通信カラオケ・JOYSOUNDは、昭和・平成・令和の時代別、そして歌唱者の年代別に調査した「アイドルソングカラオケランキング」を発表した。

このランキングは、昭和・平成・令和、それぞれの時代を代表するアイドルソングを「男性」「女性」に分けて公開。
さらに、10代から60代まで、各世代が今、実際にカラオケで歌っている“推しアイドルソング”を年代別に分析し、懐かしの名曲から最新ヒット曲まで、世代を超えて愛されるアイドルソングの今を、カラオケランキングでひも解く。

カテゴリーの集計期間は、6月1日~30日で、時代別、男性/女性アイドルソング、カラオケランキング(昭和・平成・令和)でトップを発表。また、1月1日~6月30日(「うたスキ」の会員による歌唱が対象)では、年代別、アイドルソング、カラオケランキング(10代~60代)のトップを発表している。
○■男性アイドルの時代別、カラオケランキング(昭和・平成・令和)トップ10

昭和は、1位と2位に沢田研二の「勝手にしやがれ」と「時の過ぎゆくままに」がランクインし、トップを独占。ファッションや髪型でも若者文化を牽引したチェッカーズが、グループで唯一トップ10入りを果たした。また、郷ひろみの「2億4千万の瞳 -エキゾチック・ジャパン-」、近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」、フィンガー5の「学園天国」、西城秀樹の「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」など、振り付けやコール&レスポンスが楽しめる曲も上位に入った。明快なメロディと覚えやすい歌詞も多いのが昭和のアイドルソングの大きな特徴と言える。

平成に入るとアイドルグループが音楽シーンを席巻し、黄金期を象徴する名曲が数多く登場した。1位に輝いたNEWSの「チャンカパーナ」は、サブスク解禁に合わせてMVがYouTubeで公開され再注目。KinKi Kidsはデュエット曲「愛のかたまり」が2位に入り、デビュー曲「硝子の少年」も8位を獲得。SMAPは「世界に一つだけの花」をはじめ4曲が上位に。嵐はグループとソロ曲を合わせて7曲が20位以内に入り、平成を代表するドラマ主題歌が並んだ。
9位の光GENJI「勇気100%」は『忍たま乱太郎』の主題歌として後輩グループに歌い継がれ、時代を超えて愛され続けている。

昭和・平成のテレビ中心の時代から一変し、令和ではSNSや動画配信をきっかけに数多くのヒット曲が誕生した。映画主題歌として話題の「タペストリー」で首位を獲得したSnow Manは、ソロ曲も含め9曲がランクイン。なかでも「守りたい、その笑顔」は、推しへの愛をストレートに表現した歌詞とコール&レスポンスが特徴で、ライブやカラオケで定番の盛り上がり曲となった。M!LKの「イイじゃん」は、自己肯定感を高める歌詞と中盤のクラブサウンドへの大胆な転調がSNSで話題となり、Z世代を中心に支持を拡大。さらに、オーディション番組『timelesz project』から誕生した新体制のtimeleszによる「Rock this Party」も、堂々4位にランクインを果たし、存在感を示した。
○■女性アイドルの時代別、カラオケランキング(昭和・平成・令和)トップ10

歌番組が最盛期を迎え、テレビ文化を象徴した昭和の女性アイドルたち。“清純派”の松田聖子、“クールで強い女性像”を体現した中森明菜、独自の世界観と歌唱力で魅了した名曲の数々は、今なおカラオケで愛されている。松田は「赤いスイートピー」をはじめ、カバーでも人気の4曲が20位以内にランクイン。中森は実に8曲が20位以内に入り、「少女A」は若い世代のランキングでも上位を獲得した。媚びない姿勢や自己表現の強さが、現代の価値観と重なり支持を広げている。さらに、山口百恵も「いい日旅立ち」「プレイバックpart2」など4曲がランクイン。
ドラマチックなメロディや印象的な振付、時代を超えて共感できる歌詞が、令和のカラオケでも昭和アイドルソングを輝かせている。

