米OpenAIは8月6日(現地時間)、Xへの投稿を通じて、太平洋標準時8月7日午前10時(日本時間8月8日午前2時)にライブストリーミングを行うと発表した。

投稿内容では詳細に触れられていないものの、「LIVE5TREAM THURSDAY 10AM PT」と記載されている。
「livestream」の「s」が数字の「5」に置き換えられていることから、同社の大規模言語モデル(LLM)のメジャーアップデートとなる「GPT-5」の発表が行われる可能性が高いと見られている。

LIVE5TREAM THURSDAY 10AM PT— OpenAI (@OpenAI) August 6, 2025

今回の発表に先立ち、8月3日にCEOのサム・アルトマン氏が、モデルが「ChatGPT 5」となっているChatGPTのスクリーンショットを投稿していた。さらに翌4日には、応用研究責任者のボリス・パワー氏が「GPT-5が世間にどう受け止められるのか、とても楽しみにしている」と投稿するなど、新モデルの登場を示唆する動きが相次いでいた。

現在、OpenAIのLLMには2つの異なるタイプのモデルが存在している。一つは従来型(事前学習型)のGPTシリーズ、もう一つは2024年9月に登場したo1から続く推論強化型モデルである。ChatGPTでは、ユーザーが目的に応じてこれらのモデルを使い分けることが可能となっている。しかし、LLMの種類の増加により、一般的なユーザーにとってモデル選択が複雑化するという課題が顕在化している。

GPT-5では、従来の2種類のモデルが統合され、ユーザーのモデル選択に関する複雑さが軽減される予定である。複数のサイズバリエーションで展開され、推論強化型技術を取り入れることにより、高度な論理的思考能力と大規模な推論処理への対応が可能となる一方で、軽量版は低リソースな環境でも利用可能となる見込みだ。アルトマン氏は2月のX投稿において、無料プランのユーザーにも前世代のAIモデルではなくGPT-5を提供する意向を示していた。

ただし、GPT-5の価値の浸透には時間がかかる可能性もある。パワー氏は昨年9月のX投稿でGPT-5について、「このリリースは、ChatGPTのリリースよりもオリジナルのGPT-3リリースにずっと近いものである。
これは新しいパラダイムであり、私たちOpenAIでさえ予測できないような事柄に対し、一部の人々が計り知れない価値を見出すことでしょう。しかし、誰もがすぐに使えて新しい価値を得られるような万人向けの製品ではない」と述べていた。

こうした一連の投稿を受け、GPT-5は単なる利便性や性能の向上にとどまらず、AI活用の新たな地平を切り開く可能性を秘めた存在として注目を集めている。
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