ドライフラワーの講師も経験「今やったら一強になれると思って(笑)」

「まだパラパラやってんの?」

20年以上、パラパラを続けていると、こんなふうに言われたこともあった。それでも、パラパラを踊り続け、朝ドラ『おむすび』出演も果たした。現在は、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のライバーとしても活躍するパラパラダンサー・サキが語る、パラパラの魅力とは。
(全3回の3回目)

○ドライフラワーの生徒たちと一緒にライブ配信の世界へ

――現在は、ライバーとしても活躍されています。配信を始めたのは、どのようなきっかけだったんですか?

地元に一瞬帰ってた時にお花の講師をやってたんですよ。ドライフラワーがめっちゃ流行ってて。

――そんな経歴も!

流行りものが好きなんですよね。

――ギャルサーとパラパラもそうですもんね。

そうですそうです。もう本当に流行ってるものをやりたい。で、ドライフラワーがめっちゃ流行ってて、調べたら、秋田で講師をやってる人がいなさそうだったんで、今やったら一強になれると思って(笑)。その時に、インスタライブで、遠隔で教えたりもしてたんです。

――それはいつくらいですか?

2019年くらいかな。コロナ禍前だったんで。

――まだ、オンライン授業もそんなに行われてなさそうですよね。


友だちに「サキが変なこと始めた」って言われてました。「なんか急に、インターネットで顔出してずっとしゃべってる人になった」みたいな(笑)。

――その言い方だと怪しいです(笑)。

今となっては、ライブ配信して商品を売ったり、ECサイトにつなげたりするのも当たり前ですけど、その当時は珍しかったですし、しかも秋田には本当になかった。でも、その生徒さんたちも、そういう流行りモノが好きで、感度が高い人が多かったから、インスタライブでずっとやってたんですけど、当時のインスタライブって、1時間で配信が勝手に切れちゃう仕様で。

今みたいに投げ銭機能もなくて、マネタイズが一切できなかったんで、どうにかできないかなと思っていました。それで、いろんな配信媒体を調べてたら、たまたま、YouTubeで岸田直樹さんっていうライバーさんが出てる動画を見つけて、いいじゃんと。

――最初の頃の配信はどんな感じでしたか?

ドライフラワーの生徒さんがずっといてくれて、すごくありがたかったです。誰も知らない状態で始めると、リスナーさんが1人もいなくて、何も話せないっていう人も多いので。生徒さんたちがずっといてくれて、チームで使い方を覚えてみようよって感じでやってましたね。今、その頃の生徒さんはもう1人もいないんですけど。

――みんな、次の流行りモノを見つけて。


そう(笑)。私は自分に合ってるなと思ったんで、続けようと思って。今の配信はそうやってスタートしましたね。

パラパラの魅力、今後の展望

○もっとパラパラに誇りを持っていいんじゃないか

――それから6年。パラパラもそうですもんね。やめずに続けていたから、朝ドラにも出演できた。

何事も、続けるのが大事ですよね。パラパラを始めて、イヤだったことがあんまりなくて。パラパラを通して、楽しかったことや、仕事につながったことが、最初の頃からすごく多かった。

この間、Rumiさんと話してたんですけど、日本で生まれたダンスで世界に広まっている踊りっていうのがパラパラだけなんですって。ヒップホップとかは海外から来て日本で流行ってる。だけど、パラパラって日本が発祥で、海外に行って、今、海外にギャルサーもあるんです。


――ギャルサーも!

そうなんです。TikTokやインスタで、海外の子がパラパラを踊ってる動画がめっちゃあるんですよ。なので、もっとパラパラに誇りを持っていいんじゃないかっていう話になって。パラパラ結構すげえなみたいな。みんなでやっぱ同じことをするっていうのも面白いし、一体感が生まれるっていうのも面白い。

――そうですよね。

まだパラパラやってんの? みたいに言われたこともあったんですけど、ダンス自体はやっぱり魅力があるし、奥が深いんですよ。極めれば極めるほど、どんどんうまくなっていく踊りだなって思います。私、1,000曲ぐらい踊れるんです。

――すごい。

だから、自分でも自信があるジャンルっていうのもあるかもしれないです。自信があるから、やっぱり続けていたいっていうところもあって。
今、TikTokの毎日投稿をしてるんですけど、1,000曲あったら、3年ぐらいは毎日できるじゃないですか。

――確かに。それに、おじいちゃんおばあちゃんになって、パラパラを踊ってたら、カッコいいですもんね。

カッコいいですよ。座りながらでも全然できるんで、老人ホームとかでも教えたりしてました。昔、美空ひばりさんの「川の流れのように」にパラパラの振りを付けたんですけど、車椅子の方も座りながら踊れるような振り付けにして、10分くらいのエクササイズの時間でやってもらったり。ちっちゃい子も踊れるんで、保育園で指導したこともあるし、誰でもできるのもいいところだと思います。

――素敵。そろそろお時間が来たので、最後に、サキさんの今後の展望を伺ってもよろしいでしょうか。

例えば、テレビに出たいとか、自分でやりたいことや、こうなってみたいと思っていたことは、結構実現できているんですよね。で、最近、オリジナル楽曲を制作する会社をやってて。そこで、オリジナルのユーロビートを作ってるんですよ。
法人やライバー、インフルエンサー、小学生ギャルなど、さまざまなクライアントの楽曲をプロデュースしています。

元々、パラパラ業界で活躍してたレジェンド的な人がいるんですけど、その人が「次は歌も歌いたい」と言ってたので、じゃあ踊れるし歌える曲にしましょうってことで曲を作ったり、カラオケにも入れたりしました。また、パラパラじゃないんですけど、自分たちでもやってみようって感じで、私の曲も作ってみたり。

自分のやりたいことだけじゃなくて、他の人のやりたいことも、自分が今までやってきたことや能力を生かして手助けして、人の夢も叶えられる人になりたいなって思ってます。

■プロフィール
サキ
5月7日生まれ。秋田県出身。パラパラダンサーとして、『水曜のダウンタウン』(TBS系)や『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)などに出演。GACKTが2009年に発表した楽曲「小悪魔ヘヴン」のバックダンサーも務めた。現在はライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のイチナナライバーとして活動しながら、ライバー事務所「PARALALIA」の代表も務める。オリジナル楽曲制作サービス「ウタツク」クリエイティブディレクター。
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