巨匠スティーヴン・スピルバーグによって誕生した『ジュラシック』シリーズの新章となる映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』が8月8日に公開された。メガホンをとったギャレス・エドワーズ監督が、本作のオファーを受けたときの心境や制作時のエピソードなどを語った。


本作は、シリーズ初の女性主人公で、秘密工作の専門家ゾーラ・ベネット役をアクション界の女王スカーレット・ヨハンソンが演じる。また、アカデミー賞を2度受賞の名優マハーシャラ・アリと、大ヒット作『ウィキッド ふたりの魔女』のジョナサン・ベイリーも参戦。メガホンをとったのは、『GODZILLA ゴジラ』や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などで知られるギャレス・エドワーズ監督。そして、脚本家デヴィッド・コープが、28年ぶりにシリーズへのカムバックを果たし、製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグが務めた。

エドワーズ監督は、幼少期からスティーヴン・スピルバーグ作品に心を奪われ、わずか10歳の頃から、ストーリーボード作成や特殊効果の研究を始めたという。「僕の映画はほとんど、自分なりの『ジュラシック・パーク』を作ろうという密かな試みです」と語るほど、『ジュラシック・パーク』は彼にとって“夢のはじまり“そのものだった。

2023年のSF大作『ザ・クリエイター/創造者』では、アカデミー賞視覚効果賞・音響賞にノミネートされ、新たな『ジュラシック』の時代を立ち上げるにふさわしい存在であることを証明した。シリーズを長年手がけるプロデューサーのフランク・マーシャルは「ギャレスは見事な映像を実現してくれるし、キャラクターを大切にするし、物語を紡ぐ術を知っています。CGも彼の手に掛かればCGだと気づかないほどです」と太鼓判を押す。

さらに、脚本を手がけたデヴィッド・コープも、「ギャレスは壮大な世界を描くだけでなく、それを実際に具現化できる方法を見つけ出せる監督。それが“いい監督”と“驚異的な監督”の違いです」と、彼の才能に賞賛を送っている。

運命的だったのは、監督オファーの“前日”の出来事。
エドワーズ監督は、偶然にも別企画の参考として『ジュラシック・パーク』を見返し、そのインパクトの正体を探るべく、4ページにもわたる考察メモを書いていたのだという。「魔法の暗号を解いてみたくて、たまに自分用に小論文のようなものを書くんです。もちろん暗号が解けた試しはありませんが」と笑いながら振り返る。そして翌日、まさにそのタイミングで『ジュラシック』新章の監督オファーが舞い込んだ。まるで運命に導かれるような巡り合わせだった。

とはいえ、当時は『ザ・クリエイター』を完成させたばかりで心身ともに燃え尽きており、脚本もまだないという状況に「丁重に断る理由になるかもしれない」と思ったという。だが、届いた脚本を読み始めた瞬間、その気持ちは一変。「好きになりたくなかったのに。最後まで読み終えたとき『まったくもう』と声が出ました。どうせやりたくなるって最初から分かっていたんです」と運命を受け入れた。

いよいよ撮影がスタートし、スティーヴン・スピルバーグ本人と同じ現場に立ったエドワーズ監督は、「現実とは到底思えませんでしたね。サンタクロースが実在するんだと知ったような気分でした」とその興奮を率直に語っている。


本作では、元祖『ジュラシック・パーク』を基準に独自の質感を構築。「ファミリー映画として世に出た『ジュラシック・パーク』ですが、僕は“ファミリー映画のふりをしたホラー映画”だと思っていました。この作品を超えるなんて考えたことすらありません。ただ、あの名作にふさわしい後日譚を、みんなで撮れたと信じたいです」と思いを明かしている。

エドワーズ監督によって「まるで90年代に造られていた、1作目と同じ空気感やスタイルを持った映画」を目指して作り上げられた『ジュラシック・ワールド/復活の大地』。その志は映像の随所に息づき、シリーズに新たな緊張感と興奮、そして“原点回帰”の感動をもたらしている。

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
編集部おすすめ