「英語ができなくて不安…」「現地でうまく通じるかな…」そんな心配を抱えている方も、ご安心を! 実は、旅先で必要とされる英語の多くは、中学で習ったようなシンプルなフレーズで充分通じます。

難しい単語や完璧な文法は要りません。
必要なのは、シンプルに使える言い回しをいくつか覚えておくこと。それだけで、道を聞く、注文する、感想を伝える——そんな日常のやり取りがスムーズになり、現地の人との心の距離もぐっと縮まります。いまやAIや翻訳ツールがある時代。でもやっぱり、自分の声で、自分の言葉で「伝えられた!」という感覚は、特別なものです。

この記事では、「テンプレート型」のフレーズを10個ご紹介。一部の表現を覚えておけば、一部を入れ替えるだけでいろいろな場面に応用できます。まさに“ポケットに入れておける旅の相棒”のようなフレーズばかり。「伝わった!」「通じた!」という体験につながる、シンプルで頼もしいフレーズを手に入れて、言葉で旅する楽しさを味わってみましょう。

1. Where is + 場所?

意味:~はどこですか?
文法ポイント:「Where is~?」は場所をたずねる定番表現。「is」のあとは名詞が続きます。

【例文】
Where is the nearest station?(最寄りの駅はどこですか?)
Where is the restroom?(トイレはどこですか?)

スマホの地図を見せてこのひと言を言うだけ!道をたずねるのって気楽なんです。教えてもらった後の「通じた!」体験が自信になります。

2. I’d like + 名詞 / to+動詞

意味:~をお願いします/~したいのですが
文法ポイント:「I’d like」は「I would like」の省略形で、丁寧な依頼や希望を表します。

【例文】
I’d like chicken, please.(チキンをお願いします(機内食の好みを伝える))
I’d like to check in.(チェックインしたいのですが)

食べ物飲み物も、チェックインも、これで安心して伝えられます。丁寧にお願いできるから、旅先で好印象を残せるかも!
3. What kind of + 名詞 do you have?

意味:どんな~がありますか?
文法ポイント:「What kind of + 名詞」で「どんな種類の~がありますか?」

【例文】
What kind of drinks do you have?(どんな飲み物がありますか?)
What kind of souvenirs do you have?(どんなお土産がありますか?)

メニューや商品、サービスなどのラインナップなどを知りたい時の定番フレーズ!選択肢から選ぶ余地があると、旅先の楽しみがグッと広がります。
4. Can I have + 食べ物・飲み物・買い物

意味:~をもらえますか?(注文時)
文法ポイント:「Can I have~?」は、カジュアルかつ丁寧に注文を伝えられる便利な表現。「Can I~?」は許可を求めるときにも使える定番の聞き方です。

【例文】
Can I have the pasta?(パスタをもらえますか?)
Can I have an iced coffee?(アイスコーヒーをもらえますか?)
Can I use this?(これを使ってもいいですか?)

「Can I have~?」は、機内でもレストランでも大活躍。実は英語圏の子どもも最初に覚える“注文フレーズ”です。伝わった瞬間が何よりのごちそうです!
5. Can I try this on?

意味:これを試着してもいいですか?
文法ポイント:「Can I + try on」で「試着してもいいですか?」。“try on” は「服や靴などを身につけて試す」という決まった表現です。ちなみに「Can I try this?」だけだと、「これを試してもいいですか?」という意味になり、試食や体験など広い意味になります。

【例文】
Can I try a smaller size on?(もう少し小さいサイズを試してもいいですか?)
Can I try these shoes on?(この靴を試してもいいですか?)

リゾートに赴いて、ウキウキと現地の洋服が欲しくなったり、あるいは予想せぬ寒暖差で上着が必要になったり。そんなシチュエーションで使えます。

6. I’m looking for + 名詞

意味:~を探しています
文法ポイント:「look for」は「~を探す」という意味。「I’m looking for~」は現在進行形で「今まさに探している」状態を表します。

【例文】
I’m looking for a pharmacy.(薬局を探しています)
I’m looking for a taxi stand.(タクシー乗り場を探しています)

何かを探している時、困っている時にこのフレーズを。助けてもらえた後に、良き旅の思い出になります。
7. Could you take a picture of us?

