精巧な複雑機構と、ブランド独自のデザインで時計愛好家の心を惹き付けるフランク ミュラー。丸みを帯びた3Dケースデザイン「トノウ カーベックス」や、文字盤上の数字がバラバラに配置することで、時計の常識を覆した「クレイジーアワーズ」など、フランク ミュラーにしかない魅力がある。
今回はオークファンプロPlusを使って、ヤフーオークションで2025年6月中に取り引きされたフランク ミュラーの商品(最低金額2万円以上)を価格順にランキング化。最も高額で取引されたモデルと、その特徴を解説する。
2025年6月中に2万円以上で取引されたフランク ミュラーの商品は合計77点。平均取引価格は70万8,440円だった。
中でも高額取引価格を記録したモデルは次の3本。「定価2970万円 K18WG インペリアル トゥールビヨン クロノグラフ」(1,950万円)と「クレイジーアワーズ 金無垢 全面ダイヤ」(1,700万円)、そして「アイスブルー フルダイヤモンド K18WG ダブルミステリー」(136万9,000円)だ。なお、ここで取り上げている商品名は基本的に出品時の表記に沿っている。
定価で購入すると、2,970万円だという「K18WG インペリアル トゥールビヨン クロノグラフ」。現在でも取り扱いのあるモデルのようだが、何かレアなポイントなどはあるのだろうか? 時計ジャーナリストの渋谷康人氏に解説してもらった。
「インペリアル トゥールビヨンは、複雑時計ブームのスターである時計師フランク・ミュラーが1995年に発売した、18世紀の中国時計の『邪気を払うために刀のような部品を付けた天輪』のデザインに触発され、1分間に1回転するトゥールビヨンのキャリッジに斧型のモチーフを取り入れたトゥールビヨンモデル。2010年代に復刻されて再びレギュラーモデル化された。これはクロノグラフ機能が付加されたその発展モデル。