俳優の福士蒼汰と女優の福原遥が、スピッツの楽曲「楓(かえで)」を原案にした映画『楓』(行定勲監督 12月19日公開)でダブル主演を務めることが31日、明らかになった。

時代を超えて愛される国民的バンド・スピッツの楽曲が、デビュー34年にして初めて映画化される。
原案は、1998年にリリースされた8thアルバム『フェイクファー』の収録曲で、同年にアルバムからシングルカットされた「楓(かえで)」。時を超えて愛され続ける「楓」の世界観を、『世界の中心で、愛をさけぶ』で知られる行定勲監督が、現代の視点で新たなラブストーリーとして描き出す。テーマは、失った人への想いや、それでも続いていく日常と未来。物語は、大切な人を失った男女2人の出会いと再生を、季節の移ろいとともに繊細に綴る。花言葉にある"美しい変化"や"遠慮"、そして"思い出"が、全編に渡って象徴的に描かれる。

主演は、福士蒼汰と福原遥が務める。福士が演じる涼は、恋人を深く想いながらも運命に翻弄される、優しさと包容力を併せ持った青年。一方の福原遥が演じる亜子は、喪失感を抱えながらも前向きに歩もうとする女性。清純な役どころに加え、内に秘めた痛みや揺れる感情を体現し、彼女にとっても大きな挑戦となる。

ダブル主演の発表と同時に予告映像も公開。映像は、舞台となるニュージーランドの雄大な自然を背景に、2人の様々な表情を切り取った構成で、とある会話「これはこっちの楓」から始まり、湖畔で佇む亜子の背中、猫と過ごす穏やかな時間、そして星降る夜空まで、多彩な情景が感情を呼び起こす。とりわけ、世界遺産テカポ湖の星空は、本作の象徴的なモチーフのひとつとなっている。


■福士蒼汰 コメント

スピッツさんは世代を問わず一生愛され続ける存在で、愛をテーマに歌われていることも多いですが、「楓」から生まれた今回の物語には普遍的な愛しさや愛情が描かれています。「楓」はとても素敵な曲で大好きな曲ですが、(オファーを受けて)「この曲を元に台本にした」と聞いてから歌詞をもう一度聴くと、色々な想いを受け取ることができ、改めて素晴らしい楽曲だと感じました。この曲に込められた想いを作品に注入してより良い作品にできるように演じました。久しぶりの恋愛映画でしたが、行定監督が「人間の心を描く恋愛映画が好きだ」とお話しされていて、普遍的で根源的な感情を描く今回の映画が生まれたことにとても共感しています。

■福原遥 コメント

「楓」は私が生まれた年にリリースされた曲で、ご縁を感じています。スピッツさんは昔からずっと聴いていて、辛い時や悲しい時に聴くと、優しく包み込んでくれるような歌ばかりです。「楓」の歌詞も、歳を重ねて聴くと違うものを受け取れて、その時その時で違う感じ方ができるのは、この映画にも似ていると思いました。台本を読ませていただいたとき、心がジェットコースターのように動かされて、素敵な「楓」の楽曲が、この映画の世界観と交わり、本当に良い作品になる予感がしました。同時に「相手のことがすごく大事で愛しているからこそ取った行動」すべてを理解する事は難しかったのですが、行定監督とたくさんお話しさせていただき一緒に作ることが出来ました。

【編集部MEMO】

スピッツは、草野マサムネ(Vo、Gt)、三輪テツヤ(Gt)、田村明浩(Ba)、﨑山龍男(Dr)からなる4人組のロックバンド。1987年に結成し、1991年3月にシングル「ヒバリのこころ」、アルバム「スピッツ」を同時発売してメジャーデビューを飾る。「ロビンソン」、「チェリー」、「空も飛べるはず」といった代表曲を次々と世に送り出し、日本を代表するバンドとしての地位を確立した。
「楓」は1998年にリリースされた楽曲で、多くのアーティストがカバーしている。
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