朝ドラ『おむすび』出演「役者さんって本当にすごい」

「当時、世の中が空前のギャルサーブームだったんですよね」

2000年代のギャルカルチャーに青春を捧げ、今もなお“踊り続ける”女性がいる。パラパラダンサーで、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のライバーとしても活躍するサキだ。20年以上、パラパラを続け、朝ドラ『おむすび』にも出演した彼女に、その反響やパラパラとの出会いについて聞いた。
(全3回の1回目)

○仲里依紗演じる“伝説のギャル”の仲間役

――『おむすび』出演の反響はいかがでしたか。

家族がすごく喜んでくれました。ライブ配信をずっとやってるんですけど、普段は朝ドラを観てないっていうリスナーさんも観て、「すごい良かったよ」と言ってくれて。元々パラパラをやってた仲間たちからも久々に連絡が来て、「パラパラがまた流行っててすごい!」みたいな。

――やっぱり朝ドラの反響はすごい。

めちゃくちゃ連絡来ました。本当にうれしかったです。

――サキさんはどんな役柄で出演されたんですか?

仲里依紗さんが伝説のギャル役だったんですけど、そのサークルのメンバー役でした。ギャルの仲間の一人ですね。

――ギャルの仲間っていい響きですね。『おむすび』には、どのような経緯で出演が決まったんですか?

Rumiさんっていう方が、『おむすび』のギャル監修とパラパラの振り付け指導を担当されていたんですけど、パラパラのDVDに一緒に出たり、地方とかに行って、パラパラのショーを一緒にやったり、ずっと一緒にお仕事をさせていただいていて。それで、声をかけてもらったんです。
「パラパラのシーンがあるんだけど、出ない?」って。

――そんな棚ぼた的に。

そうなんです(笑)。「いいんですか!?」みたいな。

○パラパラシーンの撮影を振り返る

――パラパラのシーンはどんなふうに撮影されたんですか?

振り付けも全部Rumiさんが作ってるんですけど、事前に役者さんたちと練習する日があって。大阪に行って、半日くらいかけて、みんなで振りを入れました。

――役者の皆さんは、パラパラを踊ったことがない人も多いのでは?

役者さんって本当にすごいなと思って。覚えるのがめちゃめちゃ早い。結構難しくて、複雑な振りもあったんですけど、こんなにすぐできるんだと思いました。私は、事前に動画をもらってて、Rumiさんとも1回合わせてましたし、当日迷惑かけないようにしようと思って、覚えていってて良かったです(笑)。

――経験者として参加してるわけですもんね(笑)。しかも、伝説のギャルがいるサークルのメンバーですし。


リアリティを出したいから、役者さんだけじゃなくて、パラパラを元々やってる人を出そうとなったらしいんですよね。Rumiさんも出たし、私ともう1人、いつも一緒にパラパラをやってる子がいるんですけど、その子と3人で出ました。

――今も変わらず、チームで動いているのがいいですね。

そうそう(笑)。やっぱり好きな人はずっと好きだから。
○100人以上で踊るパラパラ企画にチャレンジ

――今回取材させていただくということで、「サキ パラパラ」で検索したら、「超然パラパラ!!」というサイトがヒットして。これって、サキさんですか?

それ、私です。ヤバい、その写真ウケる(笑)。で、(同じページに載っている)ともみんが、一緒に朝ドラに出た子です。

――このページに載っている2人が、令和になって朝ドラに出演。エモいです。

ともみん(※)は今、ZUMBAっていうダンスのインストラクターをやってて。
サークルも立ち上げてるんですけど、生徒さんたちと一緒にパラパラを踊ってる動画がリールで流れてきます。

※現在の表記は「Tomomin」

空前のギャルサーブーム、レジェンドから教わったパラパラ

――Rumiさんとは、「イチナナチャレンジ100!~ずっと青春!パラパラ一緒に踊ろうょ!~」でも共演されました。100人以上で踊るパラパラって、すごいですよね。

すごかったです。クラブとかで、大人数でバラバラに踊ったことはあるんですけど、同じものを作り上げるのは初めてでした。最初はあんまり乗り気じゃないというか、「パラパラやったことないし、できないよ」と言ってる人が結構多くて。企画委員みんなで協力して、ライバーさんの配信にお邪魔して、説得したり。人数が集まってうれしかったです。

――チャレンジ本番はいかがでしたか。

超すごかったです。出来上がった映像を観たんですけど、めっちゃすごかった。最初、会場に集まって踊ったファーストテイクの時も、事前に振り付けを送ってたんで、みんな、それなりにできてはいたんですけど、最後はもう全然違いました。


○パラパラとの出会いは秋田のギャルサーから

――サキさんのこれまでも振り返っていただきたいのですが、パラパラと出会ったのは、何歳くらいの頃だったんですか?

15歳くらいの時で、私はパラパラよりも、ギャルサーに入るほうが先でした。当時、世の中が空前のギャルサーブームだったんですよね。私、秋田が地元なんですけど、秋田って結構田舎じゃないですか。でも、ギャルサーがいっぱいあって、秋田駅にもギャルばっかり。

ギャルサーを自分たちでやって、ライブハウスを借りてイベントをやってたんですよ。最初、トランスっていう振りのあんまりついてない音楽が流行ってて、徐々にユーロビートになっていって。じゃあ、みんなでパラパラ覚えようぜって感じでパラパラを始めました。ラジカセを持って、パラパラの練習するのがイケてるみたいな。

――カッコいいです。パラパラはどんなふうに覚えていたんですか?

パラパラをずっとやってるレジェンドみたいな男の人がいて。一緒にイベントをやってたんで、その人から教えてもらって、いっぱい覚えたって感じですね。

――そんなレジェンドが。
今もパラパラを続けられているんですかね。

今、パラパラを踊るご当地ヒーローやってるんですよ。

――えっ!?

ビートファイターAceってチームのリーダーが私にパラパラを教えてくれた人なんです。今でも仲良くて、地元に帰ると会ったりします。

■プロフィール
サキ
5月7日生まれ。秋田県出身。パラパラダンサーとして、『水曜のダウンタウン』(TBS系)や『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)などに出演。GACKTが2009年に発表した楽曲「小悪魔ヘヴン」のバックダンサーも務めた。現在はライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のイチナナライバーとして活動しながら、ライバー事務所「PARALALIA」の代表も務める。オリジナル楽曲制作サービス「ウタツク」クリエイティブディレクター。
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