カーナビの案内が“推しの声”になる。そんなユニークな発想をかたちにしたのが、Yahoo!カーナビの「推しドラ」だ。
DL2,500万超! 成長を続けるYahoo!カーナビ
Yahoo!カーナビは2017年にリリースされて以来、累計ダウンロード数が2,500万を突破した人気のサービス。利用者層は40~50代の男性が中心だが、全国的に幅広いユーザーに支持されているという。2023年には「Google Play ベストオブ2023」の“生活お役立ち部門”で大賞を受賞するなど、その実力は折り紙付きだ。
主な3つの基本機能は以下の通り。
渋滞や交通規制などのリアルタイム情報を反映し、標識も音声とアイコンで案内する安心安全な道案内
マイカー登録機能。車の車幅に合わせて最適なルートを案内したり、車検日やオイル交換のリマインド、お得なクーポン提供など“カーライフ支援”も行う
より便利に使える有料拡張機能
この拡張機能には月額250円の「Yahoo!カーナビプラス」があり、雨雲レーダーや広告非表示、移動式オービスの情報などが含まれている。今回の主題である「推しドラ」も、この有料サービス枠に属する機能のひとつだ。
ただの音声変更じゃない! 「推しドラ」3つの魅力
ローカル統括本部の増田さんによると、「『推しドラ』は、まるで“推し”と一緒にドライブしているような感覚を楽しめる音声ナビ機能。“推し”が隣にいるような感覚になっていただき、長距離運転や日々の通勤時間を少しでも楽しんでほしいと思っています」とのことだ。
「推しドラ」の利用者は案内音声と現在地のアイコンを“推し仕様”に変えることができ、月額550円または年額5,500円で利用可能となっている。
サービス開始は2024年10月。
「推しドラ」サービス提供の背景には、若年層のカーライフスタイルの変化がある。
「Yahoo!カーナビはスマホ利用が活発な若年層との親和性が高い一方、40代以上のユーザーが中心でした。近年は車の所有スタイルにも変化が見られ、カーシェアやサブスクなど新しい利用方法が普及し、特に20、30代の若年層を中心に広がっています。こうした変化に対応し、より幅広いユーザー層に使ってもらうためにも、ドライブ自体をもっと楽しめる工夫が必要だと考えました。そこで参考にしたのが、近年活性化している“推し活市場”です」(増田さん)
調査によれば、日本人の3人に1人が“推し”を持っており、特に20~30代ではグッズ購入などのニーズも高いという。「そんな中、車内の時間は“まだ推しと過ごしていない余白”だと考えました。カーナビ音声はドライバーが自然と耳を傾けるメディアですし、視線を奪わない安全性もある。推しドラはその特性をいかして、密度の高いコミュニケーションを提供できると考えています」というのが増田さんの見立てだ。
「推しドラ」は、ただ“案内の声が変わる”だけではない。
1つが“自車アイコン”だ。オリジナル描き下ろしの3Dアイコンを採用し、推しと一緒に移動しているような没入感を演出。アイコンは進行方向に合わせて自然に回転するなど、視認性や安全性にも配慮している。
2つめがナビ中の“雑談・ゆかりの地”機能で、長時間の直進や渋滞時などに、まるで推しと会話しているような軽やかな雑談が流れる。ただし、ナビの案内を妨げないよう、雑談はあくまで補助的に発話されるよう設計されているという。“ゆかりの地”は、キャラクターにまつわる特別な場所などを通過した際、その詳細について説明してくれる機能となっている。
3つめが音声コレクション機能。一度聴いた発話はあとからも再生可能で、お気に入りのセリフや聞き逃した一言を何度でも楽しめる。推しの声を集めていく“コレクション的な楽しみ”も兼ね備えている。
「推しドラ」利用者を対象としたアンケートでは、サービス導入によるポジティブな変化が多く報告されているようで、約7割が「運転が楽しくなった」と回答。「運転のモチベーションが上がった」「ストレスが減った」などの声も多数挙がっているという。
今後もコンテンツの定期的な追加が予定されており、8月末には「AZKi」の第2弾に加え、「兎田ぺこら」も新たに登場予定。これまでの声優・VTuberとのコラボにとどまらず、今後はアニメ、アーティスト、芸人など、さまざまなジャンルとの連携も検討しているという。
ドライブがただの移動ではなく、“推しと一緒に過ごす特別な時間”になる。そんな新しい価値を提供するYahoo!カーナビの「推しドラ」。運転中にふと隣から聞こえてくる推しの声は、日常の移動をより一層楽しく彩ってくれるに違いない。
猿川佑 さるかわゆう この著者の記事一覧はこちら