もうすぐ迫る「敬老の日」。帰省して親や祖父母に顔を見せたり、ちょっと気のきいた食べ物やお酒を贈ったりするのが定番だけど、毎年これでは芸がない……。
「さて、今年はどうしたものか」と頭を悩ませていたところ、あるアイディアが浮かんだ。これ、ちょっと変わり種のサプライズとして面白いんじゃないだろうか。果たして両親のリアクションはどんな感じになるのか? 試してみた。
「旬の味覚」と「移動できる足」を離れた親に贈る
個人的な話になるが、これまで敬老の日といえば、埼玉の実家に帰省して両親と一緒に外食するか、父が好きそうなお酒をネットで適当に探して贈りつけるというのが定番だった。父の日も母の日も同様である。
一応、お酒といってもそれなりのお値段のものを選んでいるし、毎回ありがたく受け取ってはくれているのだが、ぶっちゃけマンネリもいいところ。さらに2025年は3連休に予定が重なっていて、物理的に帰省するのはちょっと難しいし、お酒はもう送り尽くした感もある。
なんか妙案がないかな……とボンヤリ考えていたときに、ふとUber EatsのCMが目にとまった。
「あれ? 今までUber Eatsって自宅に届けてもらうばかりだったけど……実家にも届けられるんじゃね?」
自分以外の誰かにデリバリーを届けてもらうという発想は、これまでなかった。
敬老の日に遠く離れた地から「旬の味覚」と「自由に移動できる足」をプレゼント……。これ、ちょっと斬新で面白くないか? ということで、少し早めだけどサプライズ的に敬老の日をお祝いしてみることに。きっと喜んでくれるに違いない!
すしかうなぎか……どっちもいっちゃえ!
両親の住む大宮エリアでUber Eatsを開いてみると、選択肢は意外と幅広いことがわかる。ちなみにUber Oneに登録しているので、一定金額以上の注文をすれば配達手数料は無料なのも地味にありがたい。
さて…と。贅沢グルメと言えばやっぱりお肉だよね。どれどれ…。地元を離れてだいぶ経つけれど、もう知らないお店ばかりだ。こうして見ていると、自分で食べたくなってきた。
お肉だけでなく、ファミレス系や町の洋食屋、ラーメン店までずらりと並んでいる。
ということで最終的に候補に挙がったのはふたつ。ひとつは紹介制の高級すし店のバラちらし。食べログで星3.5、価格帯は15,000~19,999円という、紛うことなき高級店である。彩り豊かな海鮮がぎっしり詰まったちらしは、まさにお祝い向きの一品に違いない。
そしてもうひとつは明治時代に創業、120年を超える歴史を持つ老舗うなぎ店のうな重定食。9月ということで旬からはちょっと外れてしまっているかもだけど、まだまだ暑いということもありスタミナ食として重宝される。そしてなにより、ふっくらとした蒲焼きの香ばしさは、世代を問わずテンションが上がるはずだ。
すしか、うなぎか。究極の二択。スマホを握りしめながらしばし悩んだが、二者択一はできそうにないので、両方注文することに。
いざ、サプライズ決行!
両親には「この日は夕食を作らなくていいから」と事前に連絡し、夕食時を狙ってバラちらしとうな重を注文。もちろん、配達先は実家に指定済みだ。
アプリ上では、配達員さんの現在地がじわじわと実家に近づいていくのが見てとれる。この様子をリアルタイムで眺めるのはいつも楽しいけど、今回は自分のもとにやってくるわけじゃなく、むしろ自分の代わりに届けてもらっている立場なので……。なんかいつも以上にソワソワするね!
午後18時頃、無事に到着したと母からLINEで写真が送られてきた。バラちらしのふたを開けた瞬間、バラちらしの鮮やかな色合いに「キレイ!」と声を上げたらしい。うわ~これはマジで美味しそう……。よし、あとで私もお皿が回るおすし屋さんに行こう。
味のほうも抜群だったそうで、赤酢で作られた芳醇なシャリと新鮮な海鮮の風味の相性が最高で、ネタの旨味が口いっぱいに広がっていったとか。ネタのサイズも一つひとつ大きく、特にエビやイカのプリプリ食感に高級感を覚えたらしい。
母曰く、うな重もふわふわでとろけるようだったとか。
「暑くて外食行くのにも躊躇するからUber Eatsを離れてる子どもが手配してくれるのはいいね。高齢者は着飾る物より美味しい食べ物を送られるのが一番よ…てな感じ」とのLINEも送られてきた。なかなか気のきいたことを言ってくれるじゃないか。
Uber Taxiで「プチ温泉旅行」もプレゼント
さらに後日、今度はUberでタクシーを配車! サプライズ第2弾、目的地は大宮エリアにある某天然温泉だ。泉質はナトリウム-塩化物泉で、地下約1,500mから湧き出した約38度の源泉を使用しているらしい。夏の温泉というのも、粋というかオツじゃないか。
母は「タクシーをプレゼントされたのはさすがに初めて」と驚き、父は「自分で運転しないでいいのはすごく楽」と上機嫌だったらしい。正直、こちらとしてはアプリでポチポチしただけなのだが、親世代にとっては「遠隔操作で贅沢を差し入れられる」という体験自体が新鮮だったらしい。
自分としてもこんなリモート形式のプレゼントは初だったが、これは両親の思い出にも残るだろうし、「ちゃんとプレゼントした感」があるからいいぞ!
「体験」をプレゼントするという選択肢は斬新
今回、初めてUberを使って「食事」と「足」を同時にプレゼントしてみたが、思った以上に親からのリアクションが良く、自分自身の満足感も大だった。特にUber Taxiで温泉を満喫できたのが目新しかったようだ。
敬老の日の贈り物は必ずしもモノである必要はなく、「体験」だっていいはずだ。