今回はヨドバシカメラ マルチメディア横浜を訪ね、ロボット掃除機の売れ筋を取材しました。

同店の柴田成行マネージャによると、掃除機売り場全体ではダストボックス付きのスティック型掃除機の注目度が高まっていますが、「それでも引越しを機にロボット掃除機を購入するという人は相変わらず多くて、安定した人気がありますね」といいます。


売れ筋は、複数の部屋の情報を記録し、掃除のタイプも選べる多機能型とのこと。「家の内部の構造を覚えさせて、スマホアプリなどを通して不在中に掃除してもらうというのがスタンダードな使い方ですね。戸建てにお住まいの方も『今日は2階』『今日は3階』みたいにセットできる高機能型を求められます」

売れ筋モデルの価格帯も、20万円近くの高級機から数万円で買えるコスパ重視のモデルまで、幅が広がっています。下記の「ロボット掃除機選びの3カ条」を踏まえて、直近の人気モデルをランキング順に追っていきましょう。
○<ロボット掃除機選びの3カ条>

求める機能を決めれば選択肢がぐっと絞れる。まずは拭き掃除の有無を決めるのが重要。
掃除のタイミングは不在時が中心。そのための操作性や、掃除後のメンテナンスの具合を比べたい。
エアコンが最優先になる今の時期はトータルの予算で考えたい。10万円の上か下かがひとつの境界に。

※本文と写真で掲載している価格は、2025年6月25日12:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:10万円でオールマイティが望める「Eufy X10 Pro Omni」

一番人気となっていたのは、アンカー・ジャパン(Anker)の「Eufy X10 Pro Omni」でした。回転式のモップを備え、水拭きにも対応します。マッピングや障害物回避機能のほか、毛がらみを自動で除去する仕組みを備え、ステーションは浄水と汚水タンクを並べています。取材時の価格は99,990円でした。

「ロボット掃除機は、引っ越しの際にいろいろな家電と一緒に買われることが多いのですが、そうなるとトータルの予算が意識されます。そのなかで、このモデルは最新のロボット掃除機に求めるものがあらかた入って10万円を切っているということで、コスパに惹かれて選ぶ人がとても多くいらっしゃいます」

第2位:高吸引&強力水拭きのハイエンド「DEEBOT X8 PRO OMNI」

続く2位には、ハイスペックな高級モデルが挙げられました。エコバックスジャパン(ECOVACS)の「DEEBOT X8 PRO OMNI」で、取材時の価格は188,700円でした。1万8000Paの高吸引や回転モップによる水拭き機能などを備えています。

「水拭きに関しては、床を無駄に濡らさないで汚れを取る機能が一時期とても流行しましたが、このモデルは最強クラスという評判で、決め打ちで買われていく方が多いですね。裸足で歩いた後の皮脂汚れなどもしっかり拭き取ってくれ、ステーションに戻れば汚水タンクにしっかり排出してくれますから」

第3位:一人暮らしに人気のエントリー「Roomba 105 Comboロボット」

3位には、アイロボットジャパン(iRobot)の安価なモデルが入りました。「Roomba 105 Comboロボット」で、モップパッドによる拭き掃除にも対応しています。取材時の価格は34,600円でした。


「リーズナブルな価格ながらアプリ制御もできるので、一人暮らしの方などリーズナブルなモデルを探している人に人気がありますね。Roombaなら間違いないということで選ぶ方もよくいらっしゃいます」

第4位:少し割安で買える最強クラス「DEEBOT X5 PRO OMNI」

4位は、再び高級路線の一台です。エコバックスジャパンの「DEEBOT X5 PRO OMNI」で、取材時の価格は158,940円でした。吸引力は1万2800Paで、2位の「DEEBOT X8 PRO OMNI」には譲りますが、70度の温水を使った自動モップ洗浄機能や自動ゴミ収集機能などを備えたステーションにより、メンテナンスフリーで高性能が長持ちします。

「一世代前の最上位クラスといった位置づけですね。なるべく価格は抑えたいけれど、メンテナンスフリーでハイレベルな掃除を求めるということで、2位のDEEBOT X8 PRO OMNIではなくこちらを選ばれることもよくあります」

同率5位:75日目安のゴミ収集機能を備える「Roomba Max 705 Vac」

以降は売れ行きの差がわずかということで、5位には同率で3モデルが並びます。

ひとつは、アイロボットジャパンの「Roomba Max 705 Vacロボット+AutoEmpty充電ステーション」。拭き掃除非対応のモデルですが、ステーションにゴミ収集機能があり、Roombaから専用の紙パックに最大75日間分のゴミを自動で移してくれます。取材時の価格は79,000円でした。

「拭き掃除は必要ないけれど、なるべくゴミに触れずに部屋をきれいに保ちたい、という人に売れていますね。ひと月に1回紙パックを交換するだけで十分ですから」

同率5位:6万円台で並ぶ「Eufy Robot Vacuum Omni C20」と「DEEBOT N20 MAX PLUS」

アンカー・ジャパンの「Eufy Robot Vacuum Omni C20」で注目されているのは、回転モップによる水拭き機能と、ステーションが備える自動クリーニング機能とのこと。取材の価格は69,990円でした。


また、エコバックスジャパンの「DEEBOT N20 MAX PLUS」も、ステーションが備える自動ゴミ回収機能が評価されているとのことです。水拭き機能は備えず、取材時の価格は60,840円でした。

「どんなかたちで掃除してくれるかも重要ですが、価格とともに、自動クリーニングやゴミ回収機能が重視されていると感じますね」

著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら
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