Windows 12のリリースを期待している人は、少なくともあと1年は待つ必要がありそうだ。米Microsoftは6月27日(現地時間)、Windows 11の次期年次アップデートとして、「Windows 11, version 25H2」(以下、バージョン25H2)のプレビューテストをWindows InsiderプログラムのDevチャネルで開始した。


2024年10月にリリースされた前回の年次アップデート「Windows 11 バージョン24H2」は、新たなAI体験を提供するための基盤要素を含む、OSの大幅なアップデートであった。これに対し、バージョン25H2は同じコードベースを採用しており、技術的には大規模な変更を伴わない比較的小規模なアップデートとなる。

このため、バージョン24H2と25H2の間で互換性の問題が発生する可能性は極めて低いとされる。Microsoftのジェイソン・レズネック氏は開発者に対し、「テストが不要という意味ではないが、OS全体やアプリケーション、デバイスの互換性すべてを網羅的に確認するのではなく、新機能に重点を置いたテストに絞ることができる」と述べている。

ユーザーにとって、バージョン24H2からバージョン25H2への移行は非常に容易になり、月次更新プログラムでOSを再起動するのと同程度の作業で完了するという。

累積的な更新プログラム(LCU)とサービススタック更新プログラム(SSU)が統合されたことで、アップデートパッケージのサイズが40%削減され、「Windows共有サービスブランチ」により、機能更新を従来よりも高速かつ確実に行えるようになっている。

具体的には、提供用意が整ったバージョン25H2の機能は、あらかじめ無効化された状態でバージョン24H2の月次更新に含まれて配布される。最終的なバージョン25H2のリリース時に、イネーブルメントパッケージ(eKB)という小さなパッケージによって、これらの隠された機能が有効化される。つまり、機能自体はすでにPCに導入されており、ユーザーから見ると短時間の再起動のみでアップデートが完了したように見える。

ただし、Windows 11 バージョン24H2より前のバージョンは25H2と同じサービスブランチを共有していないため、eKBを用いた簡易更新の対象外となる。これらのバージョンからの移行には、Windows UpdateまたはWindows Autopatchを用いた従来の機能更新プロセスが推奨されている。

バージョン25H2の一般提供が開始されると同時に、各エディションのサポート期間も新たにリセットされる。
具体的には、EnterpriseおよびEducationエディションは36か月、Pro、Pro Education、Pro for Workstation、Homeエディションは24か月のサポートライフサイクルが適用される。
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