マイナビは7月23日、「マイナビ2026年卒 企業新卒採⽤活動調査」の結果を発表した。調査は6⽉3⽇~20⽇、マイナビ2026利⽤の企業担当者を対象にメールマガジンにて配布され、3,068社(上場203社・⾮上場2,865社/ 製造1,882社・⾮製造1186社)から有効回答を得た。
○インターンシップ実施率は61.9%で4年連続の増加
インターンシップ・仕事体験の実施率は61.9%で4年連続の増加となり、調査開始以来最⾼を記録。コロナ禍の影響を受ける前の21年卒(56.9%)の⽔準を3年連続で上回り、積極的に実施されていることがうかがえる。
また、インターンシップにおける問題点を教えてもらったところ、前年同様に「⺟集団(エントリー数)の不⾜」(64.3%)が最多に。次いで「マンパワー不⾜」(33.7%)、「企業の知名度が無い」(29.3%)などが続き、いずれも上場企業より⾮上場企業の⽅が⾼い傾向に。企業の実施率が年々⾼まることで学⽣の参加獲得競争が激しくなっており、依然として⺟集団不⾜が続いている。
さらに、採⽤活動における現時点での問題点についても聞いたところ、こちらも「⺟集団(エントリー数)の不⾜」(68.8%)が昨年に引き続き最多となったが、前年と⽐較すると微減している。⼀⽅、「マンパワー不⾜(他業務との兼ね合い含む)」(33.8%)や「合同企業説明会での集客不⾜」(30.4%)、「27年卒のインターンシップ準備への悪影響(時期の被り)」(7.4%)などでは、年々増加傾向にあることがわかった。
○初任給は88.8%の企業で「引き上げ」
次に、学卒⽣の総合職採⽤について初任給の引き上げ状況を聞いたところ、88.8%の企業で「引き上げ」られており、その割合は前年から4.4pt増加。「何年連続の引き上げか」を聞くと、上場企業の40.6%が「3年以上連続」で引き上げていることが明らかに。⾮上場企業でも29.9%と3割にのぼり、多くの企業が継続的に初任給を引き上げていることがわかった。
初任給引き上げによる効果・影響としては、「求職者に対して効果的なアピールに成功した(応募数が増えた、内定辞退が減った等)」(21.1%)や「他企業との待遇の差を縮めたり、差をつけることができた」(36.8%)が前年より増加し、「特に効果や影響は感じられなかった」(19.7%)が減少。採⽤⼒強化や他社との差別化において、初任給引き上げの⼀定の効果を感じているよう。
⼀⽅、初任給の引き上げに際して社内で「課題となったこと」と「解決できたこと」をそれぞれ聞くと、最多の課題は「既存社員との給与逆転が起きないように全社員給与を引き上げる必要性があったこと」(49.1%)で、これに対し「解決できた」とする企業は41.0%。多くの場合、初任給を引き上げつつ給与逆転を回避する対応が取られたと考えられる。
しかしながら、「引き上げコストにより企業収益を圧迫していること」(21.6%)、「これ以上の引き上げが難しい段階になっていること」(15.0%)などの課題については、「解決できた」とする回答との差が⼤きく、実際に⼀部の企業では初任給引き上げが限界となっていたり、経営を圧迫したりしていることが推察される結果となった。
○「就活に生成AI」7割超の企業が肯定的な考え
次に、学⽣が就職活動に⽣成AIを利⽤することについての考えを聞いたところ、「使い⽅を慎重に検討したうえで活⽤してほしいと思う」が最多の64.1%。「積極的に活⽤してほしいと思う」(6.9%)を合わせると、7割超の企業が肯定的な見方を示し、その割合は前年から⼤幅に増加した。
また、学⽣の⽣成AI利⽤に対する対策について聞くと、最も多かったのは「対応の必要性を感じていないので対応する予定もない」で40.6%。しかしながら、その割合は前年より減少しており、「⾯接での質問内容を⼯夫する(エントリーシートの内容とは異なる質問をする・深掘り質問をする等)」(26.0%)や「エントリーシートの内容を精査する(不⾃然な記述に注視する・異なる学⽣で似た記述がないか)」(10.8%)、「⾯接官の教育を強化する」(5.7%)では前年より微増。⽣成AIの利⽤⾃体へは寛容な姿勢を⽰しつつも、学⽣の個性や能⼒を正確に⾒極めるための⼯夫を徐々に進めていることがうかがえた。