オリコンは8月1日、「住宅ローン」の顧客満足度調査の結果を発表した。調査は2025年4月9日~5月12日、2024年3月21日~4月11日、2023年3月9日~3月20日。
過去5年以内に住宅ローンの新規借り入れ、もしくは、借り換えを行った人で、融資(借入)を現在受けている全国の20~69歳の利用者12,580人を対象にインターネットで行われた。

○「イオン銀行」が初の総合1位

15回目となる今回は、2024年の住宅ローン金利引き上げなどの影響から、総合ランキングをはじめ、"金利優遇サービスのわかりやすさ"などを評価した「金利」の評価項目において全体的に得点が下降傾向となった。

そんな中、「イオン銀行」が前回総合3位から順位を上げ、2011年の同ランキング調査開始以来、初の満足度総合1位を獲得した。各項目で得点の下げ幅が少なく、評価を維持していることがうかがえる。

全9項目の評価項目別ランキングでは、「付帯サービス」「審査・契約手続き」の2項目で1位を獲得した。"自社・グループ会社・提携会社の優遇サービスの質"などを評価した「付帯サービス」では2019年から7年連続で1位に。"相談会・ローン申し込み手続き時の利便性"などを評価した「審査・契約手続き」では2020年から6年連続で1位を継続している。なお、「審査・契約手続き」の得点は74.0点で、全9項目中で最も高い得点を得ている。

部門別ランキングでは、業態別「対面銀行」で7年連続、地域別「関東」で2年連続、男女別「男性」で初の1位となったほか、目的別「借り換え」で2018年以来7年ぶり2度目、商品別「変動金利」で5度目の1位となった。

イオン銀行の利用者からは、「平日の遅い時間や土日でも営業しており、仕事終わりでも相談できた(30代・女性)」、「担当者が親身に対応していただけた。日曜祝日もイオンモール内店舗が開いていてありがたかった(40代・男性)」、「借入中、イオンでの買い物が5%オフになる(40代・男性)」「イオングループ全体でお得を感じる(40代・男性)」、「低い金利で借り換えができた。付帯クレジットカードでの割引やATM手数料無料などサービスが良い(50代・男性)」といった口コミが寄せられている。

○総合2位は「ソニー銀行」

総合2位には「ソニー銀行」がランクイン。評価項目別ランキングでは、利用者が最も重視する傾向が高い「商品内容の充実さ」をはじめ、同社の各評価項目別得点のなかで最も高い73.7点を獲得した「団体信用生命保険の充実さ」、2015年から11年連続1位となった「サイトのわかりやすさ」の3項目で1位に。部門別では、業態別「ネット銀行」部門で3年連続8度目の1位となった。利用者からは、「借り換えしたところ、金利が下がった。団信が追加費用無しで加入できる(50代・男性)」、「病気のときの保証が充実している。とくにガン保証の充実(50代・男性)」、「マイページが見やすい。繰り上げ返済がネットでできて、その後の返済金額が確認しやすい(50代・女性)」といった声が集まった。
○「SBI新生銀行」が総合3位

総合3位は「SBI新生銀行(旧:新生銀行)」だった。"繰り上げ返済時の手数料"などを評価した「繰り上げ返済」で5年連続1位となったほか、「サイトのわかりやすさ」では「ソニー銀行」と同点で初の1位を獲得している。 利用者からは、「繰上げ返済時の手数料がかからない(30代・女性)」「繰り上げ返済などがスマホで完結した(40代・男性)」、「手続きがオンラインで完結するので楽だと思う。セキュリティ面もしっかりしていて安心感があった(50代・女性)」といった口コミが寄せられた。
○三井住友銀行が「担当者の対応」で2年連続の1位に

そのほか、評価項目別ランキングでは、総合4位の「楽天銀行」が"契約時の事務手数料・保証料のわかりやすさ"などを評価した「手数料・保証料」において2年連続の1位を獲得。
総合5位の「auじぶん銀行」は、「金利」の項目で2021年から5年連続の1位を獲得した。また、総合7位にランクインした「三井住友銀行」は、「担当者の対応」において2年連続で1位の評価を得ている。

○地銀トップは「池田泉州銀行」

今回、大阪府大阪市の「池田泉州銀行」が、前回の総合20位から順位・得点ともに上昇し、総合9位にランクイン。ネット銀行やメガバンクが上位に入るなか、地方銀行のなかで最も高い総合評価を獲得した。評価項目別「付帯サービス」「手数料・保証料」など、すべての項目で前回の得点を上回ったほか、良かった点として「担当者」に関するコメントが多く見られた。

○「北海道銀行」が前回総合31位⇒総合10位に上昇

北海道札幌市の「北海道銀行」が、前回の総合31位から順位・得点ともに上昇し、総合10位にランクイン。2018年の総合9位以来2度目の総合TOP10入りとなった。評価項目別「サイトのわかりやすさ」で+1.5pt、「団体信用生命保険の充実さ」で+1.3ptなど、各項目で前回の得点を上回った。

そのほか、部門別ランキングでは、総合10位の「関西みらい銀行」が、男女別「女性」部門で4年連続の1位を獲得。総合25位の「日本住宅ローン」は、業態別「モーゲージバンク」部門で3年連続1位、商品別「フラット35」部門で2年連続の1位となった。

○「PayPay銀行」が目的別「新規」で初の1位

今回、高評企業(規定人数の半数以上の回答があり、総合得点が60.0点以上の企業)の「PayPay銀行」が、目的別「新規」部門で初の1位を獲得した。また、商品別「変動金利」部門では「イオン銀行」に次いで2位となったほか、地域別「関東」部門で3位の評価を得ている。

○北海道銀行が「北海道」部門で10年連続1位

回答者の居住地別で集計した地域別ランキング。「北海道」部門では「北海道銀行」が2016年ら10年連続の1位を獲得した。

「東北」部門では「青森みちのく銀行(旧:青森銀行、旧:みちのく銀行)」が1位を獲得。2025年1月の合併により、8年連続の1位となった。「関東」部門では「イオン銀行」が2年連続の1位に。「甲信越・北陸」部門では「北陸銀行」が3年ぶり4度目の1位を獲得している。「東海」部門では「三菱UFJ銀行」が2年連続の1位に。「近畿」部門では「auじぶん銀行」が初の1位となった。「中国・四国」部門では「山陰合同銀行」が2年連続3度目の1位を獲得。「九州・沖縄」部門では「住信SBIネット銀行」が5度目の1位となった。
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