シチズン時計の「プロマスター」は、陸(LAND)、海(MARINE)、空(SKY)それぞれの専門分野で求められる性能と機能を備えたプロフェッショナルウオッチのブランドだ。その「海(MARINE)」から、ダイバーズウオッチ「エコ・ドライブ(電波受信機能なし)プロフェッショナルダイバー300m」を取り上げよう。


ラインナップは、ブルーダイヤル(BN1025-08L)の限定モデル、ブラックダイヤル(BN1024-01E)とレッドダイヤル(BN1024-01Z)のレギュラーモデルだ。今回はレギュラーモデルの2本をお借りした。レギュラーモデルはそれぞれ12万1,000円で発売中だ。

BN1024-01E/BN1024-01Z(以下、両者合わせてBN1024)は、300m飽和潜水用の防水性能を備えたハイスペックなダイバーズウオッチ。飽和潜水を簡単に言うと、プロのダイバーが深いところまで潜って作業するときに、あらかじめ高圧環境に身を置いて身体を順応させる潜水技術のこと。

見どころの多いBN1024だが、パッと見で目に飛び込んでくるのはグラデーションダイヤルとケースの造形。深海をイメージしたというダイヤルのグラデーションは、12時位置のやや明るいレッドまたはグレーから、6時方向へと徐々に暗くなっていく。まさに海面から深海へと潜っていくかのようだ。

針とインデックス、目盛り、ベゼル上の数字はどっしりとした骨太なもので、視界が悪くなる水中での視認性を確保。針とインデックスには夜光処理を施している。ケース素材はステンレススチール、ケースサイズは径46mm×厚さ16.3mm(設計値)、風防は無反射コーティングのサファイアガラスだ。

ステンレス製の逆回転防止ベゼルとサイドの溝も、水中での操作性に配慮して大柄感のあるデザイン。
120クリックで一周する。りゅうずが4時位置にあるのも、手首の動きへの干渉を減らし、操作を妨げないようにする仕様だ。

2時位置のサイドにはヘリウムエスケープバルブを設けている。深海から浮上していくと、ヘリウム分子が時計の内部に入り込み、膨張して時計の内部から破損することがある。ダイバーズウオッチのヘリウムエスケープバルブは、内部にたまったヘリウムを抜くための機構だ。

ウレタンバンドには延長バンドが付属。このバンド、ウレタンの原料に植物由来の「BENEBiOL(ベネビオール)」というものを使っている。ベネビオールは三菱ケミカルが開発したウレタン原料だ。BN1024のバンドは、環境に配慮しつつ高い耐久性を実現している。

ムーブメントと駆動力も見逃せないところ。クオーツ式のムーブメント「キャリバー E365」は、定期的な電池交換がいらない光発電エコ・ドライブ仕様。精度は月差±15秒。
そしてなんと、満充電の状態から約1年間もの駆動力を持つ。例えば、サマーシーズンの終わりに満充電にしておき、翌年のシーズンスタートまでほったらかしでも動き続けている計算だ。

BN1024は本格的なダイバーズウオッチだが、ダイビング専用というわけではない。機能面もさることながら、塊(かたまり)感やギア感のあるデザインは腕時計としての魅力にあふれている。スペックや作りの良さを考えれば価格的にもコストパフォーマンスは高く、好みに合うようなら選ぶ価値大だ。
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