味の素グループが、2025年秋季の新商品をメディアに公開した。家庭用に9品種を発売し、リニューアル品として39品種を用意している。
本稿では、急成長する即席みそ汁市場に向けた「だし屋のみそ汁」、新製法でパンのサクサクが持続する「クノール サクサクdeコパン」など、こだわりの新商品を中心に紹介していく。

○■パンがサクサクの「サクサクdeコパン」

「クノール サクサクdeコパン」は、忙しいランチ時間でもゆっくり楽しめ、気持ちもお腹も満たせるパン入りスープ。新商品の『北海道産スーパースイートコーンの濃厚コーンポタージュ』『完熟栗かぼちゃの濃厚ポタージュ』『バター風味香るさつまいもの濃厚ポタージュ』は8月23日から全国で販売している。

新商品は、生活者の声として寄せられていた「お湯を入れるとパンがすぐにふやけてしまう」「パンの食感を楽しむにはパンを先に食べるしかない」といった不満点を解消したもの。担当者は「パンのサクサク食感が最後まで持続する、独自製法を開発しました」と説明する。

「こだわりの自家製パンは、北海道十勝のパン工房で独自のレシピと製法で作っています。お湯を注いでも、パンのサクサク食感が最後の一口まで持続するようになりました」と担当者。なお『北海道産スーパースイートコーンの濃厚コーンポタージュ』に使われているコーンは、甘さのピークで収穫し、24時間以内にパウダー化したもの。素材本来の自然な甘みを存分に味わうことができる。

メインのターゲット層は、20~40代の女性。ランチとして、パン+当商品+サラダを買い合わせるケースが増えているという。「これまでコンソメとクラムチャウダーを定番商品として展開してきましたが、新フレーバーとして女性人気の高いさつまいもを加えました」と担当者。
2025年度の「クノール サクサクdeコパン」の売上目標は約10億円(消費者購入ベース)としている。
○■だし研究の成果で「だし屋のみそ汁」

「だし屋のみそ汁」は8月23日から販売している、即席みそ汁。「だし」の違いが楽しめる趣向で、『かつおだし』『かつおとこんぶのあわせだし』『いりこだし』『赤だし』(各3袋入)のほか、『4種のバラエティセット』(8袋入)を用意する。

市販の即席みそ汁は、味噌の違い・具材の違いで味を変えているものがほとんど。そこで味の素では、だしの違いによる味の変化に着目した。担当者は「長年の『ほんだし』の研究で培った「だし」素材・技術を使用し、「だし」と相性のよい味噌や具材を最適なバランスで組み合わせました。お湯を注ぐだけでさっと溶ける粉末形状なので、忙しい時でも簡単・手軽に召し上がれます」と説明する。

「ストックの味噌汁市場は、いま700億円ほどの規模があり、当社が家庭用に提供している液体調味料のカテゴリの中でも特に大きな市場です。その中でもフリーズドライ味噌汁は200億円に迫る規模で、短期的に急拡大しています。心も身体もホッとできる『だし屋のみそ汁」』で、人・社会・地球のWell-beingに貢献していければ」と担当者。2025年度の「だし屋のみそ汁」の売上目標は合計で約5億円(消費者購入ベース)としている。
○■「スチーミー」なら、むね肉もしっとり

「スチーミー」は、電子レンジを使って簡単に料理を仕上げられる圧力スチームクッキング調味料。
新商品として、スチーミー初の鶏むね肉用『むね肉のしっとり蒸し鶏用』を8月23日から全国で販売している。

鶏むね肉を圧力スチーム調理パウチに入れて、手で軽く揉んだあと、電子レンジ(600w)で11分温めるだけで料理が完成する。ソースは鰹と昆布のだしを合わせた和風の味付け。

担当者は「独自開発のパウチ、お肉を柔らかくする独自技術、独自素材(コク味成分)が当社の強みです。電子レンジに寝かせたまま加熱できるので、大きく膨らませてしっかり調理できます。『むね肉のしっとり蒸し鶏用』に関しては、ソースが肉汁を閉じ込めることで、鶏肉がパサつかずにしっとり仕上がります」と説明する。
○■家庭料理を助けるアイテム

「パスタキューブ」は、キューブタイプのパスタ用調味料。パスタを別茹でせずに、ひとつのフライパンで一緒に調理できる。新商品として、ボロネーゼを簡単に作れる『パスタキューブ 香味ボロネーゼ』を8月23日から全国で販売している。

『味の素KKコンソメ』も、17年ぶりにレシピを改訂。新商品では、肉の風味とコクがより強く感じられるようになった。担当者は「洋風のスープをはじめとする様々なメニューを、これまで以上に美味しく楽しめる味わいとなりました」と説明する。


このほか、味の素グループの食用油メーカーであるJ-オイルミルズでは、JOYL「AJINOMOTO オリーブオイル」のラインアップに、容器に紙パックを採用した300gスマートグリーンパックを追加し、8月20日より全国で販売している。紙パック容器にしたことにより、プラスチックの使用量を60%以上も削減できたという。

味の素AGFは9月1日より、「ブレンディ」スティックシリーズから『まろやか豆乳カフェオレ』を全国で販売している。同社独自のクリーミングパウダーを使用しており、乳素材は使用していない。担当者は「豆乳カフェオレ、ソイラテというとカフェでも定番のフレーバーになりました。そこで、自宅やオフィスでも手軽に美味しい豆乳カフェオレを飲みたい、というニーズをとらえた新商品を提案します。カップにスティック1本とお湯を注ぐだけで、風味の良いまろやかでコクのある味わいをお楽しみいただけます」と紹介している。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。
動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
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