と明かした。

スタジオで入野と対面した際のエピソードも紹介。
「開口一番、『ブラピだね! 堀内賢雄さんにもう言ったの? 言ったほうがいいよ!」と、ブラピの声を長年担当し、本作でも過去にルイを演じていた堀内の名前を出して会話を楽しんだそうで、「そういう和やかな雰囲気で始まりました」と振り返った。

また、女優・声優として活躍している新津ちせの演技に感銘を受けたという。

「彼女は持っているものが違ってすごいなと。クローディアはヴァンパイアになりながら年を重ねていくうちに、自分の容姿がいつまでも小さいことに葛藤し、美しい大人の女性を見て憧れるという、喪失感も表現しないといけない難しい役どころでしたが、素晴らしい演技力で演じられていて、『いいものを聞かせてもらってありがとうございます』と僕自身が感動しました」

そして、新津の才能に太鼓判。「だからこそクローディアに抜てきされたと思います。すごく難しい役作りだったと思いますが、しっかりと冷静に大人組と肩を並べて収録していたのですごいなと思いましたし、彼女自身の努力の賜物でもあるんだなと。仕事に対する姿勢が見られて感心しました」とプロフェッショナルな姿勢も称えていた。

■森川智之
1月26日生まれ。神奈川県出身。1987年に声優としてデビュー。『鬼滅の刃』の産屋敷耀哉役、『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし(2代目)役など、人気作品のキャラクターを数多く演じる。また、トム・クルーズ専属吹き替え声優として知られているほか、キアヌ・リーヴス、ユアン・マクレガーら数々のハリウッド俳優の吹き替えを担当している。


■『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [新録吹替版]』
放送:BS10スターチャンネル 放送日:6月28日18:40~、7月6日15:00~、7月29日25:40~ほか 出演:トム・クルーズ(吹替:森川智之)、ブラッド・ピット(吹替:入野自由)、キルスティン・ダンスト(吹替:新津ちせ)、クリスチャン・スレイター(吹替:阪口周平)、アントニオ・バンデラス(吹替:子安武人)
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