江崎グリコは、新丸ビル内の飲食フロア「丸の内ハウス」全店でアーモンドミルクを使った特別メニューを展開するイベント「丸の内アーモンドミルクテラス」を8月24日まで期間限定で開催中だ。

イベントに先駆けて、メディアセミナー「猛暑ほど活躍する“ビタミンE”と拡大するアーモンドミルク市場の最新トレンド」を実施。
期間限定イベント「丸の内アーモンドミルクテラス」で展開する、ビタミンEが豊富な特別メニューも紹介された。

○■夏は「酸化ストレス」リスクが高まる季節

紫外線や暑さによる睡眠不足、食生活の乱れ、屋内外の寒暖差など、夏は知らず知らずのうちに細胞にダメージを与える「酸化ストレス」の発生要因が多い季節。本セミナーでは、そんな夏特有のリスクに内側からアプローチできるビタミンEが持つ効果や、日常生活に無理なく取り入れる方法を専門家が解説した。

冒頭、ビタミンEに関する一般意識調査の結果を紹介したのは、江崎グリコ 健康イノベーション事業本部・川上雄太郎氏。同社は1955年に「アーモンドグリコ」を発売するなど、ビタミンEなどの栄養素が豊富なアーモンドを日本で広めてきた歴史があり、2014年にはアーモンドミルク商品を発売している。

「今回の調査では約4割弱の生活者の方が夏に不調を感じると回答し、特に夏になると気になる体の悩みとしては、約半数の方が『だるさ・疲労感』と回答しました。また、睡眠不足や肩こりなどの不調も夏に最も出るという回答が多くありました」(川上氏)

これらの不調の原因のひとつとして考えられるのが酸化ストレスだが、その内容について知る人は14%に留まる結果となったという。

「ビタミンEのはたらきについて知る人は26.3%、約1/4という結果でした。ただ、ビタミンEのことを詳しく知っているとお答えいただいた方に限ると、大多数の方がビタミンEを週1日以上、意識的に摂取していることもわかりました」(川上氏)

その理由・目的には「美容目的」が高い一方、「酸化対策」などと答える人も多く、対象者全員への共通設問では週1回以上、アーモンドミルクを生活に取り入れている人は20代女性で6割を超えたという。

「摂取方法ではアーモンドを含むナッツ類が最も多く、植物性ミルクは31.2%とアーモンドミルクのポテンシャルはまだまだあると考えられます。そこで今回、グリコでは健康アクション『実はすごいぞビタミンE』を開始し、その第1弾として『丸の内アーモンドミルクテラス』を8月1日~24日までの期間限定で開催することになりました」(川上氏)
○■夏におすすめのアーモンドミルク習慣

その後は慶應義塾大学医学部化学教室教授・井上浩義氏が登壇。「知らぬ間に進行する“夏の酸化ストレス” ビタミンEで内側から守る、アーモンドミルク習慣」と題した講演を行なった。


暑さや日照時間の影響による睡眠不足のほか、日本で3月頃から10月頃までが最も強いという紫外線、冷房が効いた屋内と屋外の寒暖差などが原因となり、夏の体の不調につながるという酸化ストレス。人間にとって不可欠な酸素だが、逆に酸素が私たちの体をむしばむ場合があると解説する。

「簡単に言うと酸化とは酸素で我々の体が錆びてしまうこと。酸素が我々の体に直接障害を与えるわけではなく、紫外線や喫煙、精神的ストレスなどによって酸素が活性酸素に転換され、我々の細胞にダメージを与えてしまう。酸化ストレスはほぼ全ての病気に関係しています」(井上氏)

人体は余分な活性酸素を除去するシステムとして、SOD(スーパー オキサイド ディスムターゼ)・カタラーゼという抗酸化酵素を持っているが、40代以降は抗酸化酵素が生成されにくくなり、体内の活性酸素をうまく除去できなくなるという。

「抗酸化酵素の減少はどんなに見た目が若々しくても完全に防ぐことはできません。だから、活性酸素をなくすような栄養を口から摂りましょうというのが我々の提案です。活性酸素を除去する代表的な栄養素がビタミンE、あるいはビタミンCやポリフェノールです。酵素と違って食べ物の栄養、ビタミンEの場合は1.5日ほどしか体の中に残らないので、毎日摂る習慣がとても大切になります」(井上氏)

サプリで抗酸化作用のあるビタミンEを摂ることも「ひとつの正解」のようだが、過剰摂取の問題もあり、高タンパクで食物繊維も豊富なアーモンドなどの食品から摂取するのがおすすめとのことだ。

「ビタミンEはアボカドにも多く含まれていますが、それでもアーモンドの10分の1ほど。ブルーゾーン(100歳以上の高齢者が多く暮らす世界の5つの地域)の中で、沖縄以外の地域は、まさにアーモンドなどのナッツを多く食べている地域です。体内の酸化は午前中に進みやすいため、一日に必要な半分の量でもいいので朝に食べることもポイントです。
アーモンドの目安は一日25粒ですが、アーモンドミルクは消化にも良く、水分も一緒に摂れるため、夏の時期はぜひ活用してください」(井上氏)
○■紫外線や血行不良の対策にも効果的なビタミンE

最後は本イベントでMCを務めたタレント・気象予報士の山田玲奈さん、食物栄養学博士の青木敦子氏、井上氏の3名によるパネルディスカッションが実施された。

同社のアーモンドミルク商品を発売当初から、毎日のように愛飲しているという超ヘビーユーザーの青木氏は、「ビタミンEはシミ・シワを予防したり、できてしまったシミ・シワを修復したりするはたらきがあるので。夏の時期に強まる紫外線の対策にもってこいです」と、太鼓判を押す。

山田さんは紫外線量が1990年の観測開始以降、10年ごとに約4.6%の割合で増えていると説明。異例の猛暑の中で7割の方が猛暑で生活習慣に変化を感じ、健康の影響を実感しているというデータも紹介した。

「近年、ディーゼル車の規制やクリーンエネルギー自動車の普及で大気中のPM2.5などの汚染物質が年々減って空気が綺麗になっていることも背景に、紫外線が地上に届きやすくなっているとも言われています」(山田さん)

猛暑と紫外線が人々の夏の生活と健康に大きな影響を与えているようだが、青木氏は冷房で冷えた体の不調にもビタミンEは効果的と語る。

「この夏の時期は寒暖差でも疲労が溜まりますし、汗でミネラルと水分が抜けると、血流が悪くなってドロドロしてしまう。末端の毛細血管まで血液がよく流れて血流が良いと、いろんな細胞や臓器が元気になって、免疫機能もアップします」(青木氏)

井上氏によると血流は自律神経が深く影響しており、ビタミンEは神経保護にも効くという。

丸ノ内ハウスの全12店舗では、そんなビタミンEが手軽に摂取できるアーモンドミルクを活用した、17種類の特別メニューが展開されている。

青木氏は「お料理にアーモンドミルクを使っていますが、血流の観点で言うと、今回の特別メニューの中でアーモンドミルクを使ったタイ風のグリーンカレーは、しょうがのジンゲロールや唐辛子のカプサイシンにアーモンドミルクのビタミンEも加わることで、さらに冷えた身体を温めてくれます。鶏肉も摂れるので夏バテ予防にピッタリですね」と、語っていた。

伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。
SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら
編集部おすすめ