最近のラップトップでは、USB Type-Cを装備するものがほとんどだ。ラップトップなどの本体側に装備されるコネクタには、いくつか呼び名があるが、USB Type-Cの仕様書では、これを「レセプタクル」という。
一般的には、こうしたコネクタは、「ソケット」、「メス型コネクタ」、「ジャック」などともいう。コネクタの仕様での定義や、慣習的なものがあって、呼び分けされている。

USB Type-Cコネクタは、横長で、減少傾向にあるラップトップの厚さを考えると装備がしやすい。また、機能的には、USBだけでなく、映像出力などにも利用でき、フルサイズのDisplayPortやHDMIレセプタクルよりも薄く小さい。

ただし、仕様としては、USBとしての機能とType-Cコネクタの仕様は独立している。このため、見た目が同じType-CでもUSBとしての機能は異なる可能性がある。ただし、互換性は保たれており、USB Type-Cプラグは、Type-Cレセプタクルに問題なく接続できる。基本的にユーザーは仕様などについて何も考える必要がないというのが基本的な立場だ。
○WHCPで最低仕様を定義

どんな場合でも、とりあえずコネクタをレセプタクルに刺すしかないUSB Type-Cだが、トラブルもある。というのは、USB Type-Cには、多数のオプション仕様があり、1つのマシンに装備されている複数のUSB Type-Cコネクタで、異なるオプションを採用している場合があるからだ。

これを理解していないと、「昨日は動いたのに今日は動かない」(実はレセプタクルが異なっていた)、Type-Cなのに他のマシンと違う(オプションの有無)、充電できない(レセプタクルがUSB PDに非対応)などの問題に出会う。

最近までは、ラップトップのUSB Type-Cコネクタの仕様は、完全にメーカー任せであり、メーカーによっては、1つのマシンに異なるオプションを採用したType-Cレセプタクルを混在させていた。


USBには、転送速度やオプション機能を示すロゴがあるが、狭い範囲にType-Cレセプタクルが並ぶラップトップでは、すべてを表示できないことがある。

こうした状況に対して、Microsoftは、WHCP(Windows Hardware Compatibility Program)でUSB Type-Cレセプタクルが満たすべき最低限の仕様を定めた。導入は、Windows 11 Ver.24H2のタイミングから。ただし、24H2をプリインストールしているすべてのラップトップ、タブレットが新しいWHCPに準拠したType-Cを装備しているとは限らない。製造、出荷のタイミングでは、そうでない仕様の場合もありえる。

(表01)は、新しいWHCPに準拠したUSB Type-Cコネクタの仕様である。簡単にいうと、すべてのUSB Type-Cレセプタクルは、USB PDとDisplayPort Alternate Modeに対応しなければならない。これより、どのレセプタクルにケーブルを挿してもディスプレイとの接続が行え、充電器/ACアダプタは、どのレセプタクルに接続しても充電が可能になる。

厳密にはUSB 4とThunderboltは異なる仕様だが、ざっくり言うと、USB4対応のType-Cは、Thunderbolt4になる。また、すべてのType-Cレセプタクルは、Microsoft driver stack requirementを満たしており、ドライバの更新は、Windows Update経由で行われる。

今回のタイトルネタは、ディックの「Impostor」(1953)。邦訳は早川SF文庫「ディック短編傑作選 アジャストメント」に収録されている「にせもの」である。
短編ながら、奇妙な味のある作品で、2001年に映画化もされている。CGの発達により、セットが大がかりになるSF映画が作りやすくなった。ディック原作の映画が少なくないのにも理由がありそうだ。
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