意味:写真を撮っていただけますか?
文法ポイント:「Could you + 動詞」は丁寧な依頼表現。後ろに色々つけることができますが、旅行と言えば写真!このフレーズを丸ごと覚えておこう。長いと感じたら「of us」はなくても通じます。

【例文】
Could you take a picture of me?(私の写真を撮っていただけますか?)
Could you take a picture of us?(私たちの写真を撮っていただけますか?)

スマホを渡してこの一言。シャッターの後に「Perfect!」と返ってくると、英語でお願いできた満足感がグッと高まります。
8. What time does it open/close?

意味:何時に開きますか/閉まりますか?
文法ポイント:「What time does + 主語(it)+ 動詞?」で、時間をたずねる疑問文が作れます。その場にいるスタッフに直接たずねる場合は、「What time do you open?」で大丈夫!

【例文】
What time does the museum open?(博物館は何時に開きますか?)
What time does this place open?(ここは何時に開きますか?)

美術館やマーケットの前で「開いてるかな?」と不安になったらこの一言を。スマホで調べる前に、勇気を出して尋ねてみよう。

9. Is there a + 場所 near here?

意味:近くに~はありますか?
文法ポイント:「Is there~?」は何かの存在をたずねる表現。場所を表す語句と一緒に使います。

【例文】
Is there a nice café near here?(この近くに美味しいカフェはありますか?)
Is there a bus stop near here?(このあたりにバス停はありますか?)

「Where is~?」は“ある前提”で場所をたずねる表現、「Is there~?」は“あるかどうか”を確認する表現です。聞いた結果、穴場の場所を知ることができたら、旅の満足度が爆上がりです。
10. I like + 名詞 / 動詞-ing

意味:~が好きです/~が気に入りました
文法ポイント:「I like + 名詞/動詞-ing」で、自分の好みや感想を伝えられます。

【例文】
I like this place!(この場所、気に入りました!)
I like walking around the city.(街を歩き回るのが好きです)

このシンプルすぎる一言ですが、言われた相手は嬉しいものです。旅先で出会った人との心の距離をぐっと縮めてくれます!
番外編:大事な一言フレーズ

どんな英語フレーズよりも、旅先で一番頼りになるのが、「Excuse me」「Please」「Thank you」といった、ひと言フレーズです。

たとえば、道をたずねるときに “Excuse me.” を使えば、グッと話しかけやすい。相手だって心構えできる。注文時に “Please” を添えれば、丁寧で感じの良い印象に。何かをしてもらったら、にっこり笑って “Thank you.”。これだけで、旅はもっと温かく、心の通うものになるはずです。

おわりに

英語を話すことに自信がないと感じている方も、「中学英語でここまで通じるんだ!」という体験は、旅の景色に負けないほど心に残るもの。今回ご紹介した10フレーズは、どれも中学レベルの英語で言えるシンプルなものばかり。それでいて、実際の旅先ではしっかりと伝わり、相手と通じ合うことができます。

「通じた!」「伝わった!」という小さな成功体験は、旅を何倍も豊かにしてくれます。そしてその経験が、「英語って楽しい」「また使ってみたい」という気持ちにつながります。

英語が苦手だと思っている方こそ、まずはこの10フレーズをポケットに入れてみてください。メニューを頼むとき、道に迷ったとき、写真を撮ってもらいたいとき…英語でやりとりができた瞬間、自分の中の世界が少し広がるはずです。

旅の思い出に「言葉で通じ合えた記憶」も、ぜひ一緒に加えてみませんか?

船橋由紀子 ふなばしゆきこ インターナル・ドライブ 代表取締役。31歳で英語学習を開始し、その後、語学コーチングスクールに入社し英語学習コーチへ。TOEIC985点。「英語学習のプロセスは、 人生を変えるトレーニング」 が信条。 これまで15年間5000人をサポートした知見を基に、 成功する英語学習のコツを伝授。
多くの経営者を顧客に持ち絶大な信頼を得ている。 著書には、 『英会話は筋ト レ。 中2レベルの100例文だけ!1か月で英語がスラスラしゃべれる。』 (かんき出版/2021年)、 「人生を変える 「続ける」 技術』 (共著/ナツメ社/2020年)、 『超コーチング式英会話上達法』 (アルク/2020年)などがある。 この著者の記事一覧はこちら
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