西新宿のオフィスワーカーたちが真夏の夜に熱狂を巻き起こす恒例イベント「新宿三井ビルディング 会社対抗 のど自慢大会」。そのスピンオフとも前哨戦ともいえる新たなイベント「企業対抗&BIZのど自慢大会」が、8月6日、日本橋で初開催された。
舞台となったのは、COREDO室町テラスの大屋根広場。夕暮れ時のオフィス街に出現した特設ステージには、三井ビルに入居するテナント企業や、近隣企業・店舗などに勤める全21チームが登場し、プロ顔負けの熱唱と振り切ったパフォーマンスで集まった観客たちを沸かせた。
ゲスト審査員として登場したのは、人気芸人・テツandトモの2人。さらに音楽業界の著名人らが審査に加わり、歌唱力はもちろん、ステージ演出や観客との一体感、応援団の熱量までを総合的に評価した。
ステージ上では歌声だけでなく、出場者たちの“社内事情”トークも盛り上がりにひと役買った。「2カ月前に愛知から赴任してきたばかり。歓迎会の二次会で歌ったカラオケで出場が決まった」と語る人もいれば、「出場予定者が夏風邪でダウンし、急きょ代打で出場することになった」と舞台裏のドラマを披露する人も。それぞれの“社内あるある”が語られ、客席からあたたかい拍手と笑いが送られた。
新宿大会の“名物応援”といえば、シュレッダー紙を使った紙吹雪。対してこの日本橋大会では、シャボン玉と投げテープという“涼しげ&華やか”な演出が印象的だった。出場者がステージに上がるたびに、アリーナに陣取った仲間たちが手作りのうちわやシャボン玉マシーンでエールを送る。その声援と演出の熱量が、そのまま企業ごとの“団結力”としてスコアに反映されるというのも、“企業対抗のど自慢”ならではの醍醐味だろう。
予選では各チームが1コーラスずつ、圧巻のパフォーマンスを披露。そしてハイレベルな戦いを勝ち抜き、決勝へ進出した3組が、フルコーラスで渾身の歌を届けた。圧巻の歌唱力で栄えある初代チャンピオンの座を勝ち取ったのは――。
会場でひときわ大きなどよめきを呼んだ、原曲キーでMISIAを歌い上げる“おじさんMISIA”こと、新宿大会出場歴のある猛者。今年は新宿大会への出場をかけた社内選考で惜しくも落選したそうで、こちらの日本橋大会に乗り込む形となった。「悔しさをバネに、日本橋でやりきった」と語るその雄姿に、観客から大きな声援が送られ、無数のシャボン玉が宙を舞い祝福を添えた。
平日夜の日本橋のオフィス街を、笑いと熱狂と感動で包み込んだ第1回の企業対抗&BIZのど自慢大会。ゆくゆくは新宿大会のように大きく育ち、“日本橋の夏の風物詩”となり得るポテンシャルを見せつけて幕を下ろした。来年以降の開催が、今から楽しみでならない。