米Microsoftが7月30日(現地時間)に発表した2025年度第4四半期(2025年4月~6月)決算は、AIおよびクラウド事業の力強い成長に牽引され、売上高・利益ともに市場予想を大幅に上回った。売上高の伸び率は過去3年で最大となり、同社のAI戦略が着実に成果を上げていることを示した。
4~6月期の売上高は前年同期比18%増の764億4100万ドル 、純利益は同24%増の272億3300万ドル 、希薄化後1株当たり利益(EPS)は3.65ドルだった。LSEGがまとめた予想平均は、売上高738億1000万ドル、1株利益3.37ドル。以下は事業部門別の売上高。
○More Personal Computing
Windows、デバイス、ゲーミング(Xbox)、検索広告などを含む部門の売上高は、前年同期比9%増の134億5000万ドルだった 。
「Windows OEM(PCメーカー向けのライセンス)およびデバイス」の売上は前年同期比3%増加した 。Windows 11への買い替え需要に支えられて、PC市場全体が出荷台数を回復させている。
「ゲーミング」は、「Xboxコンテンツおよびサービス」の売上が前年同期比13%増加した。これまでXbox専用だったタイトルをPlayStationやNintendo Switchにも展開する戦略は、一部のファンから反発を受けたものの、「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」や「Forza Horizon 5」などが予約ランキングで上位に入るなど、現時点では成功を収めており、同事業の成長に寄与している。一方で、Xboxハードウェアの売上は同22%減となり、依然として厳しい状況が続いている。
「検索およびニュース広告」は、 トラフィック獲得コストを除いた売上高が前年同期比21%増と大幅に伸びた。AI機能を活用した検索「Copilot Search」を4月に開始しており、検索関連事業にもAI活用の効果が現れている。
○Productivity and Business Processes
Officeソフトウェアやビジネス向けSNSのLinkedInを含む部門の売上高は、前年同期比16%増の331億1000万ドルだった。
法人向けのMicrosoft 365 Commercial製品およびクラウドサービスの売上は前年同期比16%増。個人向けOffice製品/クラウドサービスは同21%増。個人向けMicrosoft 365の契約者数が130万人増加し、8900万人を突破した。
LinkedInの売上高は前年同期比9%増。LinkedInセッションは同7%の増加で、エンゲージメントが過去最高だった。
○Intelligent Cloud
売上高は前年同期比26%増の298億8000万ドル 。アナリスト予想の289億2000万ドルを上回る力強い結果となった。
サーバー製品およびクラウドサービスの売上は前年同期比27%増だった。中でも「Azureおよび他のクラウドサービス」が同39%増という高い伸びを見せた。
今回、Microsoftは初めてAzure事業の通気売上高を開示した。2025年度の売上高は750億ドルを超え、前年度から34%の増加だった。
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