2030 SDG(2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標)の期限があと数年に迫る中、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(以下、同社)は、発行体の資金調達を支援する取組みを通じて、SDGsの達成に努めている。近年は、SDGs性の高い事業の推進に寄与する資金調達として、「ESG債」(社会貢献や環境改善などのSDGsに貢献する事業に充当される債券)を発行する企業や公的機関が急増しており、同社はこれらESG債の発行に係るサポートも行っている、とのこと。
こうしたSDGsに資するESG債の中でも、今回は独立行政法人国際協力機構(JICA)(以下、JICA)による資金調達を通じた「新しい国際協力の形」について紹介する。中東やウクライナでの紛争、通商問題など、世界との繋がりが強く意識される現代において、国際協力の在り方について今一度考えてみたい。
○JICAとは?
JICAは、日本の政府開発援助(ODA)を実施する公的機関であり、資金協力・技術協力などを通じて開発途上国の課題解決に取り組んでいる。事業に必要な資金の一部を債券発行によって調達しており、2019年度からは、調達資金を特定のテーマや地域に限定して活用するテーマ型の債券発行にも取り組んでいる。
今年8月には、アフリカの自立的・持続的成長の後押しやアフリカ地域向けの民間投資促進を目的に、アフリカ地域においてJICAが行う出融資(有償資金協力に限定)に限定して資金を活用する「アフリカ・TICADボンド」の発行を予定している。*1:有償資金協力に限定
○アフリカ投資の重要性とは?
中国やインドなど経済成長が著しい国々でも、人口増加に頭打ちが見込まれる中、アフリカでは今後10年ごとに約3億人ずつ人口が増加すると見込まれている。また、2023年時点で年齢の中央値は19歳と、若年層の割合が非常に高く、大きな可能性を秘めた地域として注目されている。
日本政府は1993年より、他国に先駆けてアフリカの自立的・持続的な開発について、アフリカ各国の首脳や国際機関が参加し議論する国際会議「アフリカ開発会議(TICAD)」を継続して開催してきた。今年8月には第9回アフリカ開発会議(以下、「TICAD9」)が横浜で開催予定である。
今回のTICAD9では、「革新的な解決策の共創をアフリカと共に」(Co-Create Innovative Solutions with Africa)がテーマとして掲げられている。
○アフリカと共に未来を創る
今回は、JICAによる「アフリカ・TICADボンド」の発行を通じたアフリカ開発を目的とした国際協力について紹介した。「国際協力」と聞くと、「援助」や「支援」といった意味合いが強く感じられるかもしれないが、30年以上にわたるTICADの取り組みにより、インフラ・教育・農業・スタートアップ支援などで一定の成果が見られている。
現在、アフリカは「援助」や「支援」の段階から、企業によるビジネス推進も展望できる大きな可能性を秘めた大陸となりつつある。
今後の世界や日本の未来を担う若者に対しては、固定観念や思い込みを捨て、ぜひグローバルでインクルーシブな視点から開発途上国を日本のパートナーとして捉え、国際協力の在り方や重要性について考えてほしい。
○投資にあたって
・本債券をご購入する場合は、購入対価のみを支払うこと
・本債券の価格は、金利の変動等により上下するため、償還前に売却する場合には損失が生じるおそれがある
・発行者の経営、財務状況の変化およびそれに関する外部評価の変化等により、損失が生じることがある
・法人向けの債券である
・申し込みにあたっては契約締結前交付書面を交付するので、必ず内容を確認すること
・販売額には限りがあるため、売切れの際は了承いただきたい
(商号等)三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2336号
(加入協会)日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
(お問い合わせ)三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 デット・キャピタル・マーケット部 03-6738-1695
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