“ソロ全盛”の昭和から一転、平成は「大人数グループ」が台頭し、世代を象徴するヒット曲が数多く誕生した。なかでもAKB48は「365日の紙飛行機」を筆頭に1~4位を独占し、20位以内に8曲がランクイン。モーニング娘。をはじめとするハロー!プロジェクトも元気な楽曲とタイアップで根強い人気がある。SPEEDは冬の定番「White Love」が8位に。私立恵比寿中学の「仮契約のシンデレラ」はTikTokで再ブレイクし人気急上昇。欅坂46・乃木坂46、ももいろクローバーZといった後期グループも上位に食い込んだ。友人同士で盛り上がる平成アイドルソングの掛け合いが、令和のカラオケでも人々を魅了し続けている。

令和ではTikTokやYouTubeを起点に楽曲が拡散し、自己肯定感や推し文化を前面に押し出した“令和型アイドルソング”が人気をけん引。CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」は、“かわいい”という価値観を問い直す歌詞とツインテール×自撮り演出で大バズりし首位を獲得。=LOVE「とくべチュ、して」はセリフから始まる恋愛ソングとしてZ世代に刺さり、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」も振付の可愛さでカラオケシーンを席巻した。
さらに、超ときめき宣伝部「超最強」は「かわいいは力だ!」を叫ぶ応援歌としてライブで大合唱が起こり話題に。iLiFE!「アイドルライフスターターパック」はオタク用語を歌詞化し、現場文化を丸ごと表現するなど、新しいアイドル像を提示している。
○■年代別アイドルソング、カラオケランキング(10代~60代)トップ10

中森明菜「DESIRE -情熱-」が全世代でトップ20入りを果たすなど、力強い歌唱が魅力の昭和女性アイドル曲が根強い支持を集めている。男性アイドルでは、光GENJI、SMAP、KinKi Kids、嵐が10代から40代まで幅広く親しまれていることが明らかになった。

10代、令和のアイドルソングを抑えて首位を獲得したのはSMAP「世界に一つだけの花」だった。続いてCUTIE STREET「ひたむきシンデレラ!」、CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」が上位にランクイン。光GENJI「勇気100%」は4位、嵐も複数曲が入り高い支持を獲得。昭和から唯一トップ10入りした薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃“夢の途中”」は、物語性ある歌詞と歌いやすさから、カラオケ採点でも人気の1曲となっており、全年代で上位にランクインを果たしている。

20代は、首位の嵐「Monster」を筆頭に、KinKi Kids、SMAPの楽曲が多数ランクイン。令和の曲では「ひたむきシンデレラ!」「倍倍FIGHT!」「とくべチュ、して」など勢いのあるアイドルナンバーが上位を占め、最新曲と定番曲が同居する結果に。10位未満では、SNSなどを通じて再注目されている、中森明菜「DESIRE -情熱-」が11位、「少女A」が15位を獲得している。

30代では、KinKi Kids人気が圧倒的で、「愛のかたまり」が1位、他にも複数の楽曲が10位以内に入った。
光GENJIやSMAP、TOKIOや嵐が中核を占めるなか、CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」が14位、timelesz「Rock this Party」が17位と令和のアイドルソングも大健闘。中森明菜「DESIRE -情熱-」「少女A」、薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃“夢の途中”」など、昭和のアイドル曲もランクインしており、テレビや親世代からの影響で、“知っているだけ”にとどまらず、自分たちで歌いこなす傾向が見られる。

40代は、薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃“夢の途中”」が首位を獲得。中森明菜や山口百恵といった昭和の女性アイドル曲が上位に多くランクインしており、歌唱力を生かせる楽曲が支持を集めています。KinKi Kids、SMAP、嵐のヒット曲が根強い人気を誇るなか、昭和にヒットしたチェッカーズ「星屑のステージ」もトップ10入り。40代以上では令和の楽曲はランクインせず、世代を超えて愛される“王道アイドルソング”が中心となった。

50代・60代になると、中森明菜、松田聖子、薬師丸ひろ子をはじめとする昭和の楽曲が圧倒的な支持を獲得した。若年層がアップテンポでキャッチーな昭和曲を好むのに対し、この世代では「スローモーション」「セカンド・ラブ」「探偵物語」など、しっとりとした曲調の切ないバラードが好まれる傾向にあるようだ。男性アイドルでは、チェッカーズや郷ひろみもランクインし、往年のスターの存在感が今なお健在であることを示している。
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